「夜の戸締りはしっかりしてね。」と言われた。
宮古では鍵をかける習慣は薄い。
前の家は昔からの歴史ある住宅街であるにもかかわらず、
家の鍵なんて一度も見たことがなかった。
たまに、酔っ払いが間違って家に入り込んできたり、
そういえば、ドロボウさんも家にやってきたことがある。
それでも盗られるものなんてないので、いつも家は開けっ放し!
ウェットスーツが一度だけ紛失したことがあったくらいだ。
ここは住宅地から離れたところにあり、お向かいに3軒の家が
あるだけ、それも大変親切にしてくれている。
「戸締り」なんて無縁の環境であると思っていた。
「戸締りなんて必要ないんじゃない」と言うと
「窓だけは必ず閉めてね。大変なことになるわよ。」
引っ越してきたときは、窓の近くに
「窓は開けないでください。」と張り紙までしてあった。
海から帰ってきたら窓は全部開けている。
心地よい風が気持ちいい。
夜はスタッフが窓を閉めて帰るが、たまたま一階のトイレの窓が
開けっ放しになっていた。それもついうっかり電気を消し忘れた
状態で朝まで窓が開いていた。
回りは原生林、電気をつけた状態で窓をあけておくと、
朝、トイレの中は・・・・・
なんと表現すればよいだろう。リアル昆虫図鑑とでもいえば
いいのか、虫嫌いの人が気づかずあわててトイレに駆け込めば、
おそらく気絶するだろう。
灯りに吸い寄せられた虫、コオロギ、バッタ、ゴキブリ、
見たこともない大きさの蚊
カミキリムシ、カブトムシ・・・・・
また、それを餌にやってきたカマキリや蜘蛛などが、
あの狭い空間にびっしりと虫かごになっていた。
殺虫剤をまいて、すべて駆除すればこの一帯の生態系がかわるの
ではないかと思うほどの虫!
「窓は必ず閉めてね。大変なことになるわよ!」と言ったのは
こういうことか。
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