目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「武士道エイティーン」誉田哲也

2009年08月22日 | 読書
結局シリーズ3冊続けての感想アップになってしまいましたが。

「武士道エイティーン」(誉田哲也 文藝春秋)

神奈川と福岡に離れ、互いに剣道の強豪校で
武士道(研究中)に精進する香織と早苗。
彼女たちも高校3年生。
最後の夏、2人は誓いどおりに
剣を交えることはできるのか?

この3年で、特に磯山香織は本当に成長しました。
別人か?と思うくらいに(笑)
剣道で戦うことの意味を学び、
ともに戦う同志や相手を尊重することも
できるようになった。
それも、すべて早苗との出会いがあったから。
もとをただせば、全国中学生大会で
あの相手と戦い、準優勝だったから。

その思いを噛み締めながら歩む
高校生活最後の試合は感動的です。

早苗は・・・あんまり変わらないですけど。
”お気楽不動心”のなせるわざかも。

この、一応完結編は、前2作のように
香織と早苗の視点が交互にテンポよく
描かれる形式ではなく、
2人の周りの大事な人たちのセイシュンのあがき
描かれてます。いわば”番外編”が4つ、
間に挟みこまれてます。

お話自体はなかなか良くて、
”おお、そうくるか”ってとこもあったんですが、
私はこれ、”武士道・外伝”みたいな形で
出してくれた方がよかったと思いました。

せっかくの2人のクライマックスの感動が
薄まってしまったような・・・。
いや、この番外編を読むことで
”武士道とはなんぞや?”が深まる、
とも言えるのですが、
話と語り口が異質なので、
途中で世界を持って行かれる感じが
テンポを崩してるかなぁ・・・と思えました。

たくさん悩んでもがいて 試行錯誤して
痛い目にあって、いろんなものを見聞して
成長していく。
それは誰もが通る道。

わたしたちは、もう迷わない。
この道をゆくと、決めたのだから。

こんなにまっすぐで、力強いイマドキ女子高生が
いるのかなぁ・・・なんて思いながらも、
まぶしくて爽やかな青春の日々に
ちょっと胸をくすぐられて
楽しく読み終えました。

きっと続編、ありそうですね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「武士道セブンティーン」誉... | トップ | 「ママは昔パパだった」 (WO... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