旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

お化けダンダン

2015年06月06日 11時02分02秒 | エッセイ
お化けダンダン

 都市伝説ってあるじゃない。人面魚とか口裂け女とか、東京の下水には真っ白くて巨大なワニが住んでいるが、それはペットが逃げ出して何世代にも渡って繁殖したもの、とかいうたぐい。それの地域限定、年齢限定版があるとしたら、今は無き横浜市立戸部小学校、四年一組の生徒にとって『お化けダンダン』がそれだった。
 お化けダンダンは通学路にある、石積みの急な階段で真ん中に鉄の手すりがついていて、下から見ると途中からは真っ直ぐだが、最初のうちはらせん状に広がっている。昼間は何の変哲もない退屈な階段だ。通学路といっても一部の生徒しか使わないし、お化けダンダンを避けて回り道をすることも出来る。お化けダンダンを登って坂の上に出ると、意外なほど視界が広がっていて、頂上から両方向に市街地が見下ろせた。丘の上には大きな煙突を持つ銭湯があって、そこは同級生のおませなxxナベちゃんの家だった。丘伝いにはいくつか同級生の家があった。自分の家は学区の外れでお化けダンダンは通らない。
 そこでは、夜おじいさんを見たら、実は前日に亡くなっていた、といった怪談がささやかれていたが、そういう話しは女子の方がよくしていた。朝登校したら女子が異様に盛り上がっていた。勉強は今一つだがクラスの世話役的な女の子が、前の晩担任の先生(もうおばあさんだった。)が犬を何頭も引き連れ、お化けダンダンを歩いている姿を見た。その姿は光って見えた、と大騒ぎ。結局、先生に昨晩どこそこ方面に出かけましたか、と聞いていたが、先生の「どこへも行っていません。」の一言で静まった。
 お化けダンダン、この濁音の多い階段を十代の終わりにたまたま通ったら、景色は大して変わっていなかったが、何とも貧相で何でもない階段だったのでがっかりした。あと丘の上の銭湯は無くなっていた。子供の時、夕暮れ時に通ったお化けダンダンの「ああ暗くなる、どうしよう、早く」といった緊張感、あれは何だったんだろう。どこに行ってしまったんだろう。


娘ノート

2015年06月06日 10時57分19秒 | 娘ノート
娘ノート

娘よ、覚えているかい。
一緒に釣りに行ったね。ボートで、乗り合いで、釣り堀で。軽井沢で釣った鯉は50cmはあったな。
カンフー映画を見たね。小林サッカー、酔拳2。
キャッチボールをしたこと。いろんな所のお風呂屋さんにいったこと。化石を探しにいったこと。浅草花やしきのお化けショー、ナムコナンジャタウン。面白かったな。娘よ、君は最高に楽しい相棒だった。

旅に行ったね。那智の滝、伊豆の海、温泉。雪の大島、大露天風呂。プールで遊び、海で泳ぎ、縁日で迷子になった。一緒に流れ星を見た。スキーで褒められ、その直後にお汁粉をひっくり返した。小学校の運動会で君は応援団長、格好良かったな。

 自分はサラリーマンの落ちこぼれで、今じゃあしがない警備員だが、大企業の役員(数万人に一人)になっていたところで、それほど楽しそうじゃない。警備員として見てきたが、一人は出世コース(社長候補)から外され監査役になった途端、人格が変わったように明るくなった。
 そりゃ大手メーカーの監査役じゃあ、不祥事で刑事告発の可能性は低いし、仕事は全て監査法人がやるんだから気楽なもんだ。何年か本社の監査役をやった後は、子会社の監査役を転々とすりゃあいい。何かを捨てれば楽になる。

 3.11から民主党政権が終わるまでのクレージーな円高を思うと、貿易、輸出の仕事をしていなくてつくづく良かった。個人でやっていたら、倒産していたんじゃないかな。さて持っているknow how は何でも教えるが、結局は自分だけをたよりに戦っていく場面が多いんだ。最終開き直って無茶苦茶に反撃するか、さっさとトンズラ、逃げの一手
“とことんやな奴にはかなわない。”どちらにしても、中途半端ではなく、思い切りやること。とことん暴れるか、100万キロも逃げるか。

1.〈豚もおだてりゃ木に登る〉

 女の気持ちは分からないが、男の事ならよく解る。男は基本単純である。プライドが高く、傷つきやすい。褒められれば、認められれば舞い上がる。特に女(女の子)に褒められれば得意になる。「すっごーい」「よく出来るねー」お馬鹿といや、そーなんだが本気になった男の底力は歴史を紐解くまでもない。スポーツ、芸術、創作の世界を見よ。だから利口な女はほめ上手、おだて上手。出来映えが気に入らなくても文句は決して言わない。自分で手直しするか、他の男に頼めばよい。出来の悪い男子は次からはもっと筋肉系の仕事を頼もう。

2.〈世の中、不平等は当たり前〉

 不公平、不平等は当たり前。学校じゃあないんだ。
何でこんな奴が仕事もろくにしていないのに、自分の3倍の給料をもらっているんだ。世の中は学校とは違う。建前からも公平である必要がない。
 転職したら机の上は書類の山、前任者は退職していて隣のお姉さんは、手が開いていても手伝わないし、聞いても「あたしよく知らないから。」そのくせやたらと話しかけてくる。こんなのが普通である。そう思った方がよい。

 ただし、人の仕事は案外見えないものだ。いつもひまそうに見える管理職が、3年に一回決定的に重要な仕事をしている可能性もある。簡単には見えない、人知れぬ仕事もあるんだろうな。

 金持ちは益々金持ちに。有名人のバカ息子は親のコネを使いまくり。→でも落語言えのバカ息子の方が、勤勉な苦学生より頭が柔軟で、友人が多く情報をたくさん持っていたりする。

 仕事が出来ない奴が、他で使えないから職場は変わらず給料は同じ、仕事は楽、なんざどこの会社にもある。

3.〈やな奴はどこにでもいる。〉