サバイバル
TV番組で、シリーズでやっている「サバイバルゲーム」が面白い。元特殊部隊員のベア氏が人跡未踏の地で、遭難した設定で数日かけて帰還する。持ち物はリュック、ナイフ、水筒、着火棒くらいだ。ロケ地は極寒の地や灼熱の砂漠、太平洋に浮かぶ無人島やジャングル、または湿地帯だ。パラシュートで降下したりヘリからロープで降りたり、走っているボートから川に飛び込んだりする。撮影班が数人いてついて廻る。
だいたいのパターンは、高い所(山頂や木の上)に登り進む方向を決める。谷間に下りていって川に出る。その川に沿って(またはイカダを作りそれに乗って)下流に向かう。下流には人が住んでいる。いなくても海岸に出れば、沖を通る船に合図を送れる。毎回絶壁をよじ登ったり、切り立った谷にかかる倒木やロープを渡ったりハラハラドキドキのシーンが展開するが、彼の凄さはそれだけではない。
そこいらにある素材を使って手際よくシェルターを作る。素材は雪でも草木でも岩でもよい。ナワはつる草を使ったり、海岸に落ちているロープを使う。熊のいる地域では、自分を釣り上げて寝る。密林では虫や毒蛇から身を守る為に、ハンモック式にしたりして地面より寝床を上げる。廃屋や洞窟があれば利用する。ベア氏は良く言うのだが、体が冷えるのは地面からが7割なので、簡易ベットには乾いた草や苔を敷き詰める。雪のシェルターの場合は、床より一段低い溝を掘り、冷たくて重い空気をそこへ落とす。水筒におしっこを積め、湯たんぽとする。森林地帯では材料は豊富に手に入るが、ヤシの葉と竹は実によく役立つ。彼は手際よくシェルターでもイカダでも、イカダの上に立てる帆でも葉を編んで素早く作る。
寒冷地で死んだアザラシを見つけ、中身をかき出し袖なしセーターにして防寒に使う。砂漠で死んだラクダの腹をかき出し、中に入って直射日光を避ける。と、ここまで書いて何んだけどネタバレ過ぎるね。ドラマじゃあないが、もしこのシリーズを今見ている人がいたら不愉快だろ。ただサバイバルは知識があるかどうかだけで大きな違いが出るので、ベアの番組を見て成程と思った事を伝えたくなっちゃいました。
人間何も食べなくても21日間は生きるが、水分を取らずに3日と生きられない。脱水症状は半日たてば現れる。強い喉の渇き、唇の乾燥、体温が上昇し脚がつる。意識がぼんやりし頭痛にめまい、力が入らず集中力・判断力が低下し、ふらつき→けいれん→昏睡、そして死に至る。ベアがまず行うのは水の確保で、その捜索方法と摂取の仕方が奇想天外、アア教えたい、けど我慢する。
最後に食料、ベアは川や森で良く罠を仕掛ける。大きな魚、野ネズミ、野ブタがかかった事もある。しかし通常良く食べるのは何といっても昆虫だ。サソリは必ず食うね。甲虫等の幼虫、俗に言うイモ虫は倒木の中から探し出してそのまま食べる。びっしり詰まった体液がブチュ、甲虫系は頭を切り落として食うことが多い。味は色々だそうが、一度こう言っていた。「一週間履き続けた靴下を食っているみたいだ。」昆虫は牛肉よりもタンパク質が多い。次によく食べるのはカエル、蛇で、生でも焼いても。それから各種の植物、木の実、果実、貝類、ザリガニ、時には鹿のフン。ロブスターやトナカイのもも肉の焚火焼きは美味そうだった。
さてサバイバルの番組はベアのシリーズだけではない。題名は忘れたが、「エドの原始生活」とでもいったシリーズはスッ裸、何も持たずにジャングルで1ヶ月過ごすとかやっていた。しかしエドが馬鹿面のブ男で、口の中でモゴモゴしゃべり、ウフフうまいとか言って、バッタをニチャニチャ食うひげで覆われた口をupでいつまでも映す番組だった。不快感を覚え二回見て止めた。俺は男だから美男子である必要は全くない。容貌魁偉とか大好きだが、不潔感、嫌悪感を持たせる顔、声とはTVの中でも付き合いたくはない。
最近面白くてプチはまっているのは「ザ・ネイキッド」。見知らぬ裸の男女が出会い21日間を共に過ごし、最終日に地図に書かれたゴールを目指す。各自一つだけ自分で選んだサバイバルアイテムを、大きな布製のバックに入れて持っていける。これは初回から中々スリリングな展開だ。
