随思録

日々思うことを記す。

7/1 ローマ

2011-07-25 20:40:40 | italia
今日は思いどおりにいった1日のはずだったが……

ホテルをチェックアウトし、まずは今晩の宿探し。
日本から手配をしておいたホテルは昨晩までなので、今日からは自分の手で宿をとらなくてはならない。
ガイドブックにテルミニ駅近くのYWCAがユースホステル(以下YH)をやっていると掲載されていた。
ホテルからも近いので、まずはそこに行って直接交渉してみることに。

怖そうなレセプションの中年女性と英伊織り交ぜて話してみると、シングルはない、ツインならある、33ユーロだという。
シャワー、トイレは共同。
ツイン1名で、33ユーロなら激安だろう。
さっそく料金を払い、宿が確定。

次に、明日はフィレンツェに移動する予定なので、フィレンツェYHの予約ができないか聞いてみた。
YH同士は、ほかのYHからの連絡(ファックス等)で予約可能なときがあるので。
あいにくそのシステムはないが、代わりに電話してくれるという。
日本でコピーしておいたイタリアのYHリストを見せると、フィレンツェYHに電話し、2泊とってくれた。
礼を言って荷物部屋にザックを置き、ローマでまだ見逃しているスポットへ。


まずはテルミニ駅から地下鉄でフラミニオ駅へ。
ポポロ広場(ポポロ門)を見る。
ポポロまではローマのうち、って感じですかね。

ここで第一大道芸人発見。
オベリスクの前に、ファラオの棺みたいなものが立ってて、あたらしいオブジェかな~ と横を通り過ぎたらこっち向いて驚く。
思わずコインを投げ入れた。
この手のネタは各地で見られるが、初めての遭遇。
コロッセオ前に剣闘士の格好をした人はいたが、こういうユーモアのあるほうが好きだ。


ポポロ広場から南へ歩いてアラ・パチスへ。
(アウグストゥス廟は改修中で見られない。)


アラ・パチスはアウグストゥス好きにはたまらない。
ローマパス所持で無料だった。


次は東に歩いてスペイン広場へ。
ジェラートが売っていないのも有名な話。
スペイン階段を上がっていくと「ナガトーモ!」の掛け声が。
ガイドブックの情報どおりに、ミサンガ売りがつきまとってきた。
「東京からきたのか。おれは大阪に“トモダチ”がいてレストランやってるんだ。これはトモダチへのプレゼントだ。無料だから安心して」とかなんとか英語でまくしたててくる。
「Thank you for Just only heart」とわかるようなわからないような返答をしたせいか付いてくる。
「Non mi piace アクセサリ!」(アクセサリ嫌い)と怒鳴ったら諦めた。

階段の上にあるトリニタ・ディ・モンティ広場からの眺めを楽しんで、反対側の階段から下っていったら「ナカータ!」の声が。
また別のミサンガ売りが現れた。
情報が古い上に、さらにしつこく追ってくる。
スペイン広場は落ち着かないので、早々に退散し、南にあるトレビの泉を目指す。


ガイドブックにはわかりにくい場所と書いてあったが、人が集まる方へ向かうとトレビの泉の姿が。
泉の前の広場にはパトカーが停まり、常時警戒中の模様。
安心して写真を撮る。
その後、泉の縁に腰掛けて休んでいたら、目の前に来た観光客が自分を撮ってほしい、という。
撮ってあげて、今度は「Me too please」と撮ってもらう(まさかの記念撮影)。
背中越し、10セント硬貨を投げ入れたのち、パンテオンへ向かう。

パンテオンはアグリッパが建設したもの(のちに焼失)を、ハドリアヌス帝が再建している。
アグリッパが建てたということで、見てみたかった。
途中、一瞬道に迷うが、ツアー客を尾行するという方法で入口へたどりつく。


パンテオンも、大きい。
ハコモノ好きにはたまらない。
神聖な場所なので、ノースリーブ、短パン禁止のはずだが、結構平気みたい。
6か国語で「静かにしてください」とテープが流れるのが不思議。


休憩も兼ねて祭壇の前にあるイスに座り、テルミニ駅までの戻り方を検討することに。
このあとマッシモ宮(ローマ国立博物館)を見学すれば、一応ローマで見ようと決めていた箇所は回り終わる。
マッシモ宮(ローマ国立博物館)はテルミニ駅前にあり、YHにも近い。

