![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/e4/93ccca0ce8a362c4956586c10339bc49.jpg)
四国遍路 ー 遍路ってこんなの?続続
〇 お寺参拝
遍路のブログらしく、ここらでお寺を見てみよう。80ある真言宗のお寺は、密教のお寺らしく朱色を使ったりして、異国風、中国的な雰囲気がある。当時の隋・唐は、憧れの文明国だったものね。
ミャンマーのパゴタも金色に輝き、シュエタゴン・パゴタなどは、電飾ギラギラで原色が氾濫している。でも仏像は全てブッダ、つまり釈迦国の王子であるゴータマ・シッダールタか、その弟子たちとブッダだ。見たければ、このブログのミャンマー編を見て下さい。ついでに言うと、ブッダは死後の世界について、一切言及していない。基本的に輪廻転生なのだ。いまでもタイ・ミャンマー・カンボジア・ラオスではそうだ。
密教が何なのか、よく分からないがバラモン教の神々が取り入れられているようだ。千手観音だの孔雀明王だの、そのバリエーションは美術としては素敵だが、もともと世捨て人集団のようだった原初仏教を逸脱している。まあ、日本の仏教は官が国策として取り入れたのが経緯だからな。
さて、山門にたどり着く。ここまでが大変な寺が多い。門には左右の仁王像。その裏には何故か大わらじ。清めの水場があって、鐘楼がある。奥には五重塔がある寺もある。階段を登って本堂、脇に建つ大師堂。この二か所でお祈りをする。ロウソクをあげ、線香を灯し般若心経。納札と賽銭。最後に納経。結構時間がかかるんだ。見てみようか。どの写真がどこの寺か、半分は自分でも分からなくなっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/78/c6b6e5a71623419bd9f97f82f8423983.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/fd/07828826f41863da1fc8426bb2419f07.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/01/7dc3ba91c453b4dd683c12d873ea8ae7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/8b/89bfdbe5088cd97e33bb6d8447f8826c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/4d/7fb6637c822890aab666b25de45ee437.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e9/48cc76fdc92e24603854714973fce791.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/a4/12bc186f94afc685f84e40b0ec003706.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/52/c2000a6e5a47eaedf2e4fedc84b1910b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/b2/e2524cc402e6c0cedfe92d006922da74.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/78/0140795d4486b75311c175bf9ee84da0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/dd/8ee4bedc57e89de352fd142c755f1e22.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/90/6d32fb7f79819e014c53d5bee6dfc102.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/a3/3763189b4efe286fd45443bcd32d8908.jpg)
門の中に鐘がある。これはここだけ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/71/4ef809a1464c7210da2a195f1165746a.jpg)
天井画。最後の審判?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/df/1170a3a687b72ea139514079a290531d.jpg)
地獄画
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/38/158123c043458091965e61f9def891a2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/b3/176b86ce416183db3889cfe58d31feac.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/4b/22dcb1f044a4c2540814f97377782d19.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/79/250e3b572224f28d93a63355a72aa7bc.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/0d/718429c1c1b011cc94ceac9a8ad5b177.jpg)
