大陸からの高気圧が徐々に張り出してきて
北寄りの風が吹き始める。
夏のあいだは太平洋高気圧由来の高温多湿な南東の季節風と
比べカラッとしている。
まだまだ寒くはないが湿度が低い分涼しく感じられる。
沖縄ではこの北風のことを「新北風」と書いて「ミーニシ」と呼んでいる。
ちょうどこの頃、渡鳥のサシバが越冬のために南下して
沖縄にやってくるので沖縄の人々は昔から
「ミーニシに乗ってサシバがやって来た」と言って秋の訪れを知った。
本土では強く吹く最初の北風を「木枯らし」と呼ぶ。
木枯らしは冬の訪れを告げる風なのに対して、ミーニシは沖縄の短い秋の到来を
告げる風である。
14世紀後半、中国の統一を成し遂げた明は、成立直後から周辺諸国に対して
積極的に朝貢を呼びかけた。その明の呼びかけに応じた国の一つが琉球だった。
以後19世紀後半までの500年、琉球は朝貢と冊封士送り続ける。
朝貢と冊封士を乗せた船は、ミーニシを待ってミーニシの風に
乗せて船を大陸に向けたと伝えられている。
朝夕、涼しくなって過ごしやすい。窓から入ってくる風が心地よい。
ついこの間までの辟易するウダルような熱さも懐かしく
思うのは秋だからだろうか。
秋といっても、まだまだビーチで水着でたくさんの人が
海水浴を楽しんでいる。
陸上で過ごすには一番良い時期かも知れない。