こう(立憲パートナーズ)ブログ

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入管法改正案が衆院通過。しかし政権にはノーダメージ。

2018-11-27 23:58:17 | #国会

問題だらけとされている、入管法改正案。通称・移民法案が衆院を通過。
維新の会との修正協議に応じ、野党からの協力を取り付けた上での採決ということで
自民党は従来通りの「強行採決ではない」という手法を採りました。

twitterにも書いたのですが、維新の会としては「大阪万博」誘致へ向けての政府の全面バックアップ、
この御礼に修正協議に応じるという形で法案に賛成をしたのでしょう。
恐らくこれは杞憂ではない。タイミング的にもばっちりです。
安倍政権がこのタイミングで入管法改正案をごり押ししてきたのにはこういった事も要因に挙げられると思います。
自民党の国会対策がいよいよ老獪に、素晴らしく邪悪になってきた事の所作と言えるでしょう。

入管法改正案に対して、私は全面的に反対の立場は取りません。
現に外国人労働者がいてもらわないと人手不足になり、会社を存続できない企業もありますし、
人口減少の中、今後は国を拓いて人材確保をしていく必要があります。
これに対して賃金上昇がなされないから人材が確保できないんだ。という意見が主にリベラル勢から挙がります。

まさにその通りですよ。その通りなんだけど、実際に人手が足りないのだから屁理屈をこねても人は足りないまま。
今すぐ給与をあげろよ!と企業側に要請する事はできますが、それも強制は出来ない。
安倍政権である以上、アベノミクスでは日本の経済は回復しないわけですから不可能ですよね。
だからこその人材確保はある意味え必要です。

そして日本で働きたい!という外国人もいるわけです。世界に名だたる大国である日本で働きたいと意欲のある外国人には
是非とも働いて欲しいです。日本のすばらしさを知って、日本レベルの労働を知って、そしてそれを世界に広めて欲しい。
そうしていくと日本の価値は更に上がっていくのです。
ただし、ここで問題なのが「外国人労働が適正な待遇を確保できているのか」という事です。

これまでの国会審議の中で、劣悪な外国人労働の実態が明らかになりました。
私もそんな状況にあるとは知りませんでした。審議を経て、知れば知るほど「こりゃヤバイな」と思いました。
しかし、政府はそんな実態すらもきちんと把握していません。データが誤っているなど、根本的に「興味がない」。
我が国・日本で働いてもらう以上は、「日本で働いてとんでもない事になった」と思ってもらったら困るわけです。
それは日本を貶める事になりますから。これが保守の考え方でしょう。
だからこそ、今の外国人労働の実態をきちんと調査し把握し、改善すべき点を改善する。そこをセットにしないと
この法案はきちんとした審議になり得ないんです。
そこを飛ばすから17時間の審議で法案が採決できるんです。ここをしっかり審議すれば100時間超えになるのは確実でしょう。

さらに日本の立場からすると、日本人の雇用が間違っても奪われるような事になっては困ります。
その為、際限なく外国人労働者を劣悪な環境で採用しないように、上限を決める必要がある。
それもどの種別・どの地域・どの期間、色々なセグメントで上限を設けなければそれこそザルです。
ここも安倍政権は、法案成立後に法務省令で決めるとしています。これも審議しないでどうするんですか。

最後に、これは間違いなく「移民」制度であるという点です。
労働の確保のための法案なので、移民ではないとする考え方は完全なご都合主義でしょう。
まず「労働」とは、人が生きていく上で最も重要な事の一つです。
その「労働」を外国人を受け入れる事で賄っていく。これは国の根幹に関わる部分です。
まずは移民政策である事を正直に認めたうえで審議をしていく。そうでなければ国民を欺く詐欺行為であると断ぜざるを得ません。

私個人の考えとしては、入管法改正法案は今の日本に必要となってきます。
必要だからこそ「嘘」はいけない。「現実」をサボらずに直視し分析・把握し、対策を講じた上で法案審議に入る。
そうしてもらわないと、そもそも賛成・反対にならないでしょう。
維新や細野豪志議員は賛成票を投じたとか。まったくもって浅はかというかよく分からない人たちだと思います。

入管法改正案がここまで生煮えの状態なのは、魂がこもっていないからです。基本的に安倍政権は「興味がない」んです。
単純に支持母体から「人手不足」の要請があってこれを受けたという事でしょう。
もし興味があるのならば、今の劣悪な環境の外国人労働者を救済しようと思うのではないでしょうか。
うまく外国人を使って、日本の発展の為に動いてもらおうと、それ位にしか思っていないんです。
だからこその法案の生煮え。その生煮えを取り繕う事も今回は出来ていません。
これは安倍政権が、春から夏にかけて自民党総裁選に全力を傾けていたらからでしょう。こんな法案を診ている暇はなかったはずです。
日本にとっても外国人にとっても危険で失礼な態度です。
安倍政権はもはや「売国政権」に成り下がってしまっている。自称保守の皆さんは目を覚ますべきでしょう。


タイトルにも書きましたが、こんな無茶苦茶な法案を強行したにも関わらず、
安倍政権の支持率は低下しないでしょう。もし落ちたとしても微減で済むはずです。
一般国民からしたら、安保法制や秘密保護法案、共謀罪などで何度も見た不毛な国会対決に他ならないからです。
「ああ、またやっとるわ」と、それだけの印象しか残りません。
本当に与党にダメージを与える事が出来るとしたら、与党の議席を減らす事しかありえないんですよ、
すなわちは次の選挙。最重要は参院選です。
統一地方選にも各地域に外国人労働者を迎えるにあたっての法案成立ならば相当に影響があります。
ここら辺を分かりやすく国民に示し、野党各党が与党を追いつめられるか。それ次第ですよ。

リベラル勢が、自分自身の意見に固執して「共生」を謳う割には他社の意見を排除する性質がある事を
私はtwitterで痛感しました。折り合うという気がない。なのに反対の声は大きい。
そりゃ野党勝てないよ、と思い知らされたわけです。
今回の入管法改正法案でこの固執した「自分が一番正しい」リベラル勢がまとまれるか。試金石になるでしょう。