平地にある寺は助かる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/4a/4a5cadbe8ac0f158f597f9d17218a36f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/5b/094c9a4b9f19a5e74a6d6e49280a3101.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/cb/0422929646647803c59ae682487c2e4c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/76/fbf61746d111fc69e8567d16b4011d59.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/e3/3cf9e15cb002c5e3f8b1bd6aef87752e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/7c/a25ce2ce41e4d2b611f6efca48ae5b6d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/cd/13d2319c5442a12823982a64883e9f01.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/f4/50f4dfd098119288795d36484e211330.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/11/940aaf240c237c50660d7abe955c7677.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/38/3bef1ecab303e42df54722fac35acbc5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/57/0dfaa85a3f890bf645617dc90d02a249.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/b2/026f962b864cd87a998c03700a008f5d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/29/49a45de58f7378693db9f7976f6be80a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/80/b98ed6e23e1a3ccad977d092a6f20120.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/39/67f799ae8e319d81a0017e462f9df0f5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/e6/18e4481f88f6f0e5ce03704338872c83.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/8e/6329af935e6a9f49aaf997bac6af2612.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/a7/9315928c969ed27d7c62f8620cf64ccf.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/fc/55e13cec663117d8ac86d66fd878ad11.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/a6/0aac0a7bb9fd34083ef5693dc7285a4b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/5d/d536e00010506aba847c41ee2bca6dcd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/ec/0ea0361a98cc1e8a9f98465f76f6bcaa.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/21/eadad4c9a0708537b9ee96e0a843be24.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/3c/3980037e0d5fd45a81803228a5daaf27.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/96/90c53bcda760ff1d17b461a265759071.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/ec/233454a45279322de8c194e1fb3a8c8a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/a2/ea5eff8a4a708dd77c1c32a7ad6a7aa9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/77/9706349755c5ea09d428854a0f8dde9a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/31/08986e479efdb05a6248aa71ffde4e69.jpg)