例えば南の島でゴリラのような海兵隊員と、20歳そこそこ大丈夫かいなと思えるヒョロヒョロ娘が出会う。小娘はやせている上に、体重が無いみたいにヒョコヒョコ歩く。初日は二人で力を合わせて家作り。海兵隊のゴリラが仕切る。ココヤシの木を見つけるが、ゴリラは木には登れない。ヒョロ子が意外な力を見せて20mほど登りヤシの実を次々に落とす。ヒョロ子はヤシの葉を器用に編んで帽子、体覆いを作り直射日光を防ぐ。同じように葉やつる草を編んで、ヒョロ子は大きなバックや魚の簗、靴を次々に作成する。ココヤシの実の繊維とヤシの葉などで、ベットを寝心地よくする。海兵ゴリラは必要ない、と何も身につけないため、直射日光50℃近いなか、白ゴリラがたちまち痛々しい赤ゴリラへと変身する。ヒョロ子は何度も勧めない。
ココヤシの汁ではいかん、と決めつけ赤鬼は裸で執拗に穴を掘り続けるが、2mほどして出てきた水は泥汁で量も少なく飲めない。3日目には赤ゴリラが日焼けの痛みで動けなくなる。日陰で四つん這いになっている。体がどこかにちょっとでも触れると飛び上がるほど痛いのだ。ヒャロ子は、四つん這い死体と化したゴリラがやっと貸してくれたナタを使って、海蛇を捕まえる。ヒョロ子、猛毒なのによくやった。しかしヒョロ子は、「ごめんね、ごめんね、ちゃんと食べるからね。」と泣いている。優しい子なのだ。生き物を殺したことが無かったらしい。その頃にはヒョロ子は海岸で拾ったワンピース(ただし尻側は丸開き)を着ている。死体ゴリラはヒョロ子が頼んでやっと履いてもらったパンツにきつい、小さいと当たり散らす。中盤を過ぎてやっと回復したゴリラが食料探しをするが、何も捕れない。大物が捕れなきゃ貝を採れよ。ヒャロ子は海岸を歩き廻り、貝や小ガニを取って食べるがとても足りない。魚の簗を沈めるが獲物はなかなか入らない。
ヒョロ子が取ってきた貝を焼いて食べ、ゴリラはますます不機嫌になる。この男、タキギ集めと火の番以外に全然役立たない。水源を見つけたので、大きな貝殻や竹の水筒で沸騰させ、冷まして飲む。雨水も溜める。軍人はターゲットとか試練、ミッションと考えるから、自由な発想のヒッピー娘に付いていけない。
終盤でヒョロ子の簗に大きくはないが、ロブスターが二匹入る。ゴリラがやっと活躍して海に潜り、頭より大きなシャコ貝を見つけた。マッチョマンの筋肉はやっと活躍の場を得て、岩にへばりつく貝をグラグラ揺らしてついに引き離した。ヒョロ子大喜び、マッチョやっとちょっぴり満足。
21日間過ぎた後で、海兵ゴリラが彼女は素晴らしい。彼女がいなければやり遂げられなかった、と言っていたがその通りだろうよ。お前シャコ貝以外に何をした。逆にヒョロ子は一人の方が良かったんじゃないか。この娘は本当に凄い。実力と外見に差がありすぎる。やせっぽちで頼りないしゃべり方をするのに、強烈にリーダー風を吹かせるゴリラに、一度だけ喧嘩を仕掛けた以外は距離を置いて、他の前向きな作業や一人遊びに熱中していた。両親は彼女を連れて世界中を旅してきて、まともに学校へは行っていないようだが、立派な娘じゃないか。惚れたね。
さてザ・ネイキッドで一つだけ持っていって良いアイテム、あなたなら何にする?普通はナタか大型ナイフだよね。あとは着火装置か大型ナベは役に立つよ。一度大きめのマグカップを持ってきた女がいたが、中途半端、腹たつなー。人間、一日どれだけの水を飲むと思っているんだ。水中メガネを選んだ馬鹿男がいた。おまけにそいつはほとんど泳げず潜れない。死刑だ。その場でパートナーの信頼を失う。
太陽の光で水を消毒すると言って、虫メガネを選んだ女も何の役にも立たずに、本人も途中で脱落した。虫メガネで火を点けるのにも失敗していた。着火物(火口)が乾燥していても燃えやすくないと、着火棒でもなかなか発火しない。丸2日間着火棒を使い続け、やっと火起こしに成功した男女がいた。着火装置を持っていない場合は、木の摩擦、手もみ式か弓式で火を起こすのだが、簡単にはいかず2日3日4日5日とかかりヘトヘトになるケースが多い。地元ではサバイバルのインストラクターをやっていて、火起こしチョロイと言っていた男がよくそうなる。使用する木の材質が違うし、火口が違う。最初に言及したベア氏は移動中、よく火口(松ヤニ、がまの穂、乾燥したキノコ等々)を採集していた。焚火の後で出来た炭もポケットに入れていた。とにかくベアはいつでも体を動かしている。何か役に立つ草木はないか目を配る。やっぱすごいやベアは。
