こう(立憲パートナーズ)ブログ

政治についてあれやこれや語るブログです。

政治家は、営業マンに学ぶべし。

2020-11-22 17:53:16 | #立憲ボイス
■政治家は、営業マンに学ぶべし。

 私はとある会社で営業職に従事しています。
 高校生の頃から政治に注目をしてきて、国政選挙では必ず投票。その都度、どこに投票をすべきか、
 考え悩みながら一票を投じてきました。
 基本的には「自民党」以外の政党にしないと日本はダメになる、と思ってきていましたので
 選挙区は野党第一党に、比例区はその都度考えるというやり方が多かったかなと思います。
 ずっと政治家を見てきて思ったことは、本当に政治家って営業マンだな、ということです。

 営業マンは、物を売る事が仕事です。
 ハッキリ言うと、物が売れなければその存在価値はなく、売ってくれば価値がある。
 人間性がどうか、という事以上に、その成果=結果が求められる職業です。
 常に毎日が戦い。調子のよい時期は人並み以上にもてはやされ、調子が悪い時期は人格すら否定されかねない。
 そんなフィールドで戦っているのは責任の大小はあれど、政治家も一緒じゃないかなと思います。

 政治家は選挙に落ちればただの人。
 いや、お金や世間体を考えれば、ただの人以下に落ちぶれてしまうでしょう。
 自分の国家観や政策を実現しようとすれば、まず選挙に勝ち抜いていかなければなりません。
 そして政党内で発言力を増して、仲間や派閥を構成して、政党内で出世をしていく。果ては社長=総理大臣です。

 選挙で勝ち抜く一番のコツは、しっかりとした支持母体を持ち、指示ひとつで動いてくれる強力な後援会をもち、
 宣伝が出来る資金力を持つこと。つまりは地盤・看板・カバンを持つ事が必勝条件ですよね。
 これは営業マンも同じ。売れているトップ営業マンは、大口の顧客を持ち、自分が動かなくても案件を紹介してくれる協力者を持ち、
 そして社内で発言力を持っているので予算や決定権・裁量などを一定程度持ち合わせている。

 自民党の世襲議員たちは最初からこれらすべてをもっていますが、対抗する野党議員は一から築かなければいけない。
 これは入社したての営業マンだって同じです。条件は圧倒的に不利。
 だけど、じゃあ入社したての営業マンは何十年もかけないと先輩を越せないのかと言えばそんな事はありません。
 早ければ半年で並み居る先輩方を抜いていくスーパールーキーだっています。要はどれだけコツをつかめるか。型を決められるかでしょう。

 営業マンは歩いてなんぼ。新人の頃はとにかく歩きます。一件でも多く顔を出し、嫌がられても罵倒されても顔を出す。
 一度「無理」と言われたところにも時間を置いてまた顔を出す。この繰り返しを重ねる事でその姿勢を見てもらう。
 「また来たのか。よく来るなお前は」というところから話が始まるケースも多々あります。これを複数件こなしていく作業です。
 うまくトークが出来なくても、企画書がグダグダでも、とにかく必死で一生懸命やる事で、ベテランより気に入られる事だってあります。
 だって相手は人間だから。人と人との付き合いは、いかにうまくやるかだけではない、不思議な感覚があるものです。

 この愚直なる営業活動を重ねる事で、上客・太客が形成されていきます。
 「お前が案内してくるなら信用できるよな」と言って、最初とはえらく違って商談がすんなり通るケースも多い。
 いわゆるこれが政治で言う、支持母体になってくる。
 そして、「●●さんが欲しいって言ってるから紹介したるわ~」と、自分が動かなくても案件を紹介してくれる人だって出てくる。
 いわゆるこれが政治で言う、後援会的な存在でしょう。
 政治家と営業マンはあらゆる面でリンクしていると思います。

