若かった頃、真っ赤に日焼けしてセリに行くと、
仲買人オバァたちから
「イシャイラズを塗っておけェー」とよく言われた。
虫刺されや、チョットしたヤケドをしたときも「イシャイラズが効くさぁ」
と言う。
魚の種類にも「イシャイラズ」と呼ばれているものもあった。
一つのものをイシャイラズというのではなく、それがあれば
医者に行く必要などないと言われているものを
「イシャイラズ」という。
たとえば「タイガーバーム」「メンソレータム」
「アロエ」「正露丸」など。
その中でも元祖イシャイラズといえば、やはり「アロエ」だろう。
ひと昔前まで、沖縄の民家の庭先にはアロエが植えられていた。
アロエはそれだけ身近な薬草であり、ヤケドをしたときや、
切り傷を負ったとき、適度な大きさに切り、外皮をはいで
中ゲル状の葉肉を患部に塗って使用した。
最近は色々な薬が出ているので活躍の場は減っているが、
日焼けしたときなど火照っている肌にヒンヤリとした
アロエの葉肉が心地よいと、今でも活用する人はいるようだ。
沖縄の方言でルグヮイ、またはドゥグヮィという。
南アフリカや地中海沿岸が原産のユリ科の多年草植物。
中国を経由して数百年前に渡来したといわれている。
最近の健康ブーム薬草ブームで専門に栽培されているのを
島内でよく見かける。
アロエ原料の健康食品なども売れているそうだ。
琉球料理のお店の前に「アロエの握り有ります。」
という張り紙があった。
美味しいという人はおそらくいないだろう。