ところがザ・ネイキッドに出てくる男女は、いったん住まいと水が確保出来るとあまり動かない。ゴロゴロ横になって薪の採集しかやらない連中が意外と多い。一つには裸で裸足、場所にもよるが地面にはトゲのある植物の種とかが落ちているし、川や海岸では岩が鋭い。動物の皮や木の皮で靴を作ったペアもいるが、大半は裸足でそろそろと歩いていた。
虫はひどい。蚊に殺される、と言って4日でリタイヤした女性がいた。ダニ、ノミ、アリ、ヒル、ブヨの襲撃で一晩中眠れないケースは多い。火を燃やしても虫は撃退出来ない。除虫草でも生えていればね。いろいろ試してみれば良いのに。空腹、寒さ、しつこい虫でイライラは増し大抵の男と女は相手を非難しグチを言う。中にはずっとののしり合うケースもある。特に女は攻撃的だ。しかしまれに終始お互いをかばい合ったり、年上の女性が男を励ましたりして共に成功する回がある。4回に1度かそれ以下だが、そういう時は拍手、拍手。
極限状態では人間性が赤裸々に出る。文句ばっかり言う女、男優位を振りかざしやたらに仕切りたがる男、こんな連中は選考の段階でふるい落としてくれない。どうも軍人とサバイバルインストラクターは頭が固くて使えない奴が多い。女性では女医さんやベゼタリアンが活躍した。チームでないと火の番は大変だ。二人でいるメリットは大きい。
狩りは男の方がうまいとは限らない。相手を敬い尊重する気持ちがないとな。あと自分の意見は違っても、相手の言い分をきちんと聞かなくちゃ。十日もろくに食べていない時にそうするのは至難の業だけどね。なかなか勉強になるのだ。へたなドラマよりもずっと面白い。
TV番組で、シリーズでやっている「サバイバルゲーム」が面白い。元特殊部隊員のベア氏が人跡未踏の地で、遭難した設定で数日かけて帰還する。持ち物はリュック、ナイフ、水筒、着火棒くらいだ。ロケ地は極寒の地や灼熱の砂漠、太平洋に浮かぶ無人島やジャングル、または湿地帯だ。パラシュートで降下したりヘリからロープで降りたり、走っているボートから川に飛び込んだりする。撮影班が数人いてついて廻る。
だいたいのパターンは、高い所(山頂や木の上)に登り進む方向を決める。谷間に下りていって川に出る。その川に沿って(またはイカダを作りそれに乗って)下流に向かう。下流には人が住んでいる。いなくても海岸に出れば、沖を通る船に合図を送れる。毎回絶壁をよじ登ったり、切り立った谷にかかる倒木やロープを渡ったりハラハラドキドキのシーンが展開するが、彼の凄さはそれだけではない。
そこいらにある素材を使って手際よくシェルターを作る。素材は雪でも草木でも岩でもよい。ナワはつる草を使ったり、海岸に落ちているロープを使う。熊のいる地域では、自分を釣り上げて寝る。密林では虫や毒蛇から身を守る為に、ハンモック式にしたりして地面より寝床を上げる。廃屋や洞窟があれば利用する。ベア氏は良く言うのだが、体が冷えるのは地面からが7割なので、簡易ベットには乾いた草や苔を敷き詰める。雪のシェルターの場合は、床より一段低い溝を掘り、冷たくて重い空気をそこへ落とす。水筒におしっこを積め、湯たんぽとする。森林地帯では材料は豊富に手に入るが、ヤシの葉と竹は実によく役立つ。彼は手際よくシェルターでもイカダでも、イカダの上に立てる帆でも葉を編んで素早く作る。
寒冷地で死んだアザラシを見つけ、中身をかき出し袖なしセーターにして防寒に使う。砂漠で死んだラクダの腹をかき出し、中に入って直射日光を避ける。と、ここまで書いて何んだけどネタバレ過ぎるね。ドラマじゃあないが、もしこのシリーズを今見ている人がいたら不愉快だろ。ただサバイバルは知識があるかどうかだけで大きな違いが出るので、ベアの番組を見て成程と思った事を伝えたくなっちゃいました。
