沖縄でお中元の定番といえば「ソーメン」と「ツナ缶」である。
どこの家庭にもソーメンとツナ缶とポークの缶詰ストックされている。
大きな台風がくれば、家に閉じ込められる。
そんなときの非常用食料として役立つので、
そのような意味もあるのだろう。
ヨーロッパではパスタの発明により飢饉をまぬがれた
という話しを聞いたことがある。
ソーメンと昆布の消費量では沖縄県はトップクラス。
昆布はとれないしソーメンの生産量がけっして多いわけではない。
また、ソーメンの歴史は古く、琉球王朝時代には士族に
好まれて食べられていたそうだ。
冷やしたソーメンは美味しい。
ソーメンの涼しいイメージとは裏腹に、炒めて食べるのは
沖縄独特だろう。
沖縄では炒め物に「タシヤー」と「チャンプルー」がある。
チャンプルーの定義は豆腐が入っていること。
豆腐が入っていない物はタシヤーという。
つまり正確にはソーメンチャンプルーではなく
ソーメンタシヤーが正しい。
茹で時間を長くして粘り気を出したものを
ソーメンプットゥルーという。
ドロドロになったものであまり見栄えはよくないが、
年寄りが好む食べ方である。
沖縄ではソーメンは縁起の良い物。
祝いの席には欠かせない料理のひとつであったそうだ。
細く長く末長く… 共に白髪の生えるまで、
非常食だけでなく縁起物でもある。
ちなみにランチにソーメンをするが、作るのに一番難しいのが
ソーメンである。