 これが数か月や半年でできるスーパールーキーがどんな会社でも時折いるものです。
 対して一年や数年かかる遅咲きの営業マンだっている。これも政治家と同じ。
 いつも小選挙区で敗退し、比例復活する議員がいますが、相手方の地盤・看板・カバンを敗退の理由にしますが、
 それを超える活動量を果たしていないのです。でも諦める必要はない。地元を徹底的に歩き・歩き・歩いていれば、
 どんな遅咲きの議員だっていつかは花が開きます。みんなそうやって勝ち上がってきているからです。
 しかし、相手の強固な陣営を理由にいつまでたっても勝てない理由をつぶやき続ける、あるいは奇策に走って楽をしようとする。
 こういう議員は、残念ながらその人間性がお客様・ひいては有権者に見透かされ、また売上や支持を自ら逃してしまうのです。

 ハッキリ名前を言えば、最近そういう界隈の話題が多い小川淳也さんとかですね。彼もこのトラップにはまってしまっている一人です。
 グダグダ言わなくてもいいんですよ。とにかく歩く。とにかく話す。とにかく聞く。毎日毎日積み重ねていれば絶対に票は増えます。
 相手がこれをやっていないんですから。どんな人間だって、一生懸命毎日やっている人間に心を動かされるものなんですよ。
 柚木議員や津村議員もこの界隈に属していますね。基本を疎かにしているくせに、奇策や炎上で当選にあやかろうとする怠け者。
 で、一番厄介なのはこういう界隈の議員たちが、自分たちがその怠け者だという自覚がない事にあります。
 必要な事は、ベテランになってもこういう基礎の営業活動を疎かにせず、支持基盤を固め、動いてくれる協力者を形成している方々から
 直接、厳しく、ご指導を賜る事でしょう。
 怠け者たちがそのご指導をちゃんと聞くかどうかは分かりませんが、だからこそ上司は優しくも厳しい方がいい。
 最低、上司がしっかりしていなければならない。選対委員長や幹事長の人事が特に重要なのはこういった点です。

 今の立憲民主党はどうでしょうか。選対委員長は変わりましたが、幹事長は変わっていません。
 この営業の基本を伝授できる資格が幹事長にあるのでしょうか。怠けずに営業活動を必死にできる比例復活議員および落選者たちが
 どれだけいるでしょうか。
 次期総選挙までにどれだけできるのか、しっかり見極めさせてもらいますよ、怠け者ども。

【政策】現実的な安全保障政策ってなに?

2020-11-14 19:50:10 | #政策
現実的な安全保障政策ってなんですか?

 2015年、民主党は平和安全法制、憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認する法案に反対をしました。
 その民進党の中には、細野豪志さんがおり、長嶋昭久さんがおり、井出庸生さんがおり、鷲尾英一郎さんがおり、
 今や自民党入りした、当時民主党だった議員の皆さんがおられたわけです。
 この、安全保障や憲法感に対する法案に対して賛否を示した方々の「心変わり」は、よほど国民に対する説明がなければ容認されるべきではない、
 政治家の意思表示というのはそこまで雑で安易なものかと驚嘆させられるばかりです。

 現国民民主党の議員、玉木さんや前原さんがよく言われる「現実的な安全保障政策」っていったい何を指すのでしょうか。
 保守を標ぼうする方々は、よくこのフレーズを使います。このフレーズが保守層や右寄りの方々に受けがいいのを知っていてこれを使うわけです。
 自分は国を想い、日本を守るために考えている「まともな」議員なんだよ、というアピールのためのフレーズです。
 じゃあこの現実的な安全保障政策て何なの?と。

 先述した、
 ・憲法解釈の変更による集団的自衛権に賛成なの?反対なの?
をはじめとして、
 ・そもそも集団的自衛権の行使に賛成なの?反対なの?
 ・憲法9条は改正すべきなのか。改正すべきならばどこをどう改正するのか。
 ・自衛隊に対する位置づけをどのように考えているのか?
 ・専守防衛を堅持するのか。それともさらに踏み込むのか。
 ・9条を改正し、軍隊を保有するのか。
 ・軍隊を保有するならば、自衛隊とのすみわけはどうなるのか。
 ・軍隊保有である場合、徴兵制は導入するのか。
 ・極まるところ、核兵器の開発、保有を検討するのか。

