港に車を停めて、毎日海に出て行く。
海から戻ってくると車の荷台にカボチャやトウガンが
いくつか置いてあることがある。
ホントなら誰が持ってきたものか探して、
「ありがとう」とお礼を言わなければならないが、
ここでは、あまり気にしなくてもいい。
農業をしている知り合いが規格外品をくれたのだろう。
誰が持ってきたのかなんて深く考えない。
セリに行っている頃は、あまり話したこともない人からも、
このようにしていただいた。
渡すほうも、たとえ車を間違ったとしても気にしないのだ。
今、宮古島ではトウガンの収穫が最盛期を迎えている。
トウガンは夏が旬の野菜であるが亜熱帯気候の沖縄では今が旬。
日持ちがよく冷暗所で保存すれば冬まで保存できることから
この名前が付いたと言われている。
沖縄のトウガン生産量は全国トップだそうだ。
トウガンにも品種がいくつかあり、沖縄のトウガンは
「リュウキュウトウガン」または「沖縄トウガン」という品種で
現在もっとも多く生産されている。
トウガンは沖縄の方言で「シブイ」という。
シブイと呼ぶ人も少なくなった。
「このあいだのトウガン食べたか?美味しかっただろ。」
突然聞かれることがある。
誰が車み置いて行ったのかと思ったらお前だったのか、
「ありがとう。美味しかったよ。」
これはいただいたお礼と挨拶で、実際はトウガンはほとんど味のない
野菜である。味噌汁の具や煮物にしていただく。