さゆりのひとり言-多発性骨髄腫と共に-

多発性骨髄腫歴20年/'08年4月臍帯血移植/「病気は個性」時にコケながらも前向きに/はまっこ代表/看護師/NPO所属

パシフィコ横浜にて

2007年10月13日 22時38分45秒 | MM闘病記
「生きていることが重要なんです」

参加した白血病公開シンポジウムで都立駒込病院の血液科部長という秋山医師ははっきりと言っていた。
だから、QOLなんて二の次。

「高いQOLで長期生存するため、化学療法と移植をどう選択するか」
というお題の元に開かれていたものだ。

話ができないというなら、断ればいいと思うのだが…。
依頼された内容には触れず、自分の言いたいことだけを面倒くさそうに話していた。

ありがたいことだ。
都立駒込病院血液科のあり方を教えてくれたのだから。

「患者さんのQOLなんて考えていません。
治療の成績を上げることが重要で、
生きていたら、それでいいのです。
だって、死んでしまえばゼロですから。」

と。

きっとゲーム感覚かなんかなのでしょう。

生きていることが重要な事だと、
思う患者さんや家族はたくさんいることでしょう。
ま、だからこそ成り立っているのでしょうから。

でも、そのように思う人がいたとしたら、
その方々にも申し上げたい。
本当に、医師の思う「生きていること」と、
患者や患者家族の思う「生きているということ」は一致していますか??

私は、意識しているしていないに関わらず、
患者さんや家族にとっての「生きている」というのは、
大前提として、「どのように生きるか」というものがあってのことではないか、と思います。

だから、それでも、ただ呼吸してくれていればいい、と思うこともあるかもしれません。
そう思う患者さんや家族もいるでしょう。
しかし、それが全てでしょうか。

QOLの問題は移植の安全性を高めてから考えるべきこと。
と言っていましたが、
想像力のない、つまり人としての思いやりのない人間が、
医師として人命に関わる仕事をしているというのは、
本当に恐ろしい事です。

何の為の医療なのか。
誰の為の医療なのか。

いま、目の前にいる一つの大切ないのちを大事に扱う事ができない医者に、
いったいどれほどの人を救えるというのでしょう。

もちろん、臨床では素晴らしい医師かもしれません。
全てを否定しようとか、そんな気は毛頭ありません。
しかし、
30分足らずの短い講演で私が感じた事、
それは、とっても残念な事実でした。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (keigo)
2007-10-14 00:13:38
なんか残念というかちょっと悲しいお医者さんですね。すごいお方なんでしょうけど。
息をしているだけの生きると、生きている生きるって違うもんね。
なんかドラマの中に出てくる結果主義みたいな医者の方みたいだなぁ。。
もっと人間味のあるお医者さんがいると良いのにね。
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Unknown (中雄)
2007-10-14 12:42:07
5月以来ですね、お会いしたの。
顔を見れて、少し安心しました。

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一秒でも長く生きたい (石石)
2007-10-14 12:46:46
 初めまして。 
 さゆりさんの気持ちは、何となく分る気がします。でも、僕は、どんな手段でも何でも良いからとにかく長く生きたいと思っている一人です。治療は、副作用も辛いし、このまま終わってしまえば楽になれるのにと何度も何度も思いました。夜、涙が訳も無く止まらなくなる事も有りました。でも、その度に、家族の事が浮かびます。自分一人では、すぐ弱気になってしまいますので身近な目標を沢山立てているのです。例えば、2週間位、一時退院できたら家族で温泉に行こうとか骨髄移植が終わって退院したら家で快適に過ごせるようリフォームをするとか色々です。死んだらQOLも何も無いし、いき続けていればチャンスに巡り合えると思うし自分でQOLも作っていけると思うのです。
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>Keigoへ (さゆり)
2007-10-14 18:05:47
もちろん、多くの医者が人間味ある医療をしていると思います。患者側が求めている要求が多すぎるというのもあると思います。
ただ、今はお互いに歩み寄れずに医療者と患者・患者家族の溝が深まっているように思えます。
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>中雄さんへ (さゆり)
2007-10-14 18:06:45
元気そうなお姿を拝見して、私もよかったです。
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>石石さんへ (さゆり)
2007-10-14 18:11:17
それは、とっても素敵なことですね。
生きる意味や目的がはっきりしているからこそ、ですね。どう生きるか、自分の中で明確なものがあるというのは最大の強みだと思います。
私は常に自分ひとりなので、(あ、もちろんたくさんの人に支えられていますが)弱気です。
脱却しようと試みてはいるものの、これもまた、運命なのかもしれません。。。
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