 現実的な安全保障政策って言葉は、一見まともな言い方に思えますが、そんなん当たり前なんですよ。
 民主党政権でも、別に日本はどの国からも侵略はされていないし、ミサイルも撃ち込まれていない。
 漁船衝突事件はありましたが、逆に、安倍政権末期から菅政権の現在に至るまで、史上最長で中国は領海侵犯を侵し続けています。
 民主党政権での防衛政策は現実的ではなく、自民党の防衛政策は現実的なのでしょうか。
 それともその両者とも異なる防衛政策があるのか。それを現実的と呼ぶならば一体どういうものになるのか。

 何も分からないままです。上記に記した疑問点を、玉木さんや前原さんがしっかりと前向きにお答えいただけるかというと、絶対に返答はくれない。
 TWITTERやホームページ等を通じて何度かご意見をお寄せしているのですが、もちろん返事はないし、それについて語る場面もほとんどない。
 前原さんなんかはYouTubeで安全保障政策について語ったりしていますが、見ていてどうですか?上記のような疑問点にこたえています?
 答えていないんですよね。前置きが長すぎる。「私はこうするんだ。これが現実的安全保障政策だ」と言わないんですよ。
 これでは、彼らの現実的安全保障政策というのは、「俺はまともだ」と思われたいがための保守層へ向けてのアピールと断じざるを得ないと思います。

 特に、本当の意味で現実的な話をするとすれば、最高の抑止力となるのは、戦力となるのは、核兵器ですよね。
 この核兵器についての議論をしなければ、本当の意味での現実的な安保議論にならないと思うんです。
 もちろん、全議員にこれは強制しません。「現実的な」なるものを発信する議員に対して、これを強制したいと思います。
 最高の抑止力たる核兵器について、あんたらはどう考えているのか。持つべきなのか、持たざるべきなのか。議論するのか、そもそもしないのか。
 そこまで彼らは絶対に踏み込みません。叩かれるし、大批判される事が間違いないからです。
 こんな覚悟のない政治家に、「現実的な」とか、そんな恰好つけた物言いが許されるんでしょうか。私は絶対に許せないんです。

 何をもって現実的な安全保障政策なのか。恰好つけるならばハッキリとモノを断定的に示せ!国民民主党の方々には特にそういいたいです。



【政策】#同一価値労働・同一賃金法案を提出。

2020-11-14 17:46:04 | #政策
同一価値労働・同一賃金法案を衆院に提出。

 11月13日、立憲民主党をはじめとする野党は、(維新以外。)上記の法案を衆議院に提出しました。

 10月の最高裁判決で、ボーナスや退職金が不支給となったアルバイト職員らの敗訴が続いた事を踏まえた対応。
 2018年成立の働き方改革関連法に基づき、同一労働同一賃金に向けた指針をまとめた政府だが、内容は具体性に欠ける。
 先述の最高裁判決は状況を変える突破口になりえないと明確になったため、具体的な法整備が必要と判断されました。

 <内容>
 正規と非正規の待遇差をめぐり、「合理的と認められない待遇の禁止」を明記。
 合理的かどうかの立証責任について、労働者側から使用者側に移す規定を盛り込んだ。

