冷凍技術が発達して、マグロのように解凍してから
新鮮さを保つことが出来るものもある。
それは、この島から離れたところの話。
海に囲まれた島で、島の近海魚を売り物にするお店は、
昔から流行らないといわれている。
歯医者やタクシー会社が市内に20軒以上あるのに、
寿し屋は数軒だけ。お寿司の注文の仕方も本土と異なり、
カウンターに座って、品書きを見て一貫、一貫注文する
のは本土式、島では「握り」(上・並)あるいは
お任せが基本。
仕入れ・ストックに限界がある。好きなものばかり
注文されると、その後のお客さんに影響が出てしまう。
寿司ネタのほとんどが本土から仕入れる。
海は天候に大きく左右されるので、荒天が続くと
仕入れがなくなり営業が出来なくなる。
本土市場は全国から魚が届けられるので、時化の影響を
受けない。
島の刺身屋に「定休日は?」と聞くと、
「時化たら休み!」魚を仕入れることが出来るあいだは
休まない。荒天が続くと刺身屋の店先には
「売るものがありません。」と半ばヤケクソ気味の
張り紙が出ている。
手の届くところに海があるからといって、いつも新鮮な
魚が食べられるわけではないのだ。
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