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「胡同(フートン)のひまわり」 親の心 子知らず

2006年07月31日 | 映画タイトル は行
先日観た「こころの湯」がとてもよかった、
チャン・ヤン監督の作品です。

「胡同(フートン)のひまわり」(Sunflower 2005年 中国)

1967年 北京。
土塀で囲まれた長屋のような胡同で生まれた向陽。
(その時、中庭に咲いていた向日葵に因んで名づけられた)
その後、父は文化大革命の強制労働で、
妻と幼い向陽を残して6年間 農村での肉体労働に
従事させられ、戻ってきた時、少年になっていた向陽は
父のことは覚えていなかった。

いたずらっ子の向陽を大人しくさせるため、
父は絵を描かせる。
父もまた画家だったが、強制労働のせいで
絵筆を持てなくなっていたのだった。
厳しい父への向陽の反発は強まる一方で・・・。

厳しいお父さんを持つ人なら、少なからずこの父親の姿に
反発を感じたり、涙を誘われたりするのではないでしょうか。

自分の言うとおりにしておけば間違いはないんだ、
子は親の言うことを聞くものだ、と
暴君のごとく息子に接する父親。
親のありがたみはわかっているけど、
自分の人生は自分のもの・・・。
親にとって、子供はいつまでも子供。

真面目で実直で堅物なこのお父さん、
愛情表現も上手にできなかったのですね。
そして、誰よりも息子の才能を信じていたのですね。

お父さんと、隣人の劉さんの関係も、
この頑固すぎる性格を描いていて、傍目には
バカバカしく思えるほど。
そして、妻との、アパート入りをめぐるやりとりも。

つくづく、親になるということは とても怖い。
他の映画での台詞だけど、”親になるのに免許はいらない”し、
子供は親を選べない。
まっさらの人間に いったいどんな道を示してやればいのだろう?
子供の人生に責任をもつことができるのだろか?
それを思うと私も、向陽のように 
親になることに自信が持てない。

・・・でも、この映画のラストには希望が持てました。

ちょっと長い映画だったけれど、私にはこの家族の
30年ほどの年月がとても愛しく思えて、
ずっと見ていたい気がしました。

向陽の少年時代の子役と青春時代を演じた俳優さんの
顔や雰囲気がとてもよく似ていたのに驚きました。
スケート少女も可愛かったな。
「ラスト・エンペラー」「ツイン・ピークス」の
ジョアン・チェンが、貫禄あるオバサンになってました・・・。
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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おとうさん (☆kino)
2006-08-25 00:37:22
>はつきちさん

いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

しみじみと、淡々としている中にも、濃い人間関係があって

面白かったですね。お父さんとお隣さんの関係には

笑わされたり泣かされたり。

いいラストです。
返信する
おやこって、いいですね (はつきち)
2006-08-24 09:06:50
はじめまして。

私もこの映画観ました!あまり、期待していなかったのですが、想像以上によかったです☆

頑固オヤジもステキに見えました。

どんな結末になるか、と心配でしたが、胸にじ~んとくるラストに親子って、ステキだな~。と感動しました。
返信する
変革のとき (☆kino)
2006-08-19 09:15:06
>Cartoucheさん

取り壊される胡同と、その向こうにそびえ立つ高層マンション。

どんどん変っていくんでしょうね。

でも、親と子はかわりません・・・。

頑固親父、なつかしい。

今は”こどもの自主性を尊重する”だのなんだのと、

叱ったり強制したりなんて しないんだろうな。
返信する
Unknown (Cartouche)
2006-08-18 00:10:48
色々な意味で中国の変革期でした。良かれと思ってしていることでも子供には負担。つくづくむずかしいものですね。
返信する
難しい! (☆kino)
2006-08-10 07:42:09
>choroさん

ご覧になったんですね!

親になることって大変ですよ・・・。私もその自信がないです。

試行錯誤しながら、子供と一緒に成長するのかもしれませんが。

ホント、血のつながりは不思議なものですね。

憎みながらもやっぱり切り離せないもの。

地味だけどイイ映画でした。
返信する
先日観てきました♪ (choro)
2006-08-09 20:48:03
親子って難しい関係ですよね~

小さい頃は親に世話にならなければ生きていけない子ども。

だけど、子どもにも人格があるわけで、それを親は無視して自分の思い通りにすることはできない!

 

子育てってあまりに難しくていつまで経っても試行錯誤の連続です。

自分もまた親の子であるわけで、そこにも葛藤があるので、人生って大変!(笑)

 

でも、血の繋がりって切っても切れない何かがあるんですよね。

不思議な究極の愛だと思います。



TBさせてくださいね~
返信する
不思議ですね (☆kino)
2006-08-01 00:43:16
>sabunoriさん

ほんと、お母さんとお父さんはホントに離婚したのかと思いましたよ!

・・・お母さん、ショックだっただろうな・・。



ジョアン・チェン、私が見ていないだけで ずっと一線で活躍されてたんですね。

失礼いたしましたっ。昔は影のあるイイ女風だったので・・・。



>Notorious♪さん

私はけっこうグっときましたよ。

少し長い気はしましたが 嫌な感じではなかったです。

向陽の嫁さんもイマドキな感じで綺麗でしたね。

それにしてもスケート少女、可愛かったなぁ~。

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Unknown (Notorious♪)
2006-07-31 09:50:45
こんにちは♪



物語自体は残念ながらいまいちでした。

ジョアン・チェンの体積が増えてしかも

オバチャンになってたのにビックリでし

たね♪ (゜▽゜)v

向陽の嫁さんも何気に気になる存在でした。
返信する
つくづく親子や夫婦って (sabunori)
2006-07-31 06:11:20
不思議なもんですよねぇ。

向陽はあれだけ抵抗していたのに結局は絵の道を選ぶし、「あなたとしてもくつろげない!」と言いながらもお母さんはお父さんと添い遂げるし。

ジョアン・チェン、確かに貫禄と風格出てきましたよね。

この作品の他に「ジャスミンの花開く」でもお母さん役ですごい存在感あり!でした。

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