さゆりのひとり言-多発性骨髄腫と共に-

多発性骨髄腫歴20年/'08年4月臍帯血移植/「病気は個性」時にコケながらも前向きに/はまっこ代表/看護師/NPO所属

古都金沢へ

2006年04月11日 12時31分21秒 | 日記
先週末、急遽金沢へ飛んだ私。
なぜって??
自分を探しに、かな。

私が、2年前多発性骨髄腫と診断されて、失意のどん底にいたときに救ってくれた人。
以来、ずっと求めてきた人に会うために。

まだ、2回しか会ったことのない人。

あなたに会うまで、私はずっと不安だった。
金沢まで来て、でも、会えないのではないか、と。
彼からの連絡が来る予定の夕方になるで、不安で不安で仕方がなかった。
会えなかったとしても、「仕方ない」で済まされてしまうのが怖かった。

4月初めの金沢はまだ冷え冷えとしていた。
桜は咲き始めていたものの、頬に当たる風はぴりぴりとしていた。
雲が厚く私の心まで飲み込む。

雪吊をはずした兼六園の松の葉が強風の乗って私に向かってくる。
ちくちくと。
私の弱い心を察しているかのように。

激しい黄砂を回避しようと兼六園のふもとにある一軒の珈琲店に立ち寄った。
薄暗い階段を上る途中、その先に何があるのか、ものすごい不安に駆られた。

カウンターだけの小さいその店には静寂に包まれていた。
マスターらしきオヤジが背を丸めて何かの書物を広げていた。
顔を上げるわけでもなかったが、私の来店によって、広げていた書物をまとめ準備に取り掛かる。
不安になりながらも、カウンターの奥から2番目の席に座った。

「珈琲はどんなのがいいの?マイルドな感じ?濃い感じ?」
「濃いので」

静に、流れるようにオヤジは支度を始めた。

・・・続く





最新の画像もっと見る

コメントを投稿