岩屋寺は、文字どうり屋根が岩。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/ff/68bfbd334792f62c9022e20a321739ba.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/7b/7be253539793d4a6e098ae4b34288585.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/96/9f3e1989a98f0cc87fd12da3a3e955df.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/78/b78c6634e4c15ce678b5eb2cadab5498.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/0d/f925069900a8a01e6c40f488436eb571.jpg)
38番・金剛峯寺は美しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/b1/76526d5bf99cde5042140168ff243795.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/35/6906e033118b0dbced7981f4a2996bdd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/03/cf67916cdfd3c416df3288198c91069a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/5a/58754d9c7dcc0e81ea7cebb328601e61.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/7f/90ab9102cb9e244a9675e48e320352a1.jpg)
これは道端で出くわした。
〇 遍路準備
別に自分は、皆さんに遍路をお勧めしていない。親指の爪が剥がれるほど、しんどいからね。でもいくらかかるのか、知りたいよね。これが、ちゃんと支出を控えておかなかったんだ。ごめん。でも引き出した金額から推定すると、28万円くらいじゃないかな。30万円弱です。
・行きは深夜バス。9,800円くらい。帰りは新幹線。宿代は、素泊まり3,000円~5,000円で、2食付き7,000~8,000円といったところ。それが約30日で、概略15万円。バス・鉄道費、食費、全部で4-5万円。
・納経費が、300円 x 89 = 26,700 + 200円で、26,900円。高野山が88 + 1。
+200円は、12番・焼山寺が500円だったので。来年の3月か4月から、納経が全て500円になるらしい。よかった、値上げの前で。
・遍路装束は、編み笠・杖・白衣(半袖にした)・納経帳・納札を買った。全部で8,330円かかった。数珠・ロウソク・線香は持参した。白衣のズボンと輪袈裟は省略した。輪袈裟は、トイレで外さなければならない。面倒な上に大袈裟なので、止めにした。必要なら後から買える。
朝が早く、遍路用品店が閉まっていたので、一番・霊山寺の直営の店で買った。店のおばさんは、納経帳でなく掛け軸をしきりに勧めたが、帳面/本タイプにした。これは正解。掛け軸や白衣にしたら500円と高い上に、墨が乾くまでドライヤーを使ったりして待たなければならない。掛け軸は、仏画が描かれていて格好良いが、2-3万円はする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/a9/8207025aacf1b759fb3074ec865e6592.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/84/eab69f64a9e747a13b297f7bc25d09f2.jpg)
この納経帳には、一寺ごとに絵が描かれている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/8d/642f685dd808e202d98e6eea69be971f.jpg)
編み笠、白衣、共に旅したショルダーバック。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/08/94eac8aafa1d4f4e8c7f7ba4dc40bf34.jpg)
編み笠にはサイズがあるので、被って選ぶ。オリジナルのひもは、ちゃちいので、自分のように用意していくと良い。梵字が正面。ビニールカバーは外しておく。雨の日以外は、風通しよくする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/b4/9fe5be12e1862b30b086446008629921.jpg)
納札は100枚入りだったので、余った。線香入れを買った。ロウソクは、小さいものにした。あと、般若心経と数珠。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/01/3c0b2ea7e4abe8fc633ddcd2aadb03b0.jpg)
各お寺で、セットでくれる。
・旅の準備・資料
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ae/e1711a944817eb89897f1a87051f3604.jpg)
事前に調べたノート。廃線、廃業、善根宿の全滅で、予定どうりにはいかない
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/ac/98fa45d8d4542796ec3365fe07bbbd24.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/d3/9cca2191548752e13f99db0724586686.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/29/e4ab79beee2807384c3702f6dac8c5ac.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/c8/835c28e8ad371914ebba59227afbc3f0.jpg)
