ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

いろんな痕跡

2010-03-29 00:10:33 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「ミミちゃんの学校」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作(ギャラリーもず) 小浜島


小浜の集落では、日中暑いためにほとんど人を見ません。
ちょっとゴーストタウンみたいです。
小浜島小中学校の体育の時間や休憩時間は人を描く唯一のチャンスだったので、
絶対に描きたくて、電信柱の影から怪しい麦藁帽子とサングラスをかけてスケッチ。
大阪だと怪しすぎて通報されそう。

小浜島日記でも紹介したミミちゃんは、学校で飼われている与那国馬の名前で、
いつもグランドのどこかで繋がれていますが、
草をちぎってあげると嬉しそうに食べてくれます。
ミミちゃんが繋がれていた後は、丸~く草がカットされていて、食べた痕跡がのこります。

正面に描いた木は上がずいぶん枯れていますが、台風でやられた痕跡です。
それでも樹はタフに生きていました。

子供達って見ていてあきませんね。
人間だけじゃなくて、動物、植物、魚にいたるまで面白いです。
一人ずつみんなに新鮮なドラマがあって個性があって命があって、あったかい。
みんながお家に帰っても、子供達が愉快に遊んでた痕跡が私の心に残っていて、少し笑顔です。

海の中を泳いで散歩していると、たまに墨だけが目の前を漂ってくることがあります。
たぶんイカが私を見て慌てて吐いた墨の痕跡だと思うのですが、なんせ見渡しても姿はありません。
一度だけコブシメ(甲イカの仲間)を発見したときは、墨を吐かずに逃げたので、
いったいだれなのかな~ 慌てて逃げた気持ちを思うとやっぱり笑顔。

痕跡にはそれ以前の物語があるので、見る側の勝手なんですが、想像が膨らんで嬉しいです。


悲しい現実で、
小浜周辺の海の中は温暖化による海水温の上昇で珊瑚が死滅していて、
沖の方まで行かないと珊瑚のみごとな世界はありません。
実際その沖の方でもあまり元気がないように見えます。
今後もこの過酷な珊瑚の環境は止まることなく続くと予測されていて、
焼け野原のように白化した珊瑚礁を見ていると、単純に悲しいです。

温暖化が来る前までは、ここに素敵な物語がたくさんあった痕跡。

主犯格だけにとても哀れ。


私は、
悲しみを引き換えにしてでも得たかった。
そんなものを抱えています。
回りまわって自分にかえるだろうし、ルール違反かもしれない。
すべての命のベースがここにあるだけに扱いが難しい。
せめて真っ直ぐに感謝するしかないのかも。
せめて精一杯生きていくしかないのかも。

引き換えにした分、スッコ抜けてあげたい。

そしたら許してもらえるのかな・・・・。




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2 コメント

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私はこの絵画が一番好き♡ (すこやか堂)
2010-04-06 15:02:47
 こんにちは、久々に、覗いてみました。
個展で拝見した中で、私がお気に入りの作品、「ミミちゃんの学校」

子ども達が走り回っている様子…ミミちゃんがのんびりしている感じ…が好き。
2本の大きな木が何故?あんなにも差があるのか?
(でも、好き放題に枝を伸ばしている木の方が好きだったりもして…)台風にやられてたんですねぇ~。

台風や温暖化・・・様々な被害にあっている自然の美しさ。壊したのは誰であれ、再生する力を期待したい…些細なことでも手助け出来るならするべきかも・・・そして私達にやすらぎをそそぎ続けて欲しい…
それってそんな願いは私達のわががまでしょうか?
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すこやか堂さま (ろくびー)
2010-04-07 00:42:09
こんにちは
ミミちゃんかわいかったですよ♪
年少の子供達が横切るときは、ミミちゃーん♪ってみんな声かけてくれるんです。
ほほえましいっす。

再生する力を期待したいです。
きっとみんな生きたい気持ちは同じですから~
やすらげなくなったら・・・・とっても辛いっす!
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