人工走行音
たどたどしかったウグイスの鳴き方が様になってきた。ピールリとよく通る声は、南国から渡ってきたオオルリだ。恋の季節を迎えた新緑の林間。心地よい鳥たちのさえずりは求愛の営みである
▲人間にとっても音は一種のサインだろう。それで何かのスイッチが入ることもある。雷鳴がとどろけば身が縮む思いがし、野外なら隠れ場所を探してしまう。授乳期の母親は、赤ちゃんの泣き声がすれば寝床でも反射的に目が覚めるという
▲車のエンジン音の場合はどうだろう。うなる回転音に胸躍らせるドライバーもいれば、騒音にしか聞こえない人もいよう。それともう一つ、クラクションなしで車の接近を教える合図でもある
▲その「存在音」がにわかに注目されている。低速時はモーターで動くハイブリッド車が増え、電気自動車も普及が進む。音もなく迫る車体に驚いた人もいるだろう。とりわけ、目の不自由な人は耳だけが頼り。恐怖の体験に違いない
▲ならばと、低速で走る時の人工音を自動車メーカー3社が開発した。ホワンホワンとかキーンとかの電子音である。聞き取りやすさを追い求めたそうだが、まだたどたどしい響きだ。横断歩道の青信号を知らせるカッコーやヒヨドリのように、街になじむ日がいつかは来るのだろうか。(中国新聞天風録より)
今日の写真 5月の植物公園
ハンカチノキ
シロスジアマリリス系交配種
栽培品 ヒガンバナ科
ガーデンアマリリス ‘ビアン’
栽培品 ヒガンバナ科
たどたどしかったウグイスの鳴き方が様になってきた。ピールリとよく通る声は、南国から渡ってきたオオルリだ。恋の季節を迎えた新緑の林間。心地よい鳥たちのさえずりは求愛の営みである
▲人間にとっても音は一種のサインだろう。それで何かのスイッチが入ることもある。雷鳴がとどろけば身が縮む思いがし、野外なら隠れ場所を探してしまう。授乳期の母親は、赤ちゃんの泣き声がすれば寝床でも反射的に目が覚めるという
▲車のエンジン音の場合はどうだろう。うなる回転音に胸躍らせるドライバーもいれば、騒音にしか聞こえない人もいよう。それともう一つ、クラクションなしで車の接近を教える合図でもある
▲その「存在音」がにわかに注目されている。低速時はモーターで動くハイブリッド車が増え、電気自動車も普及が進む。音もなく迫る車体に驚いた人もいるだろう。とりわけ、目の不自由な人は耳だけが頼り。恐怖の体験に違いない
▲ならばと、低速で走る時の人工音を自動車メーカー3社が開発した。ホワンホワンとかキーンとかの電子音である。聞き取りやすさを追い求めたそうだが、まだたどたどしい響きだ。横断歩道の青信号を知らせるカッコーやヒヨドリのように、街になじむ日がいつかは来るのだろうか。(中国新聞天風録より)
今日の写真 5月の植物公園
ハンカチノキ
シロスジアマリリス系交配種
栽培品 ヒガンバナ科
ガーデンアマリリス ‘ビアン’
栽培品 ヒガンバナ科