気の広場

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人間誕生 ・・・ 3.生への讃歌

2011-02-22 06:00:14 | Weblog
島 秋人の生涯は短かった。


しかし

死刑を前にしての一日一日は いや 一刻一刻は

  実に充実したひかりかがやいた生であったといえよう。


それに較べると

私たちの生は ぬるま湯につかっているみたいだ。



彼の歌は 知的操作でことばを配列したものではない。

魂のうめきというか 歌の形を借りた深い懺悔(ざんげ)であり

  ・・・ 生への讃歌でもあった。


生きることは 他人へのなんらかの働きかけとするなら

彼ののこした遺愛集が読む人の魂に訴え 魂を目ざめしめる

  ・・・ そこに いまも彼は生きているのだろう。




  白き花つけねばならぬ被害者の子に

  詫びたりず悔をふかめし       (再掲)

                    島 秋人




* 2010.11  東ブータンで





人間誕生 ・・・ 2.死刑囚の人間革命

2011-02-22 04:09:28 | Weblog
  白き花つけねばならぬ被害者の子に

  詫びたりず悔をふかめし       (再掲)

                    島 秋人


島 秋人は 26歳のとき

窮乏の極 二千円の金がほしくて農家に押し入って

  彼を妨害したその家の主婦を殺した。


彼は 死刑囚として刑務所に収容されたが

  ・・・ やがて 彼に人間革命が起こる。


彼の殺した主婦に子どもがあって

  その子は 今日はかわいそうにも白い花をつけねばならないのだ。

その子に白い花をつけさせるようにしたのは ・・・ だれか。

ここに思いを致すとき 彼の胸ははげしく痛んだ。



彼は 引き揚げ者の子で 敗戦後の郷里での生活は苦しく

  母は結核で斃(たお)れ

自分は低能児と呼ばれて 学校でも相手にされなかったのだ。


彼が盗みを働き 揚げ句の果て 人を殺したとしても

それは社会が悪い 政治が悪いと

  責任を転嫁しようと思えばじゅうぶんできるだけの環境にあった。



初めは彼自身もそう思いこみ

  またそのように主張もしたのではないか。


その彼に人間革命が起こったのだ。

彼は 真実の自己に目覚めたのだ。

煩悩の赴(おもむ)くままに暴走したおのれの自我を懺悔した。


被害者の子の悲しみ 寂しさを身しみて感じられる自己が

  ・・・ 誕生したのである。




* 2010.11  東ブータンで





人間誕生 ・・・ 1.母の日

2011-02-22 04:08:31 | Weblog
  白き花つけねばならぬ被害者の子に

  詫びたりず悔をふかめし

                    島 秋人



5月第2日曜日は 「母の日」である。


アメリカから学んだ風習であろうが ・・・

この日

  母のある子は 赤いカーネーションを

  母のない子は 白いカーネーションを胸につけて

母への感謝をあらたにし または亡き母をしのぶという

  ・・・ まことに美しい風習である。




* 2010.11  東ブータンで