建人 建築事務所 徒然的な”独り言”

日々のことを書いています。仕事のこと、出掛けた先のこと、映画の感想、日々の楽しみなど。建築以外のことも書き込んでいます。

「手紙」著者:東野圭吾

2008-06-13 10:45:39 | 本と雑誌

 最近、秋葉原で悲惨な事件がありました。あの時、私は妻と二人で父の日の買い物や用事があって、秋葉原の近くにいました。実は、朝早く起きて、昼ごろ秋葉原で食事してから行動しようと予定を立てていました。しかしその日は、寝坊してしてしまい、昼から水道橋(秋葉原から2駅離れている場所)へ出かけました。
 水道橋に着いた時、ヘリコプターが秋葉原付近の上を10台くらい飛んでいるのを見ました。「なんだろ。。。」と妻と二人で話しましたが、たいして気もかけずに用事を済ませ、御徒町(秋葉原から1駅離れている場所)へ移動し父の日の買い物。その後、秋葉原のヨドバシカメラへ。
 自宅に帰ってから、事件を知り妻と二人で「今日寝坊しなければ。。。」と。

41p1jvd5egl__ss500_  前に観た「手紙」という映画があります。映画を観てから小説も読みました。いやな事件があると、この作品を思い出します。

 この作品は、犯罪者の家族が逃れられない人生の中で、社会から色々な差別を受けながら肉親が起こした「罪と罰」を背負って生きていく様を描いています。物語は、武島直貴の兄・剛志は、強盗殺人の罪で服役している。犯行の動機は直貴の大学進学の費用だった。月に一通ずつ届く剛志からの手紙は、次第に、直貴の心を波立たせるだけのものになって行く。自分のために犯罪者にさせたという贖罪の意識が薄れ、憎悪ばかりが増長し続けた。 

 のっけから重い話ですが、この作品との出会いは前の会社の近くの大型書店で特別ブースでした。店の一角で小田和正さんの「言葉にできない」にのせ「兄貴ごめん。おれ兄貴を捨てるよ。。。」山田孝之さんのセリフが流れる映画タイアップブースのビデオを見ました。好きなTVドラマの「白夜行」が終わって間もないこともあり、妻と映画館に足を運びました。映画のラストシーンは大泣きしてしまいました。

 映画のセリフの中で主人公にある人物が諭す言葉がこの映画のテーマだと思います。小説でも同じ場面で使われていました。「差別はね、当然なんだよ。犯罪者やそれに近い人間を排除するというのは、すごくまっとうな行為なんだ。 我々は君のことを差別しなきゃならんのだ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる。すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。」と主人公に伝えます。本音と建前をさておき今の社会の現実を語っているのだと思います。最後に「差別のない国を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ。ここから始めるんだよ。」と諭して去っていきます。うぅ~ん深すぎる言葉です。この題材を小説にした、著者の東野圭吾さんは、やはり凄い!!

 映画の主演は山田孝之さん、玉山鉄二さん、沢尻エリカさんのトリプル主演です。映画の方が小説より感情移入しやすかったです。主人公が目指す夢は映画では「お笑い芸人」で小説は「ミュージシャン」になっていて、設定が映画の方が今風になっているように思えます。犯罪者の弟という運命を背負わされる事となった主人公の、不条理な日常を綴った意欲作です。差別や偏見の醸成は避けられない現実である事を悟った主人公が、ラストに新たな一歩を踏み出す決心する。映画の中で少しだけ、事件の事実を曲げられて報道されるシーンがあります。今流れているニュースがすべて真実を伝えているのか、と色々と現実社会の中で考えさせられるシーンの一つです。ラストシーンに流れる小田和正さんが歌う主題歌「言葉にできない」の歌詞にこの映画の答えでもある気がします。実はこの映画を観た後、一か月ぐらいは余韻がおさまらず「言葉にできない」を聞くとラストシーンを思い出し涙が出そうになりました。私にとって心に残る映画の一本です。

 犯罪は加害者、被害者そしてその周りに知人たち、両親や子供、親戚が一瞬のうちの不幸にしてします。自分がどの立場になっても「手紙」ように差別や偏見の醸成は避けられない現実に直面すると思います。「罪」を犯すということは自分の周り、そして事件にかかわった人達の人生を狂わしてします。

 自分が加害者になったら。。。被害者になったら。。。その身内だったら。。。そして、社会の中で生活できるだろうか。。。犯罪から家族を守れるだろか。。。どんな理由があっても「罪」は「罪」です。「罪」によって大きな「罰」を背負うことだと思います。

 だから、多くの人に一度観て欲しい映画であり、小説も読んでほしいです。少しでも、嫌な出来事がなくなるように、こういう作品がもっと人の目に触れればいいと思います。


「白夜行」著者:東野圭吾

2008-05-16 22:29:03 | 本と雑誌

41gtd3yet6l__ss500__3  以前、読んだ小説で私が好きな作品でを紹介します。

 東野圭吾さんの作品で初めて読んだ作品で、TVドラマにもなりました。この作品は、東野圭吾さんの傑作と言っても過言ではありません。この作品を知ったのはTVドラマが好きだったからです。