このパンフは、ちょっと役立った。近くの駅からのバス便などが、書かれている。でも寺から寺ではなく、それぞれの寺が独立して書いてある。最後の方は、面倒になったのか、駅からタクシーでxx分ばかりになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b9/b0a5b0d050e1f13593cc5d2b15bc21b2.jpg)
これも役立ったが、善根宿や一泊千円の好意宿などは全滅。でも寺での作法とかが参考になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/29/8b63f01ef1304a85da9ccd5c0b4d7e56.jpg)
食べ物の他に、こんなものを貰った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/58/de89a68bdeadc7a78fd9531d945a7d21.jpg)
これは、途中で会った人に教わった。胸ポケットに入れておくと、取り出しやすい。ビニールに入れておかないと、直ぐに汗で濡れてしまう。
彼はコピーした地図を入れていたが、区切りの遍路だからそれでよい。通しでは、コピーの分量が多すぎる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/a2/490de389427c0b4df8c819de136beadd.jpg)
役に立った2冊の本。黄色い本は持参した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/fa/31dd9564648da5365ef507c87e18281b.jpg)
本の中身。歩きのルートを書いてある。ちょっと外れた所はカバーしていないので、知りたいのにアーア、駅が切れてる。となることがある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/fe/6486150d9df7e0bf04129a5dcd1e479e.jpg)
この本は重いし、絵は楽しいが歩くのには不完全。置いていった。ただ、お寺の情報と寺から寺のバス便情報は、ノートに書き写した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/c7/cb8fe075bf28c7fdf4a40174f69009f8.jpg)
岡田君は、自分の親しい友人でした。でもこれは結局一日しか、リュックに掛けなかった。車の方はズーズーしいし、巡礼は何かを主張する旅ではない気がしたのね。
・旅のほとんどは、カートにリュックを括り付けて、ガラガラと引いていった。カートは、他の人のブログなどを読むと、100kmもしないうちに車輪が壊れると書いてあった。でも不思議と持ちこたえた。結局、81番・白峰寺の手前で手放し、後は担いでいった。どこに置いてきたかって?忘れた。
カートは、もう少し取ってが高ければよかった。タオルを巻きつけると廻ってしまい、うまくない。鉄道は半分が無人駅だったので、荷物はショルダーバックだけにして駅に置いたり、路傍に置いたりした。寺の山門では必ず置いて
登った。売店や飯屋で預かってもらったこともある。先にその日の終着駅の宿に、朝先行して預ける。見晴らしの良い三叉路に置く。公園に置く。山道で、登りに差し掛かったので、農家の納屋の裏に置く。
不安に思ったことはない。万が一無くなったら、それはそれで仕様がない。でもある寺は、登りに一時間以上かかるきつい山道で、戻って来たら別の道だった。二つの参道があったんだ。もう一つの参道に行き、かなり登って荷物を回収した。別の山寺でも、違う下り道を行ってしまった。その時は、バス停に荷物を置いていたので、グーグルマップに助けてもらった。
・お寺でお祈りをする時に、ロウソク、線香、般若心経が必要になる。あと、納札と賽銭。本堂と大師堂の二か所だ。ウェストポーチがあればな、と思った。カートを引くので、手荷物はショルダーバックに入れた。畳めるナップザックは、一日でひもが切れた。フクロウのバックは、ミャンマーで買ったものだが、2人の女性が素敵ね、と褒めてくれた。まあ、ちょうどよい大きさだった。最後に近づくと納経帳を盗む奴がいる、と聞いていたので、杖と違い、これは手放さないようにした。
・高知までは、お接待はほとんどなかった。愛媛、香川では、みかんはくれるは、イチジクはくれるは、ワッフルはくれるは、アメはくれるは。駅のコンビニで朝食を買っていると、遍路さん使ってくださいと500円もらった。他にも、飯屋で明らかに大盛りにしてくれたり、優しい人にたくさん会った。南無大師遍照金剛。ありがとうございました。ミカンは、無人販売所で買うわ、接待でもらうわ、道で拾うわ。だから外国人遍路に会うと、話しかけてミカンをあげた。でも愛媛以降は、外国人はいたが、観光客で団体ばかり。
・スマホのグーグルマップも万能ではない。何人もの人に道を聞いた。分かれ道や、出だしの所で間違えると、そうとう時間をロスするからね。1日30人として、千人弱の人たちを話したことになる。親切なのは、年配の女性とおばあちゃんだ。どこから来たの?へー横浜から。歩いているの。偉いね。話し込むこともしばしば。あと、他の遍路さん、宿の人、飯屋の人、外国人。ほとんど引きこもり状態で、仕事以外は人と会わない生活が一変した。この3年、英語を使うことなど全くなかった。急に脳が活性化し、対人交流が劇的に増えたせいか、最初の数日と最後の数日は、なかなか寝付けなかった。
・体重は3.5kgは減少し、血糖値は劇的に改善した。朝は5時起きで、宿に着くと洗濯、風呂、飯で早く寝た。毎日が楽しくて、疲れが累積することは無かった。疲れは、四国の優しくて美しい自然が癒してくれる。
・荷物が多すぎることが直ぐに分かり、2日目に郵便局で自炊道具や余分なものを送り返した。ただで泊めてくれる善根宿が全滅していることが分かり、20番・鶴林寺に行く前に寝袋と下に敷くシート、蚊取り線香と虫よけ、2つあるものなどを送り返した。10gでも軽くしたい。ここの山道では、カートを畳んでリュックに入れた。山道は、12番ほど険しくはないが長かった。でも凄い景色だ。仁淀川の青い流れは、息をのむほど美しい。