 ポイントとなるのは、同一労働・同一賃金、なのではなく、同一価値労働・同一賃金、なのだという点。
 これが分かりにくくて非常に複雑。
 この定義は、「男女間、正規非正規間の処遇の非合理的な格差を可能なかぎり解消し、働きに見合った公正な処遇にする具体的な方策」
 とされています。
 どちからというと、正規非正規の定義よりも、男女間差別に関するジェンダー問題の解消として定義されたものなのかな、と。
 ただ、「男女雇用機会均等法」をはじめとする労働法の制定が、今の日本社会における労働格差を是正できているのかと言えば
 それは出来ていないと言わざるを得ないと思います。
 今回のコロナの影響もあり、非正規雇用の方々が大変な減収や被害を受けている。その多くが女性である、と立憲の山井さんは解説されています。
 この特に「女性」を特化しすぎる立憲の議員の主張って個人的にはちょっと違和感があるんですよ。
 言い方を変えれば、男性で非正規である方が何か悪いことのような、そんな印象を受けるんです。
 もちろん、そんな意図はないのだと思うのですが、男女問わず格差をなくすという名目であるにも関わらず女性にだけスポットを当てる。
 いやいや、男性もでしょ。性別関係ないでしょ、と私なんかは思うんです。
 ただ、社会的にも国会的にも、女性にスポットを当てる事が「正義」になっているので異論をはさめなくなっているんですよね。
 男女関係なく、男性も女性もそれ以外の方も。と表現して頂けると、より応援できるのに残念だな、と本当にいつもそう思います。

大阪都構想の失敗は「維新」の責任

2020-11-12 12:41:15 | #選挙
これをまとめておくのを忘れていました。
維新の会が仕掛けた大阪都構想リターンズ。
関西在住の人間からすると、その影響力・発信力、ともに絶大なるパワーを持つ維新が仕掛ける再度の一手。
今回は公明党を従えての盤石の体制での住民投票ですから、言わずもがな相当注目をしていました。

もともとは橋下府知事と平松市長が決定的に対立していた関係性を恨みに思った橋下氏の執念が、「大阪都構想」です。
二重行政は、知事と市長が手を取り合い協力しあえっていければ何ら問題はないのだと思いますが、
お互いが利権争いで仲たがいした状態では何も決まらない。
府と市の首長を維新が抑えることで、橋下さんは思ったように大阪の行政を舵とる事が出来たわけですが、
この言い分に、「いやそれって、あんたらの調整不足が原因じゃないの?」と思わないでもないわけです。
ただ、意思決定以外のメリットも確かにある。あるのはあるんでしょう。色んな効果が喧伝されてきました。
でも、同じようにそのメリットを打ち消すだけのデメリットも喧伝されていたわけです。
どっちがどっちか分からない。そしてそのメリットが確たるものだというソースを、維新側が出す事が出来なかった。
二度の「否決」という憂き目にあったのは、そこを維新が説明しきれなかったという事の結果ではないでしょうか。

■2015年投票結果(wikipediaより抜粋)

支持 694,844 49.62%
反対 705,585 50.38%
投票総数  1,406,084 100.00%
登録有権者/投票率 2,104,076 66.83%

■2020年投票結果(wikipediaより抜粋)
支持   675,829 49.37%
反対 692,996 50.63%
有効投票数 1,368,825 99.53%
投票総数 1,375,313 100.00%
登録有権者/投票率 2,205,730 62.35%

公明党と衆院選での選挙協力を取り付けるという、野党で言われるところの「野合」を決め込んで臨んだ二回目でしたが、
結果は上記に記したとおり、投票率は微減し、賛成と反対の比率はほぼ変わらず。むしろ反対が割合としては微増。
大阪の方々の感想としては「まだやってんのか」「しつこいねん」といったところでしょうか。
そしてさらに、取り込んだはずの公明党票がまったく意味をないしていない。
もし、この賛成票に「公明党」が半分でも入ったいたのだとすると、相対的には「反対」が相当強いと言わざるを得ないでしょう。

敗因として、公明党を取り込んだ事による維新の支持者の離反があったとか言われていますが、それは全く当たらないと思います。
実際に「大阪市」がなくなるという決断を迫られた大阪の方々にとって、あまり党派性は意味をなさなかったと思います。
むしろ本当の意味で、「よくなるのか」「悪くなるのか」これを見極めようと誰もがしていたはずです。
それが総選挙と比べても格段に高い投票率に表れていると思います。大阪の方々はしっかり考えようとしていた。

