柩(ひつぎ)
川路 柳紅
・・・ その柩は
どこへゆくのですか
・・・ 火葬場へ
・・・ それからどこへゆくのですか
・・・ お墓へ
・・・ それからどこへゆくのですか
・・・ 知りません
終着駅に近づくと親切な車内放送がある。
「 皆さん ながらくお疲れ様でした。
次は終点です。
ホームは左側
お忘れもののないように 今一度お改めください 」
昇給の ボーナスの レジャーのと騒いでいるうちに
・・・ 終着駅にくる。
いやでもおうでも降りねばならぬ。
その時にはじめて 重大な忘れものをしていたことに気づく。
私は何のために生きているのか を尋ねることを忘れていた !
ただ何となく 汽車に乗り
ただ何となく 移り変わる景色に心を奪われていたのではなかったか。
一度はおしゃべりをやめ 外景に目を遊ばせることをやめ
思い切って途中下車をして
深く自己の内面をみつめることを心がけねばなるまい。
生きている私たちは
現在の一瞬の 重さ 深さ 広さにあわねばならぬ。
医学の進歩は寿命の延長をもたらしたとよろこんでいるが
車中旅行時間が長くなっただけでは
・・・ 要するに 流転であろう。
生きがいは
光り輝く一瞬に出会うことが 決定するといってよいだろう。
* 2010.11 東ブータンで
川路 柳紅
・・・ その柩は
どこへゆくのですか
・・・ 火葬場へ
・・・ それからどこへゆくのですか
・・・ お墓へ
・・・ それからどこへゆくのですか
・・・ 知りません
終着駅に近づくと親切な車内放送がある。
「 皆さん ながらくお疲れ様でした。
次は終点です。
ホームは左側
お忘れもののないように 今一度お改めください 」
昇給の ボーナスの レジャーのと騒いでいるうちに
・・・ 終着駅にくる。
いやでもおうでも降りねばならぬ。
その時にはじめて 重大な忘れものをしていたことに気づく。
私は何のために生きているのか を尋ねることを忘れていた !
ただ何となく 汽車に乗り
ただ何となく 移り変わる景色に心を奪われていたのではなかったか。
一度はおしゃべりをやめ 外景に目を遊ばせることをやめ
思い切って途中下車をして
深く自己の内面をみつめることを心がけねばなるまい。
生きている私たちは
現在の一瞬の 重さ 深さ 広さにあわねばならぬ。
医学の進歩は寿命の延長をもたらしたとよろこんでいるが
車中旅行時間が長くなっただけでは
・・・ 要するに 流転であろう。
生きがいは
光り輝く一瞬に出会うことが 決定するといってよいだろう。
* 2010.11 東ブータンで