善根宿はなくとも、屋根付きのベンチや小屋はある。中にはシャレた建物もあった。計画的にやれば、野宿で宿代を節約することは出来る。外国人の歩き遍路の若者で、野宿をする連中は多い。簡易テントを持参している人もいる。
・自分は、初日は善根宿に泊まったが、ここはただ鍵を開けてあるプレハブだった。トイレはクモの巣だらけで、同宿者の青年が何度電話をしても、管理者とは連絡がつかなかった。つまり、たまたまほったらかしにしてあったのだ。その後は、電話が通じないか、通じても止めていた。
・お寺には泊まらなかったが、82番・根香寺近くの禅宗の喝破道場に泊まった。質素で静かな食事。朝の座禅。清潔な部屋と、明るくて広々とした風呂。座禅は、目を半眼、少し開ける。目を閉じれば瞑想だ。自分は、瞑想をしたが、瞑想力が落ちている。ビジョンがクリアーにならない。意味が分からない人は、前に書いたミャンマーのメディテーション・センターの話を読んで欲しい。
75番・善通寺は大きなお寺で、東院と西院に分かれている。西院にある御影堂の地下には、約100メートルの通路をめぐる「戒壇めぐり」がある。 500円かかるのだが、真っ暗な中を壁に手をつけて歩くんだ。これはやった方がよい。暗闇に入ると、前方とおぼしき闇に中に、広い部屋や階段のビジョンが現れた。面白い。
・車を停めて、道を教えてくれた人。道を聞いたら、乗せてくれた軽のおじさん。ありがとうございました。あれで、2時間半の徒歩が省略できました。アメやチョコをくれた、パン屋のおかみさん。荷物を預かってくれた雑貨屋のおばちゃん、杖やパンフをくれ、翌日に登り口まで送ってくれた親父さん。本当にありがとう。お世話になりました。他にもたくさんのご接待や好意を受けました。忘れません。ありがとう。
・道中で、シャレたパン屋さんがあった。中に入ると、可愛らしい店員さん。その場で食べるのと、翌朝・翌昼用に購入した。だけど、一日経ったシャレたパンはボソボソで、朝も昼も気分はボソボソ。
・山寺の下りで、お遍路さんに声をかけて追い抜いた。私は、ひざが悪いんです。どうぞお先に。麓で休んでいると、その遍路さん、杖とスキーストックのようなのと、両手を使って歩く。真っ白いひげで、これほど決まった遍路姿も珍しい。かっけーな、仙人みたい。でも話をすると、昨日紹介してもらって泊まったホテルが、素泊まりで8千円もして高い、とかどうも俗っぽい。写真を撮らせてもらおうと思ったが、止めた。見た目は仙人、中身は俗人。話さなければ良かった。
・納札には、住所と名前と日付を書く。年齢を書く欄があるのもあるようだが、自分のにはなかった。日付はx月吉日でよい。住所は、区までで良い。裏は空欄だが、願い事を書いても良いそうで、途中から生まれたばかりの初孫の成長と健康を祈願し、xxちゃんスクスク、と書いた。一日で5寺を廻ると10枚必要だ。せっせと書き足さなければならない。
納札は、1~4回が白、5~6回が緑、7~24回が赤、25~49が銀、50~99が金で、100回以上が錦札なんだそうだ。ギンギラギンの札を、もったいぶって配っていた車遍路の爺さまがいたが、あれはちょっと見苦しい。回数は、自己申告だからな、というつぶやきが聞こえた。
・居酒屋でラーメン、焼き肉屋でクッパ、飲み屋でビールも頼まずに、おにぎりセットと魚のマリネを頼んだ。近くにコンビニも他の飯屋もなかったんだ。夕食を7-800円に抑えるためだ。
焼き肉屋では、後で店長が出てきて、わっお遍路さんだ!おい、と若い店員に、お遍路さんじゃないか。そう言われてもネー。俺は、絶滅危惧種か。子供のころに見たギンヤンマか、ゲンゴローのように言わないで。徳島県に行けば、まだまだいるよ。お遍路さん、どうぞとミカン2ケくれた。リュックの中に10個くらい入っていたが、南無大師遍照金剛。あなたに良いことがありますように。
飲み屋では、まだ宵の口でカウンターに客が一人。おばさんが店のママに、盛大にグチをこぼしていた。ごめんね、気勢を削いじゃって。名前の知らない小魚(釣り好きの自分でも知らない)のマリネは、思わず唸るほど美味かった。他にも美味しそうな品書きがいっぱい。ごめんね、貧乏な遍路で。
ちょっと待って、お遍路さん。ママは裏に引っ込むと、イチジクを2個持ってきてくれた。南無大師遍照金剛。あなたに幸せなことがありますように。これを言うと、みんな笑顔になる。
でもコンビニでおばさんから、どうぞと500円を頂いた時は、驚いでとっさに決めゼリフが出てこなかった。おばさんは、逃げるように奥に行ってしまった。そちらに向かって、ありがとうございましたと頭を下げるのが精一杯。何だかレジのお姉さんも一緒に頭を下げていた。
・そうそう、そういえば夜空が綺麗だったな。冴えたオリオン座を、海辺で街中で何度も見た。山の中は静かで、シーンとしている所が何度かあった。あの静寂は、得難いものだ。鳥は、ちょっと開けて明るくなったところで鳴く。
9月末~10月の初めは、最後のツクツクホーシが鳴いていた。秋の虫の鳴き声は、それほど大きくはなかった。帰宅して、家のそばでもそうだ。今年の猛暑で、虫たちの元気がないのかもしれない。
・道路標識に文句を言いたい。xx寺まで6.2km、徒歩1時間って何!登山マラソンじゃあるまいし、100%の登り道を6.2km、1時間で行けるかよ。行けるならお前、行ってみろよ。
ある寺へ向かって歩いた。前半はずっと下りの山道だった。2時間以上続く下りだ。そんなに急な道ではないから、足指は痛くない。これが反対の登りだったらと思うとゾっとする。
やっと平地の線路に出た。グーグルマップで調べると、経路17分とある。あっ楽勝!ところが、30分歩いてまた見ると、あと16分。徒歩でなく、車の設定になっていた。徒歩で検索し直すと、1時間19分になった。
・良い宿は、割合としては低い。どーでもよい宿、ちょっと不衛生な宿、おかみが不愛想で、朝挨拶をしても出てこない、飯がこんなの。こっちの方が多いんだ。ある宿では、大きな部屋をアコーディオンカーテンで仕切った部屋に通された。隣の声もT、Vの音も丸聞こえ。隣は二人連れで、年配の男が携帯で話しだした。その男、よく笑う。イッヒッヒー。イッヒッヒ。尻上がりの吸い込むような笑い声。よくイッヒなどと発音するよな。まるで、自分は悪党です。近づかない。近寄らないようにと、主張しているようなものじゃん。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます