カーラジオで、「元春レイディオショー」(再放送)をきいている。
きょうの MRS は、佐野さんのデビュー30周年にちなんで、
ロック・グレイツたちのデビュー曲特集だった。
1曲目、いきなり「アンジェリーナ」が流れた。
10代のころから何千回、何万回もきいた30年前のこの曲に、思わず聞き耳を立てた。
佐野元春のデビュー曲が「アンジェリーナ」でよかった
と、素直に感じた。
1980年3月、ひとりの若者の叫び声が、
ぬるま湯のなかで惰眠を貪っていたニューミュージック・シーンの静寂を切り裂いた。
ボブ・ディランの歌唱法をフルスロットルで加速化したようなヴォーカル・スタイル、
ラディカルなパンク・ロックよりもさらに性急なビート、
若い都市生活者のライフ・スタイルをモチーフにした歌詞、ユニークな言語感覚など、
さまざまな表現のフィールドにおける彼の斬新なアプローチは
奇妙な鎖国状態に陥っていた「日本語の ROCK 」にリアルなロックンロールのダイナミズムを持ちこんだ。
その人が佐野元春であり、その楽曲が「アンジェリーナ」であることはいうまでもない。
とは言え、デビューして数年は鳴かず飛ばずだった。
といって、佐野さんに悲壮感はなかったように思う。
不遇時代のリリックもメロディもじつにあかるく、世間(シーン)を呪うということもなかった。
それどころかその当時の楽曲は、「元春クラシックス」として、今では絶大なる支持を得ている。
どうも、こんな境地は努力して得られたものじゃなく、単に佐野さんの性分にちがいない。
このことも、ロック・グレイツになった現在からみれば、
ファンである僕たちには悲しみをともなうほど爽やかである。
だから、僕たちは佐野元春が好きなのだ。
佐野さんは、自身の作品について解説することをことさらに避けていたきらいがある。
けど、最近はキャリアが成熟してきたらからなのか?時たま語ることがある。
けさの MRS でも、含羞を含みつつコメントしていた。
いうまでもなく、「アンジェリーナ」はジェームス・ディーンを意識した、
社会(大人)への反抗をロックンロールのフォーマットで表現(スケッチ)した楽曲だ。
それにくわえて、それ以前のロックンロール音楽へのレヴォリューションでもあった。
この曲のリリックは、「シャンデリアの街で眠れずに」ではじまる。
1音符に「シャンデリア」という単語をいきなり割り振っている。
レヴォリューションとしか、言いようがない。
ラリー・コクランを意識したヴォーカル・スタイルもさることながら、
時代を更新するんだ!
という、佐野さんの覚悟が感じられる楽曲だ。
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