地図を見ると、パンテオンから西に歩くとナヴォーナ広場がある。
南北に広がるナヴォーナ広場を通り抜け、南に出ればエマヌエーレ2世通り。
ここは40番バスが通っているので、テルミニ駅まで一気に戻れる。
名所の1つであるナヴォーナ広場も見られるし、一石二鳥だ。


ナヴォーナ広場は噴水が有名。
歩きながらいくつか写真におさめ、エマヌエーレ2世通りに出る。
行ったり来たりして、ようやく40番バスのバス停を発見。
40番バスでテルミニ駅へ。
だいぶローマの交通網に慣れてきたかもしれない。

テルミニ駅に着いて、まずはカンビオ(両替屋)でTCを両替。
朝、ホテルを探していたとき前を通って、目をつけていた。

マッシモ宮へ。
マッシモ宮には歴代皇帝の彫刻や、考古学的な資料であるブロンズ像などが集められている。
古代から近代までの金貨のコレクションも展示されており、マニアにはたまらない場所だ。
有名なアウグストゥス像もここに展示されている。
(残念ながら館内は撮影禁止。)

一番笑ったのはアントニウス・ピウスの像。
なぜか全裸にマント。
普通チュニカ着るだろ。
どんなナルシストだよ。

堪能してマッシモ宮を出る。
すると時刻は18時。
日本の夏でいうと、16時くらいの気温や空の明るさだ。
日没までは時間があるし、位置的にスーパーも遠い。
そこで、外食をしてみることにした。

まだローマに来てから、“うまいなあ”というものを食べていない。
今日もホテルの朝食(パンとカプチーノ)、通りがかりに入ったバールでラザニアとコーラ(ラザニアは電子レンジで温めたもの)で、満足のいく食事ではなかった。
ここでガイドブックを頼ることに。
するとそう遠くない場所に日本語メニューを備えた、定食が安い店があるようだ。

この辺かなー、と探していたらいきなり
「コンバンワ! Welcome ROMA!」
と声をかけられた。
店のホールマスターとおぼしき中年男性が、“こんばんは”に反応したためか「日本語メニューがある」と渡してきた。
ここなのだろうか、と立ち止まると、歩道にあるテラス席を示されたので、ともかく座ってみる。
メニューに目を通すと、コースメニューばかりで、ガイドブックの解説にある平均予算とは異なる。
入口の傍らにある小さな黒板(日本でもカフェなんかによくある)が目に入り、よくみると“Today”とあり、10ユーロで食べられる定食があるようだ。
カタコトのイタリア語で「これは夜、食べられるのか?」と聞くと、もちろん頼めるらしい。
2つの定食のうち上段を注文。
パスタのカルボナーラだ、という。
ドリンクはどうする、というので、再び日本語メニューを見ると、やはりワインがずらり。
ビールもあるが、どれも瓶単位での注文になるし、高い。

よくメニューを見ると、隅のほうに、日本語表記のない“birri”(birra=ビールの複数形)の文字が。
そのうちの一つが単語から察するに……これはグラスビールなのではないか。
(あとから定番の注文になるが、birra alla spina=生ビールという意味らしい。)
周囲の席には飲んでいる人もいる。
これ、と頼んだら、いいチョイスだ、と返答。
予想どおりグラスビールで、よく考えたら日本人カモられてない?
(ちなみにガイドブックの店ではなかったようです。)

ビールを飲んで待っていたら、ペンネのカルボナーラが。
味付けは悪くないが、硬い。
量も多い。
なんとか片付けたら、なんとsecondo piattoが。
ミートボールのトマトソースにフレンチフライのつけあわせ。
イタリア人、どんだけ食うんじゃい。
これコースならさらに前菜まで食べてるはずだろう。
味はいいので(香草をうまく使っている)平らげ、ビールも飲み終えた。

ほかになにかというので、酔い覚ましにcaffe americanoを追加注文。
americanoで普通に通じる。
(lungoとは言わないようだ。)

