駅前通りに入った。
波平さんはどんどん前に行く。息があがる。もう沿道の観衆の声援だけが走る原動力のような気さえした。三越前だったか、最後の給水所。水を取るが喉を通らない。頭からかぶる。もう2kmを切っているというのに、中島公園の緑はまだ遥か遠くに感じた。
国道36号線を通過。わけ隔てない沿道の声援があたたかい。それなのに、もうそれに応える余裕がない。前だけしか見えない。中島公園に入りさえすれば、この苦しさから解放される。みんなが待っている。
中島公園に入った。ついにここまで来た。最後の力を振り絞ってピッチを上げる。
「こんなに長かったっけ?」
「まだか?まだか?まだか?」。
「見えた!」
フィニッシュに入るコースがわかれている。右か?左か? 左だっ!
30m、20m、10m・・・・・
ゴールゲートくぐった。両手が自然とあがった。時計を止めた。
ゴールへ振り返り、一礼した。声には出さないが、「ありがとうございました」と言っていた。ボーイスカウトの少年が完走メダルをかけてくれた。
「おめでとうございます」
「ありがとう」
フィニッシュラインを通過したランナー達。満面を笑みを浮かべている人、疲れ切った表情の人、タンカーで運ばれる人、座り込んでストレッチする人、完走の喜びを分かち合う人たち・・・いろんな表情がそこにはあった。
栄養ドリンクを2本飲み、スポーツドリンクをもらって飲んだ。水のペットボトルももらい、アイシング用の氷袋も貰った。ここでもボランティアの皆さんにとっては戦場だ。
次々に帰ってくるランナーに満面の笑みで「お疲れさま」と。
ふらふらになりながら奥へと歩く。荷物を取って風呂に行かなければ。
しかし、もう立っているのもやっとだった。とにかく座りたかった。荷物置き場の脇にブルーシートが敷いてあった。皆座り込んで休んでいる。同じように座り込んだ。頭、首筋、脚とアイシングした。
先にゴールした波平さんは?H氏は、弟達は、しゃむたさん、403ちゃん、マチルダさん、M氏・・・・ゴールしたのだろうか。やっと頭が回転し始めた。荷物を取ってゴール付近へ。
波平さんと会った。お互いの健闘をたたえあった。今度は負けないと。
H氏にも会えた。あのあと腹痛は治まったようだ。ゴールタイムは2分も違わなかった。並走していたらやはり最後はおいて行かれただろう。
千歳のあさ-coさんがいた。友人と話していたが、お疲れ様と挨拶をした。彼女は5分以上も早くゴールしていて、その表情には余裕が感じられたが、あとで聞いたらタンカーに乗ったらしい。自分でも恥ずかしかったと言っていたが。(笑)
荷物を背負って一人、コース沿いを公園出口に向かって歩く。もう4時間を過ぎているが、最後の関門を通過できたランナー達が、最後の力を振り絞ってゴールを目指していた。そして最終ランナーが来た。関係者、ボランティアに囲まれて。もう走れる状態ではないように見えた。「がんばれ」と声をかけた。
2008北海道マラソンは終わった。
昨年のリベンジを果たすために、使う時間の優先順位をあげて取り組んだ。フルのタイムの参加資格を得るために走った雨の洞爺湖マラソン。いきなり30分も自己ベストを更新した。その一週間後の千歳JALのハーフ。6月は故障で思うように走れなかった。7月、8月のアミノメンバーとジョグノートメンバーとの練習会。特に7月、8月に密度の濃い練習が出来たことが今回の完走に大きく貢献している。練習に誘って頂いた皆さんにこの場をかりてお礼を言いたい。ありがとうございました。
そして応援してくれた皆さん、ボランティアの皆さん、ありがとうございました。
完走された方、おめでとうござます。
惜しくも完走できなかった方、ぜひ来年リベンジして下さい。
今回応援してみて、参加しようかなぁと感じた方、ぜひ勇気を持って一歩踏み出してください。
来年のことはまだわからないけれど、あの充実感、達成感はまた味わってみたいと思っています。それもまたみんなで・・・
結果を報告します。
参加者:4723人 完走者:3005人(完走率:63.6%)
ゼッケン番号:3131
ラップ及びゴールタイム:
5km地点 :2976位/ 28:20
10km地点 :2927位/ 54:10(25:50)
15km地点 :2792位/1:19:49(25:39)
20km地点 :2564位/1:45:50(26:01)
中間点 :2494位/1:54:39
25km地点 :2296位/2:11:52(26:02)
30km地点 :1988位/2:38:05(26:13)
35km地点 :1703位/3:04:32(26:27)
40km地点 :1384位/3:30:09(25:37)
フィニッシュ地点:1296位/3:41:45
追記
レース後、キリンビール園で打ち上げを行いました。
総勢18名。禁酒を開放して飲んだビールは最高でした。
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直線が少ししかないのが性にあってるのかもです。(笑)来年も走りたいです。
なんだかんだいってもタイムにはこだわっちゃいますよね。