太陽があがっている日中に空気ボンベをかついで、
じぶんの背丈より長い銛を使って
漁をしている古くからの漁師友達がいる。
長い銛を使うのは長年の経験からの技術が必要だ。
宮古島の海のあちこち潜るので誰よりも海のことが詳しい。
港で出会ったときに「サメが見たいというお客さんが多いけれど、
どこかサメが見られるようなポイントはないか?」と聞いてみた。
「あるさぁ、航路を出た先に浅瀬があるさぁ、その先に
アメリカの飛行機が沈んでいるだろその近くさぁ」飛行機…? アメリカの?
いったいどこの話しをしているんだ…?
今から30年以上前にテレビの撮影があって、次の企画で何かないか?
という話しになった。当時、海底に沈む飛行機のことを聞いたことがあったので、
テレビ局が米軍基地に問い合わせたところ、戦時中に墜落したのなら記録に
残っているはずだが、そのような記録はないという回答だった。
その話しはそれで消えたのを記憶している。
戦時中に墜落した米軍機で、伊良部島の追い込み漁ではそこを目印に
網を投げ入れるらしい。
古い追い込み漁の漁師なら知っている場所だそうだ。
実は、オバァから話しを聞いたことがある。
米軍の大きな飛行機が撃墜されて伊良部島の沖に落ちた。
落下傘で降りてきた米兵を捕まえてきた。
オバァが子供の頃、木に登って、その一部始終を見ていた。
「で、その救助された米兵はどうしたの?」と聞いたら、
「かわいそうによ、みんなで叩きいて殺してしまったさぁ」
それが事実であるなら、記録に残っていないのかも…