5日の日が成人式、祝い事に地元の魚は欠かせ
ないテーブルの主役と言ってもいいくらい
重要な役割を占める。漁師は旧正月を祝うので、
新暦の正月など元日に酒を朝からあおるくらいで
2日3日から出漁する。でもここ数年は本土へ
行った子供達や親戚が新暦の正月休みを利用して
里帰りしてくるので、旧暦よりも新暦のほうが
正月らしい。
正月は三が日荒れた天気が続いていたので
漁獲量もなく、成人式の魚がとても足りるような
状態ではない。3日から荒れた海の中に船を出した
けれど潜れる場所が限られていて思うように
魚がとれず初漁は不漁だった。
通常初セリの値段は「お年玉」と言われ、普段の
値段より10%ほど仲買人が高く札を入れてくれる。
市場が無くなって、古くからの仲買人が引退した
今年はそんな習慣もなくなってしまった。魚が
品薄で多少損をしてでも仕入れに差し支えのない
大型店の仲買人が少ない魚を買い占める形になる。
それでも島の人に安くいきわたるのならいい。
古い仲買人とは、よく魚の値段などで
ケンカ(口ゲンカ)もしたけれど、それなりに
お互いの気持ちがよく通じ合っていた。
魚はお金!お金のやりとりの中でも人情味が
あったが、今は札束で頭を叩かれているような
そんな感じがする。
セリは高値をつけた人に魚が落ちる。高ければ
うれしいが、高すぎてもうれしくないものだ。
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