![Karaage2 Karaage2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/c8/e2f0cf47e8f511bdd59248c0f8df9099.jpg)
毎週木曜日、僕は長唄のお師匠さんと実家で食事をする。
実家を長唄のお稽古場として提供しているご縁で、会食するようになった。
僕自身は長唄(三味線)を習っているわけじゃなく、
お稽古終了後、単に先生と盃を交わしているだけだ。
きのうは、いつもの勝千次先生に加えて、唄方の喜三助先生も来られていた。
喜三助先生はまだ20代後半でお若いし、油ギッシュなものに目がなさそうだから、
中津名物のから揚げを手土産に買っていくことにした。
僕のふるさとはいつの間にか「からあげの聖地」などと呼ばれていて、
僕ら中津人はから揚げ大好き民族ということになっている。
僕の子ども時分は、から揚げのまちなんていう謳い文句はなかったと思う。
けど、何にしろ、まちが盛り上がるのだからこれに越したことはない。
からあげグランプリで3年連続しょうゆダレ部門金賞受賞している、
「
ぶんごや」さんという名店が実家の近くにある。
そこにあらかじめ電話注文しておき、受け取りにお店に立ち寄った。
入店してすぐ、店先にタクシーが横付けされ、
タクシーを外に待たせたまま、スーツ姿のオッサンがふたり入店してきた。
出張か何かで訪れて、から揚げの噂を聞きつけたんだろう。
明らかにジモティのそれとはちがう、よそ者オーラを発していた。
中津システムを理解してないようで、オーダーするのに戸惑っていた。
から揚げはグラム単位で売ってるのだけど、
僕ら中津人は「骨付きを千円分ください」とか「手羽先10本」と頼むことが多い。
それにオーダーを受けてから揚げはじめるので、商品はまったく陳列されていない。
初めての人は、やっぱ戸惑うよな。
ただでさえ普段から買い物慣れしてないオッサンは、尚更わかんないだろう。
オジサンたちは意を決したように、「手羽先200グラム」とオーダーした。
手羽先200グラムって何本もないぞ、と僕は心の中で叫んだ。
その直後、僕が電話注文していたから揚げができあがり店を後にしたので、
このオジサンたちの顛末はわかない。
カラアゲ公国の住人として、同じオッサンとして、
ヴィジターの手助けをするべきだったんじゃないかと少し悔いている。
ジーク・カラアゲ!