2022年10月10日の中華民国・台湾の双十国慶節の慶祝式典に海外団体で初めて京都橘高校吹奏楽部が台湾総統府に招待され参加しました。蔡英文総統、主席、副総統や軍、政財界、各国来賓や多数の国民招待者、参列者の前で素晴らしい演奏、パフォーマンスを披露したのです。
式典や台湾軍や台湾各層、各地の団体の演舞の後ほぼおおとりで京都橘高校が日台友情の使者として演奏、演舞しました。台湾国際放送TVなど各局は時間を延長し全土に放映したのです。入場時や演舞中は蔡総統など政府関係者は拍手で声援し退場時には立ちあっがって手を振りそのパフォーマンスの素晴らしさに敬意を表明された。
「活力・微笑・夢想満満」「4千満人観看」と報道され全台湾国民も感銘し「オレンジの悪魔」「橘世代」など社会現象をもたらした。京都橘高校の演奏、演舞場所には数万人の人々が殺到していたのです。
2022年の大晦日には夜7時から12時まで京都橘高校の全てを特番で放送するTV局もあった。再訪の要望がわきあがり2023年12月に再度招待された。名門、台北市第一女子高級高校(北一女)の120周年記念式典や台湾南部の高雄市の高雄夢新時代の祝典に招待された。高雄市では市長や議長が、台北市の北一女の式典には当時、副総統の頼清徳氏や台北市長も参列された。頼清徳氏は今年1月の総統選挙で当選され若くて清新な台湾のトップ現在は総統です。
マーチングバンドの発祥の地はヨーロッパで17世紀オスマン帝国軍の「メフテル」により管楽器や太鼓シンバルで演奏、行進したのが元祖と言われる。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンなどにも大きな影響を与えた。日本では戦後、進駐してきた米軍音楽隊によって普及され警察や自衛隊によってパレードなど始めた。学生マーチングバンドは1952年に関東学院高校の学生マーチングバンドが創始です。
マーチングバンドにはパレードバンド・フィールドドリル・フロアードリル・ステージドリルがある。京都橘高校は全ての時と場所での選曲、演奏、パフォーマンスが洗練されています。台湾でのステージドリル「心と絆のコンサート」でも聴衆が大感銘された。全日本学生(小学生・中学生・高校生)マーチングバンド大会はフロアードリルで行われ視覚効果・音楽効果・管楽器演奏技術・動作技術などで審査され小、中、高校の各5校が金賞として評価されているようです。
2023年の台湾国慶節には日本から群馬の東京農大二校と初めて米国からカルフォルニア大学が招待された。筆者が上記基準で優良可で評価すれば2022年の京都橘高校が特優で2023年の東京農大二校が良でカルフォルニア大学が可です。2023年の2校とも国家的行事、祝賀式典に対しての選曲、パフォーマンスなどの企画、構成の配慮がたりない。2022年の京都橘高校や台湾の北一女高校は新時代、台湾、国慶節の進化を予感させるほど素晴らしかった。
特優の京都橘高校は視覚効果、欧米のマーチングバンドも着ていないオレンジ色のチャーミングなコスチュームに帽子をかぶらない。学生の笑顔が良くみえる。音楽効果、TPO時と場所、式典には橘ファンファーレや愛の讃歌や行進曲は剣士の入場?など選曲が良い。演奏曲の変化「静と動」の展開が早い。動作技術は「破壊と創造」に凛とした隊列や独創的なパフォーマンスがすばらしい。
管楽器演奏技術など台湾TVの説明によれば朝7時に登校し練習し授業後も楽器ごとの練習をするそうです。休日もイベント、用事のない日も練習をする。普段の相当の努力が見える。橘ファンファーレの管楽器を吹く肺活量は驚異的でスローテンポの時でも上半身がブレないと指摘しています。「5m8歩、1歩62,5㎝」歩幅を入部時から体に覚えさせる訓練もしていると説明しています。
顧問やコーチは基礎的指導で生徒の特性を見て全体の調和など修正し裏方に徹する。生徒の自主性と創造性を重んじ高校生らしく「元気いっぱい・笑顔いっぱい・夢いっぱい」を部是に努力している。
古い体質の学校では教師が必死にタクトを振っている姿を見ます。小中学生なら可ですが高校生であれば生徒に任せる。発想、成長の著しい生徒の弊害にも見える。指導教師の教育的資質も疑わしい。聴衆は清新な学生の姿に感銘するのです。海外遠征校のパフォーマンスで学生らしく現地語で挨拶や曲説明をすると大喝采されています。
マーチングバンドの歴史は軍隊のドラムコールから進化している。権威主義国家の中国や北朝鮮の抑圧的な軍隊パレードが主流です。特に台湾は抑圧的な中国と対峙している。民主主義や自由を標榜する学生マーチングバンドは意図が異なる。米ローズパレードでも規模は600-1000名の大学、団体もありユニフォームも軍隊調が多い。京都橘高校が米国や台湾で注目される要因は高校生らしさやチャーミングさです。学生マーチングバンドの進化形として演奏、パフォーマンスなど聴衆の支持を得て注目されているのです。
学生マーチングバンドの音楽演奏、演舞は国際感性言語でもあり奥深い。独創性、創造性、団体規律、協調、健康体力、演奏力、細心の注意力、色彩、装飾感性、パフォーマンス力など人格形成に必要なことが内包されている。ヨーロッパ諸国や台湾の地方都市の嘉義市でも国際文化都市を目指して国際音楽祭が開催され日本の高校生マーチングバンドが6校参加しています。
今年の10月の台湾の国慶節にどこの高校が招待されるか注目しています。筆者の予想では福岡の精華女子高ではないかと推測しています。アメリカでも大人気の京都橘高校は2025年新年のアメリカのローズパレード・ローズボールの参加が決定されています。楽しみにしています。
写真は上から2枚は国慶節の祝賀記念の京都橘高校
3枚目は総統府での祭英文旧総統
4枚目は北一女式典の頼清徳現総統
三立新聞転載です