足の下
宮沢 章二
足の下に なにかが広がっていなければ
突っ立つぼくらの存在はなかった
つねに なにかをふんずけていなければ
ぼくらは 生の知覚を持ち得なかった
ときに 草萌えの緑野を踏み
ときにまた髑髏だらけの廃墟を踏み ・・・
なにかに支えられる その安堵感を
後生大事に守りつづけた 虚弱なぼくら
お山の大将という言葉があるが みんなこれになりたいんだな。
手下の欲しいのは 博徒の親分だけだけではなさそうだ。
弱いものは 何かによりかかりたいもんだよ。
おとなだと威張っても 虚弱児童かも知れないな。
精神的にね。
自分の子を謙遜して
「なり」ばかりでかくて からきし「ねんね」で困りますわ
なんてよくいうが ・・・ そのご当人があやしいもんだね。
「ねんね」は 自分以外のものに全身を託しているんだろう。
奥さん面(ずら)したって 存外旦那さんに
というより 経済力によりかかってるんじゃないかな。
そんなつもりはないって?
よりかかりが急に倒れると
世も身もないほどうろたえ騒ぐのは だれだっけ。
人間は 個人も民族も弱いんだよ。
むしろ 弱さを素直に認めて頭を下げるんだな。
強い者に?
いいや 人間を超えて一切を生死せしめる存在そのものにだ。
自分の弱さに 素直に頭をさげて
今日まで足の下に踏んづけてきたものを
・・・ かえって いただく のだね。
そうなると 広い明るい世界がひらけてくるよ。
弱いものが 弱さに徹して独り立ちできる道だ。
真実に生きるものの道だ。
* 2010.11 東ブータンで
宮沢 章二
足の下に なにかが広がっていなければ
突っ立つぼくらの存在はなかった
つねに なにかをふんずけていなければ
ぼくらは 生の知覚を持ち得なかった
ときに 草萌えの緑野を踏み
ときにまた髑髏だらけの廃墟を踏み ・・・
なにかに支えられる その安堵感を
後生大事に守りつづけた 虚弱なぼくら
お山の大将という言葉があるが みんなこれになりたいんだな。
手下の欲しいのは 博徒の親分だけだけではなさそうだ。
弱いものは 何かによりかかりたいもんだよ。
おとなだと威張っても 虚弱児童かも知れないな。
精神的にね。
自分の子を謙遜して
「なり」ばかりでかくて からきし「ねんね」で困りますわ
なんてよくいうが ・・・ そのご当人があやしいもんだね。
「ねんね」は 自分以外のものに全身を託しているんだろう。
奥さん面(ずら)したって 存外旦那さんに
というより 経済力によりかかってるんじゃないかな。
そんなつもりはないって?
よりかかりが急に倒れると
世も身もないほどうろたえ騒ぐのは だれだっけ。
人間は 個人も民族も弱いんだよ。
むしろ 弱さを素直に認めて頭を下げるんだな。
強い者に?
いいや 人間を超えて一切を生死せしめる存在そのものにだ。
自分の弱さに 素直に頭をさげて
今日まで足の下に踏んづけてきたものを
・・・ かえって いただく のだね。
そうなると 広い明るい世界がひらけてくるよ。
弱いものが 弱さに徹して独り立ちできる道だ。
真実に生きるものの道だ。
* 2010.11 東ブータンで