この大接戦の「反対」を「賛成」に取り込む事が出来なかったのは、選挙戦術が原因ではなくて、
あくまでも上記に記したとおり、メリットをしっかりと伝える事が出来なかったからだと考えます。
維新側は「よくなる」事をしきりに発表します。しかしすぐに「悪くなる」という情報が反対側から出る。
これに維新は「いや、よくなるんだ。なぜなら・・・」という反論を”しなかった”んです。
彼らがその時にやることは、反対側をとにかく罵倒する。汚い言葉で、あたかも絶対的な悪人かのように、反対側を攻撃するのです。
それを見た維新の支持者、いわゆる賛成派は、「そうだそうだ。奴らは何もわかっちゃいない。抵抗勢力だ!」と勢いづき、どんどん攻撃的になる。
はたまた反対派の論理を「デマ」だと言い、さらに攻撃する。

もちろん、反対派には「反対のための反対」をする人もいるでしょう。
でも、少なからず提案する側は、反対する側を説得しなければいけないのではないでしょうか。これは政治だけじゃなく、家庭でも会社でも。
にも拘わらず、維新は相手を執拗に攻撃します。明確なメリット論を出す事なく、です。
この姿勢を見て、2015年に「反対」していた方々は「賛成」に転ずるでしょうか?しないと思いますね。ちょっと怖くなる。
「もちろん維新の頑張りは否定しーひんし、次の選挙でも自民党や共産党に投票するくらいなら維新にするけどさ、さすがにコレは無理筋やで」
と言う方も多かったんじゃないかと、そう思います。
橋下さんや松井市長、足立康史などという口汚く相手を罵倒するやり方では、維新の会は永遠に大きな改革はできない。これは明らかな事実となりました。
維新はこれをもってその悪い部分を反省するのか。反省しなければ先はないとも思います。が、投票後の維新の言動を見れば逆切れこそすれ、
まったく反省はされていないんだなあ。とそう思いました。
関西人は強気で堂々としている人をあがめますから。一定の評価はあるのでしょう。ただ、維新は全国で評価を得られない。必ず失敗する団体だと確信をしています。

維新自体の論評に関しては、また別記事で書かせていただきたいと思います。
彼らの存在自体は時代の要請であり、地域にとっての必然であると思います。ただ、彼らが日本の未来にとってプラスに働くのでしょうか。




アメリカ大統領選、混迷の末、バイデンが勝利。

2020-11-08 11:37:11 | #外交・安全保障
■混迷の大統領選
 お疲れ様でした。筆者も火曜日からずっと注目し続けていたアメリカ大統領選が混迷の末、
 ようやく日曜日によって大勢が判明した模様です。
 激戦の末、トランプ大統領は民主党候補のバイデン氏に敗れる事が確定をしました。
 一期4年で退任する大統領は久しぶり。そして民主党にとっては前回敗れたヒラリーさんの意趣返しが出来たというところでしょうか。

 元々、支持率で大きく水をあけていたバイデン氏でしたが、開票が進むにつれてトランプ陣営の巻き返しがあったように思います。
 それもそのはず。大規模集会を開いて、怒涛の追い上げを後半見せていたトランプ陣営は直接投票が多く、
 対してコロナを意識して大規模集会などを控えていたバイデン陣営は、これまたコロナを意識して郵便投票などが多い。
 両陣営の性質をしっかり反映させたような投票行動が、一時的にトランプ有利の現象を引き起こしていて、
 国内外に「ほら、やっぱりトランプが強い。勝つんじゃないか」という空気を作り出していました。
 笑ってしまったのが、一部コメンテーターやネットのトランプ支持者たちが、こぞってメディアの事前調査や世論調査などが
 いかに不正にまみれていて実体に合っていないか等という事を惜しげもなく発信していたことです。
 実際は、投票行動による開票の差が、トランプ有利に見えていただけで、初めからバイデン有利は変わらなかった。
 その事をあずかり知らぬ人たちが、トランプ有利の情勢に沸いて口を滑らせてしまったという事です。
 この界隈の方々は今は沈黙しているか、郵便投票に不正がある。裁判でひっくり返る。という主張をトランプ大統領とともに行っているようです。
 こうなってくると事態は泥沼で、仮にトランプ陣営がすべて逆の立場ならば、「正義は勝った」というに違いないという事。
 この自分たちを「絶対的正義」と位置付けて、もはや宗教のように「それに反する者は敵」「売国奴」「スパイ」「不正」などと言っちゃう。
 こういう強い言葉・強い態度が受けるという潮流はリーマンショック以降の世界的不景気に大きな効果をもたらしました。
 そして、中国やロシア等、世界で台頭してくる勢力に対する強気な態度が強固な団結力を生んだ。それ自体は自然な事なのですが、
 この「絶対的正義」を妄信してしまうことで、それに合わなくなった人たち、そこから零れ落ちる人たちの事を鑑みなくなってしまう。
 そしてその人たちをも「敵」としてしまう。ここで「分断」が起きるのだと思います。
 この強固な団結力と絶対的正義をもってしても4年でトランプ陣営が破れてしまった最大の原因はこの省みない「分断」のせい。
 コロナ対策の失敗や、経済政策の反発や、人権侵害など、トランプ大統領のもたらした「この道しかない」方針は多くの分断を生んでしまったのです。

