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母という字

2010-05-09 17:12:01 | 話題 ニュース 
「母という字を書いてごらんなさい」。サトウハチローさんの詩集に、こんな一編がある。「やさしいように見えて、難しい字です/恰好(かっこう)のとれない字です」。なるほど簡単そうでも、なかなか落ち着かない。

同じ人の手で書いても、これほど形が違ってくるものか。広島県安芸太田町に住む陶芸家岡上多寿子さん(60)の自筆の詩画集「いっぱいごめん いっぱいありがとう」(木耳社)。ページをめくりながら気付かされた。

認知症母文枝さんを自宅で介護した10年間の日々。絵日記風につづる。ゴミ箱からおむつを引っ張り出した「母」。輪郭は角ばってとげとげしい。症状が進んできても「あんたぁ食べたか」と気遣ってくれた「母」は柔らかだ。

本当につらかったのは下の世話や徘徊(はいかい)ではない。そんな母を認められず、しかりつけたり手まで上げたりした悔いや情けなさ・・・。母の字に託したありのままの思いが、介護のただ中にある人をはじめ幅広く共感を呼ぶのだろう。初版から4年、6刷りを重ねている。

ハチローさんの詩はこう続く。「やせすぎたり 太りすぎたり ゆがんだり/泣き崩れたり・・・笑ってしまったり」不格好にも見える形は、母を思う子の心情にほかなるまい。今日は母の日どんな字がかけるだろうか(中国新聞天風録より)


今日の写真 新禄とツツジ ノダフジ






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