沖縄での生活のほうが長くなってしまった。
沖縄に来て、都会の人ごみや忙しい生活が
嫌いになったわけでなく、もともと人の多い
のは苦手だった。一度たりとも「本土へ戻りたい、
帰りたい」なんて、これっぽっちも思ったことは
ない。温暖な亜熱帯気候の沖縄で、本土のことを
思うとき、寒いのは嫌だけれど、四季が恋しく
思うことがある。
季節感の乏しい沖縄で季節を感じるのは
冷たい海に飛び込んだとき・・・違うなぁ~
やはり毎日、オバァの用事でかよう市場へ行った
ときだ。今なら、ジャガイモ、キャベツ、トマト、
島ラッキョウが並んでいる。スーパーへ買い物にきた
主婦が「今日の献立は何にしようかな」と頬に手を
そえて考えている姿をよく見かけるが、スーパーは
全国から送られてきた産物が置き場所も決められて
いて、少なくなればすぐ追加される。年がら年中、
同じものが同じ場所に置かれていて夏でも白菜が
普通に売られている。ただでさえ、毎日の食卓を
飾るお母さんには、献立にさぞかし苦労するだろう。
テレビで放映された品物が、その日のうちに品切れに
なるのもなんだかわかるような気がする。旬のものを
知るだけで少しは献立つくりに役立つのに。
市場のまえに並んでいる品物は、まるで自分の出番を
待っていたかのように出てくる。
暖かい日、寒い日が繰り返すようなこの時期に、少し
ずつビタミンをとりなさいと土の中からジャガイモが
出てきて「寒い日ならシチュー、暑い日なら
ポテトサラダにでもしてくれ、俺だけでもの
たりねぇんなら、そこの赤いトマトもついでに連れて
帰ってくれ」と言っているようだ。キビ刈を終えて
疲れた身体には、島ラッキョウが「俺をつまみに、
一杯どぅでぇぃ」と言っている。この市場もやがて
取り壊しになれば、野菜たちの声も聞こえなくなって
しまうのかなぁ~
↑大神島。
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