無双直伝英信流 第二十二代宗家 池田先生の御通夜に参列して、時代が過ぎたのを感じた。
歌を詠んでみた
ゆくりなき
人世の由旬
繰りのべて
散るや扶桑の
しろきはなびら
中絶へは
道儀のおきて
師の成染めに
不順なかるぞ
泪枯れても
左右なしく
君去り給ふ
皐月のそらに
われの残日
みへたるごとく
※
帰還のとき
展け放った窓外に
翻った夜には
時代が並ぶのではない
綴られた事実が残るのだ
血脈に記されたものが
燈台をめざし闇夜を往くとき
ふりかえったまなざしに
応える用意はあるか
残りしものは遙かな山脈に砦を築き
盾となり 矢となって帰らない
勇気ある幾多のものを待て
百年の後、春夜の風に送られて
声となり、帰還する月下の隊列
栄光の旗を掲げてかれらに見せよ