方言で「ヒートゥー」という。
毎年、3月〜5月にかけて、数十頭から数百頭の
ヒートゥーの大群が名護湾沖を回遊する。
これを沖合から湾内の浅瀬に追い込み、岸近くで
銛を手に格闘しながら射止めるのが
往時のヒートゥー狩りであった。
参加したもの全員に配当があるなど、
多いときには200頭も捕獲したことが
あるという。現在は、名護漁協所属の6隻が、
県からの許可を得て、2月〜10月まで
年間120頭の制限枠で操業している。
2000年の2月、沖縄サミットを控えていた
名護漁協に、サミット推進事務局より
申し入れがあったそうだ。
それはワシントン条約違反ではないが、
クジラを捕獲していることについて
「ヨーロッパから多くの新聞記者が来て、
名護でクジラが食べられていると
論争されるのはいかがなものか」と
漁業自粛を求めたものであった。
サミット期間中は、警備上の理由からも漁業は
中止されていたが「名護の食文化」までも
影響を受けていたとは驚くばかりである。
名護の人々にとってヒートゥーは海からの
贈り物として貴重なタンパク源となった
実績がある。名護市内だけで食べられる
「地域限定」の代表みたいな食材で
いまでも市内数軒の飲食店や公設市場で
販売されている。
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