人間何も食べなくても21日間は生きるが、水分を取らずに3日と生きられない。脱水症状は半日たてば現れる。強い喉の渇き、唇の乾燥、体温が上昇し脚がつる。意識がぼんやりし頭痛にめまい、力が入らず集中力・判断力が低下し、ふらつき→けいれん→昏睡、そして死に至る。ベアがまず行うのは水の確保で、その捜索方法と摂取の仕方が奇想天外、アア教えたい、けど我慢する。
最後に食料、ベアは川や森で良く罠を仕掛ける。大きな魚、野ネズミ、野ブタがかかった事もある。しかし通常良く食べるのは何といっても昆虫だ。サソリは必ず食うね。甲虫等の幼虫、俗に言うイモ虫は倒木の中から探し出してそのまま食べる。びっしり詰まった体液がブチュ、甲虫系は頭を切り落として食うことが多い。味は色々だそうが、一度こう言っていた。「一週間履き続けた靴下を食っているみたいだ。」昆虫は牛肉よりもタンパク質が多い。次によく食べるのはカエル、蛇で、生でも焼いても。それから各種の植物、木の実、果実、貝類、ザリガニ、時には鹿のフン。ロブスターやトナカイのもも肉の焚火焼きは美味そうだった。
さてサバイバルの番組はベアのシリーズだけではない。題名は忘れたが、「エドの原始生活」とでもいったシリーズはスッ裸、何も持たずにジャングルで1ヶ月過ごすとかやっていた。しかしエドが馬鹿面のブ男で、口の中でモゴモゴしゃべり、ウフフうまいとか言って、バッタをニチャニチャ食うひげで覆われた口をupでいつまでも映す番組だった。不快感を覚え二回見て止めた。俺は男だから美男子である必要は全くない。容貌魁偉とか大好きだが、不潔感、嫌悪感を持たせる顔、声とはTVの中でも付き合いたくはない。
最近面白くてプチはまっているのは「ザ・ネイキッド」。見知らぬ裸の男女が出会い21日間を共に過ごし、最終日に地図に書かれたゴールを目指す。各自一つだけ自分で選んだサバイバルアイテムを、大きな布製のバックに入れて持っていける。これは初回から中々スリリングな展開だ。
例えば南の島でゴリラのような海兵隊員と、20歳そこそこ大丈夫かいなと思えるヒョロヒョロ娘が出会う。小娘はやせている上に、体重が無いみたいにヒョコヒョコ歩く。初日は二人で力を合わせて家作り。海兵隊のゴリラが仕切る。ココヤシの木を見つけるが、ゴリラは木には登れない。ヒョロ子が意外な力を見せて20mほど登りヤシの実を次々に落とす。ヒョロ子はヤシの葉を器用に編んで帽子、体覆いを作り直射日光を防ぐ。同じように葉やつる草を編んで、ヒョロ子は大きなバックや魚の簗、靴を次々に作成する。ココヤシの実の繊維とヤシの葉などで、ベットを寝心地よくする。海兵ゴリラは必要ない、と何も身につけないため、直射日光50℃近いなか、白ゴリラがたちまち痛々しい赤ゴリラへと変身する。ヒョロ子は何度も勧めない。
ココヤシの汁ではいかん、と決めつけ赤鬼は裸で執拗に穴を掘り続けるが、2mほどして出てきた水は泥汁で量も少なく飲めない。3日目には赤ゴリラが日焼けの痛みで動けなくなる。日陰で四つん這いになっている。体がどこかにちょっとでも触れると飛び上がるほど痛いのだ。ヒャロ子は、四つん這い死体と化したゴリラがやっと貸してくれたナタを使って、海蛇を捕まえる。ヒョロ子、猛毒なのによくやった。しかしヒョロ子は、「ごめんね、ごめんね、ちゃんと食べるからね。」と泣いている。優しい子なのだ。生き物を殺したことが無かったらしい。その頃にはヒョロ子は海岸で拾ったワンピース(ただし尻側は丸開き)を着ている。死体ゴリラはヒョロ子が頼んでやっと履いてもらったパンツにきつい、小さいと当たり散らす。中盤を過ぎてやっと回復したゴリラが食料探しをするが、何も捕れない。大物が捕れなきゃ貝を採れよ。ヒャロ子は海岸を歩き廻り、貝や小ガニを取って食べるがとても足りない。魚の簗を沈めるが獲物はなかなか入らない。
ヒョロ子が取ってきた貝を焼いて食べ、ゴリラはますます不機嫌になる。この男、タキギ集めと火の番以外に全然役立たない。水源を見つけたので、大きな貝殻や竹の水筒で沸騰させ、冷まして飲む。雨水も溜める。軍人はターゲットとか試練、ミッションと考えるから、自由な発想のヒッピー娘に付いていけない。
