真剣道外伝★無端晟輝の残日録

真剣道・基道館宗師範の残しておくべき余談集

由旬

2019年05月29日 | 詩篇

 

無双直伝英信流 第二十二代宗家 池田先生の御通夜に参列して、時代が過ぎたのを感じた。

 

歌を詠んでみた

 

ゆくりなき

人世の由旬

繰りのべて

散るや扶桑の

しろきはなびら

 

 

 

 

中絶へは

道儀のおきて

師の成染めに

不順なかるぞ

泪枯れても

 

 

左右なしく

君去り給ふ

皐月のそらに

われの残日

みへたるごとく

 

 

帰還のとき

展け放った窓外に
翻った夜には
時代が並ぶのではない
綴られた事実が残るのだ

血脈に記されたものが
燈台をめざし闇夜を往くとき
ふりかえったまなざしに
応える用意はあるか

残りしものは遙かな山脈に砦を築き
盾となり 矢となって帰らない
勇気ある幾多のものを待て

百年の後、春夜の風に送られて
声となり、帰還する月下の隊列
栄光の旗を掲げてかれらに見せよ