旧暦の4月、夏本番を前に、農作物がすくすくと成長する季節。
沖縄ではそんな時期に作物を荒らす害虫を退治し、
豊作を祈る行事が「アブシバレー」
今ではほとんど行われなくなったが、沖縄の北部や離島地域では
行われているそうだ。
アブシとは田んぼの畦(うね)のことバレーは払うという意味で、
字で表せば「畦払い」となる。
アブラムシやネズミなどは作物にとっては迷惑な存在。
しかし小さな虫や生き物には命があり、なんらかの役目を担って生きている。
アブシバレーの行事では、捕まえた虫ネズミを単に殺してしまうのではなく、
藁クバで作った虫籠のような小舟に乗せて、海の向こうにある
ニライカナイへ送る儀式を行う。
今でも北部や離島地域では子供達にも命の大切さを学ぶ機会として
アブシバレーを行なっている。
また、この日から旧暦5月4日のハーリーの鐘がなるまでの期間は
「海留め、山留め」が行われていたという。
海留め山留めとは、山や海に入ることが禁じられていた。
これは琉球王府が定めたもので、この禁を破ると風害が起きると
信じられていたとのこと。しかし真相は、この期間、漁や山の幸の収穫を
控え自然に任せることで、海や山の幸に大きく成長してもらうという
意味があったといわれている。
夏が近づいてくると家の軒下や庭の木に大きな女郎蜘蛛が大きな巣を張る。
巣は数日の好天を教えてくれるが、どうしても好きになれない。