 「この道しかいない」という言葉は、今私が勝手に比喩しただけで、トランプ大統領の直接的な言葉ではありません。
 ですが、大統領がうちだした方針というのはまさにこの言葉で比喩されるでしょう。
 そして、自分たちに反する者たちを敵とみなす姿勢は、「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです」とのた打ち回った
 安倍晋三前総理大臣と完全に一致します。賢明なアメリカ国民は、こういった勢力に鉄槌を下した。それが今回の大統領選でした。

 中道路線として民主党候補として名が早くから挙がっていたバイデン候補は、はじめは支持をなかなか伸ばせませんでした。
 急進的左派と言われながらも、若者から熱い支持を得ていたサンダース候補に押されていたのは周知の事実です。
 しかし、バイデン候補が最終的に候補者として選ばれた事、これって結構大事な点だと思います。
 舌鋒鋭い攻撃的なトランプ大統領に対して、アメリカのあるべき姿をしっかりと見せなければいけない、分断を進めた大統領に対して包摂する姿勢を見せないといけない。
 そうなったときに、民主党候補に必要となったのは、安心して任せられる幅広い政策を打ち出せる社会を包摂できる候補の姿です。
 サンダース候補は左派には絶対的な支持がありましたが、それではやはり不安と思う国民も多かった。そこに民主党は過敏に反応したのだと思います。
 そして、8日に勝利演説を行ったバイデン候補は、「分断から結束に移るべきとき。相手は敵ではない。同じアメリカ国民だ。」と語りました。
 これこそトランプ大統領に対する最も強力で鋭い対立軸です。すべての政策に、この演説が生きてくるのだと思います。
 国民に対し、「こんな人たちに~」と言ったり、辞任会見の際に「国政選挙において支持をくださったすべての皆様に感謝」と、支持者にのみ感謝を述べた
 そんな安倍晋三という政治家とは真逆を行くニューリーダーと言えるでしょう。
 加えて言えば、最大野党として戦っている立憲民主党および枝野幸男代表には、このアメリカ国民の判断とバイデン氏の勝った理由に学んでほしいと思います。
 枝野立憲は、バイデン氏の足元にも及んでいません。

 しかし、バイデン氏に投票をしなかったアメリカ国民の不安や不満も大いに理解できます。
 トランプ大統領のやってきた事にも私は一定の理解ができます。彼自身というよりは、アメリカにおける時代の要請のようなものだったのだと思います。
 これから疑惑などにバイデン氏は真摯に対応していく必要もあるでしょう。
 そして何より、分断を加速させた経済的不景気という状況を改善することに注力をすべきです。不景気はすべての争いの元になります。
 暗礁に乗り上げた不景気の渦から、だれか強力なリーダーシップでもってこれを救い出してほしい。という国民の声は大きなうねりとなります。
 バイデン氏はこの声にこたえられるか。そして日本ではこのアメリカ大統領選をこういった視点から野党は見る事が出来るのか。
 大事な分岐点になると思います。