コーヒー片手にガイドブックを読んでいたら、近くのテーブルにいた家族連れから、一人の年配の女性がテーブルを立って歩み寄ってきた。
どうやら日本人のようだ。
冊子を差し出し「これ、読んでください。いろいろ情報が載ってます。読み終わったらすてて構いませんので」。
受け取るとそれはフリーペーパーで、在伊日本人などを読者対象にしているようだ(日本の文化会館にも置いてあるらしい)。
いろいろな人がいるものだ。

19時半くらいまでテラス席ですごして、YWCAへ。
部屋の鍵をもらい、セーフティデポジットがあるか尋ねると、無いと返事が(0時以降レセプションが無人になるそうな)。
貴重品はやはり自主管理。
そうか……と部屋の扉を開けたら、ツインルームのもう一つのベッドの上にチノパンが脱ぎ捨てられている。
枕元のいすにはブリーフが干してある。
ツインならというのは――相部屋ということだったのだ!

ともかくシャワーを浴びる。
YHはシャンプーも石鹸も置かれていないので、自前の石鹸でひさびさに髪まで洗った。
20時すぎにはベッドに横たわり、手記に取り掛かる。

すると……書き終わらないうちに相手が帰ってきた。
握手と簡単な自己紹介。
リトアニア人だという若者は、なかなかいい人そう……
ワインを持って帰ってきて、シャワーを浴び、ワインを持って出かけていった。
YHには共用スペースがあるので、そこで談笑しているのかもしれない。
どちらにせよ私は英語がうまく話せないので、そういう輪に加わることができないんだよな~
語学は重要です。
本日の結論。

*

初めてのYHで悪戦苦闘。
まず冷房がない。
結局、暑さのため1時すぎまで眠れず。
するとルームメイトが帰還。
酔っているのか、すぐに眠りにつき、案の定……ものすごいいびき。
地鳴りみたい。
先に寝てしまうつもりだったのに!

廊下に出る。
廊下は涼しい。
置いてあるイスに腰掛け、ガイドブックで暇つぶし。
少し眠くなったので、部屋に入る。
室内もだいぶ涼しくなっていたが、いびきは相変わらず。
昔、マンガでいびきで眠れないシーンがあり、ティッシュで耳栓をしていたのを思い出す。
試して見ると、多少はマシか。
じっと眠りの訪れを待ち、おそらく、4時すぎに入眠。

*

7時前に目を覚まし、身支度をして朝食に行くつもりが、もう一つ波乱が。
なぜか鍵がうまくかけられない。
そのうち相方が起床(8時)。
その旨を伝えると、俺が閉めてシャワーに行くから、メシに行け、と言われ、食堂に行く。
朝食をとり終わったころ、相方が来て自室に戻り、一瞬迷ったが、部屋で彼が朝食を終えるまで待つことに。
別れも言いたかったし。

彼が来るまで歯磨きや荷物整理をし、この手記も書きとめる。
朝食から戻った彼の外出と一緒にチェックアウト。
だって鍵が閉められない(彼がやると一発で閉まる)。
なにかコツがあるのだろうか。
握手して、YH前で別れる。
変なヤツだと思われたに違いない。

おそらく、フィレンツェはドミトリー。
相部屋は初めての経験で懲りたが、予約はすでに入っている。
仕方ないので、テルミニ駅地下の薬局で、耳栓を購入。
トラブルかトラベルか。

そういえばYWCAのデスクからフレンツェYHに連絡を入れてもらったとき、明日ragazzoが行く、と伝えていた。
ragazzoというのは少年、若者という意味、英語で言えばboyである。
東洋人はそんなに若く見られるのか、と驚いたが、もしかすればYHではお決まりの呼称なのかもしれない。
ただ、現時点での私が、ただの“坊や”にすぎないことは、衆目の一致するところに違いなかった。

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“ローマで一番レートがいい両替屋”という名の両替屋。
基本ユーロのTCを現金に両替していましたが、ローマのこの両替屋は、銀行を除いて、旅行をとおし一番レートがよかったです。
実はスペイン広場にあるはずの、アメックスのトラベルサービスオフィスを見つけることができなかったため、利用しました。
ここかな、というところはあったのですが、空室になっていた……
もしかしてなくなったんじゃないのか?
誰かこの情報、真偽を確かめてほしいところ。

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