10月に入ってからミーニシ(新北風)が吹きはじめて、
寒露を境にますます風が強くなってきた。
朝天気予報を確認すると毎日「波浪警報」が出ている。
八重山では「寒露の台風は地の底まで吹き通す」とか
「根付石も転ばす」ということわざがあり
昔からこの風は恐れられている。
過去に1998年の台風10号は、幸いにもそれほど強い風は
吹かなかったが、沖縄本島の北谷と宮古島の保良海岸では大波に
さらわれて4人が行方不明になるという事故が起こった。
海の波は、波長、波光、周期が異なったたくさんの波が
重なりあってできている。
専門用語でそれぞれの波を成分波という。
ある成分波の山に別の波の谷が重なると相殺されて小波となり、
山と山が重なると大波が発生する。
そうして長い間ににはすべての成分波が重なって、
驚くほど大きな高い波が襲ってくることがある。
漁師たちはこのような波を「一発大波」と呼んでいる。
天気予報で出される波の高さは、ある一定の期間に現れた
数多くの波の高さを高い順に並べ、上位三分の一までの波の高さを
平均した値で、これを専門用語で「有義波波」というそうだ。
海岸に打ち寄せる百波に一つの大波は有義波高の
1・6倍、千波に一つは約2倍にもなる。
海岸で「今日の波の高さは2mくらい」と感じたとき、波の周期が6秒
くらいなら、10分間に一度は3・2m、
1時間半に一度は4mの波がくる可能性があるということになる。
今の時期には毎日のように「波浪警報」「波浪注意報」が出る。
警報、注意報はそれなりの意味を持つ。まだまだ海で泳ぐ季節。
注意報、警報には注意してください。