 TVドラマの主演は、山田孝之さん、綾瀬はるかさん、武田鉄也さん、etc。こちらはストーリーが過激な上、放送時間帯が早かったせいもあり視聴率があまり良くなかったみたいです。個人的に面白く毎週楽しみに観ていました。舞台が関西方面、時代背景が自分の実年齢に近かったこともありましたが、なりより切ないストーリーがとても良かったです。主人公たちは幼い頃、大人たちに歪まされ、大きな「罪」を背負わされる。お互いの人生を影から助け合いながら生きていく。お互いの共通の目的のために、他人の人生を歪ませながら。。。最終回は、2度見て泣いてしまいました。

 小説の方は、主人公である亮司と雪穂の内面が一切描かれないまま物語が進んでいく。いくつかの事件が起きた後、周りの人たちの証言で二人の行動や感情が語られていく。しかし、二人の真意なのかどうかは、わからないまま。さらに二人の周囲で緻密に計画された完全犯罪は遂行されていく、さらに歪みを抱えながら。。。
 この作品「白夜行」のテーマは多分「純愛」なのだと思います。「幼い男の子と女の子の純愛」が、大人たちに歪められ、歪んだ「純愛」のまま二人が大人なっていくさまが描かれています。犯罪などの過激な描写が多く、ドラマの主人公たちより粗悪な二人ですが、小説ならでは面白さで800ページ以上(辞書並みのボリューム)もある文庫を一気に読むことできました。

 読み終えた後は、TVドラマでは描ききれない部分の奥深さ、小説に込められた現社会の大罪、この作者は「天才だぁ~!」と感動した後、なんて切ない物語なのだろ。。。歪みを生む社会。。。歪みを作る大人。。。そんな世界で子供が普通に生きていけるか?そんなことを思う作品ですね。私のおすすめの1冊です。
 
 ちなみに、ドラマの主題歌は柴咲コウさんの「影」という曲です。主人公の亮司の気持ちを雪穂が歌うというイメージで作ったらしいです。TVドラマの最終回を観てからや、小説を読んでから曲を聴いて、歌詞カードを見るとこの曲の奥深さが分かります。


「機動戦士カンダムUC④」特装丁版を購入

2008-05-03 15:03:43 | 本と雑誌

 先月、予約をしていた「機動戦士カンダムUC④」特装丁版を購入しました。いつもは予約をせずに購入していますが、今回は予約特典が「1/100MGユニコーンガンダン専用ビーム・ガトリングガン2丁セット」が付いていたので予約して購入しました!値段はなんと1,260円!通常版の672円倍の値段ですよ!!ふぅ~。。。  

      

 只今、読書中です。これで4巻目の作品ですが、1巻目辺りまで読むことが辛かったですね。読んでもなかなか自分の中に入ってこない。。って感じでした。著者の福井さんの書き方もあると思うんですが。もともと「機動戦士ガンダム」の話は、アニメや模型雑誌などでビジュアルとして設定や世界観を見て感じることに慣れていたため、いきなり文章だけでコロニーの構造や社会の縮図などがたくさん出てきて、理解する前にストーリーが進んで行くのが辛かったですね。。。。物語にも入りづらかったですね。
 まぁ~感想などは、機会があったらここで紹介する予定です。
 
 基本的に小説などは電車の移動時間に読んでいます。最近、会社勤めではなくなったため電車に乗る機会が減り、1冊読むのに2~3週間も掛かってしまいます。時間がかかる方が小説選びやお金の問題からその方がいいのですけど。

 余談ですが、作っていないガンプラいわゆる「寝かしているガンプラ」が2体あります。「MG F91ガンダム」と「MGユニコーンガンダム」の2体。今年中には作りたいのですが。。。なかなかね(-_-;)。。


読書は。。。

2008-04-23 17:26:31 | 本と雑誌

 年間10冊以上は小説を読むようにしています。もともと、読むことが苦手でしたが、24歳ごろから小説の読む楽しみや面白さを知りました。しかし、年間10冊以上読むようになったのはここ3~4年前からです。もっと若いうちから本を読んでいたらなぁ~と、最近後悔の念にさいなまれています。文章作成の時や、気の利いた言葉が言えない時、話の内容が理解できなかった時、難しい言葉の意味が分からなかった時。。。もっと本を読んでいればなぁ~っと。まぁ仕方ないです。

 きっかけは24歳の時に、ある人に「大江君なんでもいいから、本を読まないとだめだよ。あんな上司になるよ。」と、電車の椅子上の二日酔いで寝ている上司を指さし言われました。その瞬間「あぁ~なりたくない!」と読み始めました。
はじめは、映画も好きだった荒俣宏さんの「帝都物語」から入り、それから、人から聞いたものや、本屋で目についたものなどいろいろ読みました。宮本輝さん、赤川次郎さん、村山由佳さん、吉本ばななさん、森博嗣さん、海外の作品などいろいろ。
最近ハマっているのは、東野圭吾さんの作品ですね。はじめはTVドラマの「白夜行」が好きで、その影響で原作を読んでみたくなり、それから何冊か読んでいます。

 これから、今まで読んだ小説などの感想などをブログで紹介したいと思います。また、違った意見・感想などや、面白い本などがありましたら教えて下さい