終盤でヒョロ子の簗に大きくはないが、ロブスターが二匹入る。ゴリラがやっと活躍して海に潜り、頭より大きなシャコ貝を見つけた。マッチョマンの筋肉はやっと活躍の場を得て、岩にへばりつく貝をグラグラ揺らしてついに引き離した。ヒョロ子大喜び、マッチョやっとちょっぴり満足。
21日間過ぎた後で、海兵ゴリラが彼女は素晴らしい。彼女がいなければやり遂げられなかった、と言っていたがその通りだろうよ。お前シャコ貝以外に何をした。逆にヒョロ子は一人の方が良かったんじゃないか。この娘は本当に凄い。実力と外見に差がありすぎる。やせっぽちで頼りないしゃべり方をするのに、強烈にリーダー風を吹かせるゴリラに、一度だけ喧嘩を仕掛けた以外は距離を置いて、他の前向きな作業や一人遊びに熱中していた。両親は彼女を連れて世界中を旅してきて、まともに学校へは行っていないようだが、立派な娘じゃないか。惚れたね。
さてザ・ネイキッドで一つだけ持っていって良いアイテム、あなたなら何にする?普通はナタか大型ナイフだよね。あとは着火装置か大型ナベは役に立つよ。一度大きめのマグカップを持ってきた女がいたが、中途半端、腹たつなー。人間、一日どれだけの水を飲むと思っているんだ。水中メガネを選んだ馬鹿男がいた。おまけにそいつはほとんど泳げず潜れない。死刑だ。その場でパートナーの信頼を失う。
太陽の光で水を消毒すると言って、虫メガネを選んだ女も何の役にも立たずに、本人も途中で脱落した。虫メガネで火を点けるのにも失敗していた。着火物(火口)が乾燥していても燃えやすくないと、着火棒でもなかなか発火しない。丸2日間着火棒を使い続け、やっと火起こしに成功した男女がいた。着火装置を持っていない場合は、木の摩擦、手もみ式か弓式で火を起こすのだが、簡単にはいかず2日3日4日5日とかかりヘトヘトになるケースが多い。地元ではサバイバルのインストラクターをやっていて、火起こしチョロイと言っていた男がよくそうなる。使用する木の材質が違うし、火口が違う。最初に言及したベア氏は移動中、よく火口(松ヤニ、がまの穂、乾燥したキノコ等々)を採集していた。焚火の後で出来た炭もポケットに入れていた。とにかくベアはいつでも体を動かしている。何か役に立つ草木はないか目を配る。やっぱすごいやベアは。
ところがザ・ネイキッドに出てくる男女は、いったん住まいと水が確保出来るとあまり動かない。ゴロゴロ横になって薪の採集しかやらない連中が意外と多い。一つには裸で裸足、場所にもよるが地面にはトゲのある植物の種とかが落ちているし、川や海岸では岩が鋭い。動物の皮や木の皮で靴を作ったペアもいるが、大半は裸足でそろそろと歩いていた。
虫はひどい。蚊に殺される、と言って4日でリタイヤした女性がいた。ダニ、ノミ、アリ、ヒル、ブヨの襲撃で一晩中眠れないケースは多い。火を燃やしても虫は撃退出来ない。除虫草でも生えていればね。いろいろ試してみれば良いのに。空腹、寒さ、しつこい虫でイライラは増し大抵の男と女は相手を非難しグチを言う。中にはずっとののしり合うケースもある。特に女は攻撃的だ。しかしまれに終始お互いをかばい合ったり、年上の女性が男を励ましたりして共に成功する回がある。4回に1度かそれ以下だが、そういう時は拍手、拍手。
極限状態では人間性が赤裸々に出る。文句ばっかり言う女、男優位を振りかざしやたらに仕切りたがる男、こんな連中は選考の段階でふるい落としてくれない。どうも軍人とサバイバルインストラクターは頭が固くて使えない奴が多い。女性では女医さんやベゼタリアンが活躍した。チームでないと火の番は大変だ。二人でいるメリットは大きい。
狩りは男の方がうまいとは限らない。相手を敬い尊重する気持ちがないとな。あと自分の意見は違っても、相手の言い分をきちんと聞かなくちゃ。十日もろくに食べていない時にそうするのは至難の業だけどね。なかなか勉強になるのだ。へたなドラマよりもずっと面白い。