こう(立憲パートナーズ)ブログ

政治についてあれやこれや語るブログです。

立憲と国民民主が統一会派へ

2019-08-21 23:59:28 | #国会
このブログをご覧いただいている方はすでにご存じかと思いますが、
8月20日、立憲民主党と国民民主党が統一会派を結成することで合意に至りました。

経緯としては、
8月5日に、枝野代表から国民民主党に衆議院で立憲民主党の院内会派に加わってもらえないかと提案があり、
国民民主党内では紆余曲折ありながらこれを了承することが決まり、合意に至ったと。
会派には社会保障を立て直す国民会議も加わる方向で、会派数の増加に伴い国会での質問時間増、
運営に発言権のある理事も増るとの事。
まあ、普通に考えたらよい事づくしですよね。

ただ、そうは問屋が卸さないのが、世の常ですね。

枝野代表が統一会派を持ち掛けるに至った経緯としては色々な状況を鑑みての事だったと思います。
思慮深い代表ですので、そんなに簡単にこの話を持ち出したりはしないはず。
なぜならば、「立憲民主党は、永田町の数の論理に振り回されない。離合集散には与しない」と
設立当初から申し述べてきました。それを踏まえると今回の決断はまさにブレた、方向転換したと言えます。
安倍総理流に言うと、「新しい判断」でしょうか。

まず、第一に参院選が予想以上に苦戦し、党の重点地域である、東京・静岡・京都・大阪・兵庫などで
惜敗または惨敗を喫した。そして比例票が思った以上に伸びず激減してしまった事が挙げられます。

その理由は前回のブログでまとめているので、もしよかったら読んで頂きたいのですが、
敗因を分析する中で、「立憲は自分達だけで頑張っても自民党には勝てない」と総括してしまったのだと思います。
悪い言い方をすれば諦め。白旗を挙げてしまったのだろうと。
ただし、本当の敗因は「多様性」を全面に出し過ぎて、国民の暮らしの向上や外交安保などの「安心」に繋がる政策が
影を潜め、色物とまでは言いませんが、ただ単に多様性を押し出してくる変わった政党、と思われた所にあります。
きちんと「経済」「外交」「安全保障」を訴えていれば、比例票は少なくとも積みあがったはずです。
しかし、立憲はこの分野が苦手です。だから、それを認めたくなくて”敗因”にこれを盛り込んでいない。
だから、単独では自民党に勝てないなどという結論を出してしまったのでしょう。

そして、第二に、国民民主党側の事情があります。
その立憲以上に成果が出なかった国民民主党は、参議院が予測不能の暴れ方をします。
特に彼らは今回の参院選で苦労しました。希望の党で獲得した比例票の半分も取れず、選挙区も悉く負け、
そして立憲に対抗馬を立てられる地域も多いなど、もう本当に散々な状況だったはずです。
特にこうしたストレスを強情な立憲にぶつけたくなったのでしょう。
維新の会と統一会派を組もうと画策したり、自民党と連立を組んで勉強させてもらえないかという案が出たり、
これぞまさに元祖・民主党と言わんばかりのグダグダっぷりを見せてくれました。
もし、維新や自民と組むと、立憲からしたら脅威です。そんな事をさせるわけにはいかない。
代表が5日に「衆議院だけの統一会派」を提案したのは、国民民主の衆院と参院の仲を引き裂き衆院を取り込む狙いが
あったと思います。暴走した参院は野党との足を引っ張りかねないですからね。

しかし、玉木代表は意外や意外、国民民主をまとめ上げてみせました。
これはなかなか見事な手腕だったと思います。そして立憲と「衆参共に統一会派」を組む事になったというわけです。


私としては、枝野代表が以上の流れで統一会派を求め、玉木代表がこれを呑んで合意に至った結論を、
「支持」
したいと思います。
党と党の合併は出来ないと思います。理念政策が異なるために、希望の党から立憲民主党は排除されたわけですから。
ですので、ギリギリの最大の協力の方法が統一会派だったと言えると思います。
これは枝野代表が苦慮して出した結論です。これに支持者としては、色々な想いがありますが、まずは信じてみる。
そしてこれからの代表および党の言動が信じるに足るかどうか厳しく見張っていく。
こういう気持ちで統一会派を受け入れてみようと思っています。

しかし、方向転換した枝野代表および党の方針を受け入れられないという支持者がいる事を否定しません。
そして彼らを非難する事もしません。気持ちは凄く良く分かりますから。
政策が一致しないのに会派を組むのはおかしいだろ、というご意見も最もだと思います。
私としては、統一会派ですべての政策が一致する必要はない、と思っていますが、こういうご意見も筋が通っています。

支持者の気持ちを鑑みた場合、枝野代表および党は、記者会見や動画などで相応の時間を使って
支持者にきっちりと説明をする事が大事だと思います。これをしないならば更なる支持者の離反を失うと危惧しています。


政策の一致が必要か否かでは、支持者レベルの話ではなく、立憲と国民民主の議員の中でも不安が渦巻いているようです。
特に、原発ゼロ法案への是非。
これは立憲として譲れない一線ですよね。
ただ、国民民主は、「主張を理解する。但し異なる政党なのでそれぞれの主張に配慮する」という説明に終始している。
玉木代表は記者会見でも、「賛成」か「反対」かをはっきりと言わない。誤魔化し続けています。
危なっかしいですよね。これ絶対に割れるし、絶対に揉めると思います。
特に原発ゼロに関して立憲側は絶対に折れない。ここに国民民主のバイアスがかかるので凄く揉めます。

THE民主党・民進党をまざまざと見せ付け始めてくれますよね。
まあ、予想通りです。予想通りのダサさ。
議論はする。しかし決まったら従う。それが出来ないようであれば、一生野党やってろ、という話です。

統一会派がどのように転ぶか。これは厳しく注視していきたいと思います。
私としては、支持している立場ですが、まあどちらに転んでも結構です。なぜなら面白いから。
THE民主党バラバラパーティーを久しぶりに見せられているので、懐かしさすら感じている程です。

これとは別に、
立憲民主党は、立憲民主党として単独で過半数を狙える政党となるために
10年は少なくともかかるでしょうが、次の衆院選で80~100以上の議席を狙えるよう足腰を鍛えていく。
この鍛錬が必要になるでしょう。統一会派はしょせん国会の中での話です。国民には関係ない。
引き続き、私は立憲民主党が強くなるため、厳しい提言を行って参ります。
皆さんはいかがでしょうか。是非ご意見お寄せください。

立憲が国民民主へ会派入りを要請

2019-08-12 08:23:10 | #政局
 立憲民主党が国民民主党へ衆議院での会派入りを要請し、これが衝撃ニュースとして政界を駆け巡りました。

 何が衝撃だったかというと、ブログをご覧の皆さんはお分かりの事と存じますが、
 「永田町での数合わせに与しない」という事を党是に掲げていた立憲が、まさか会派入りを要請するとは…という驚きです。
 この決断をしたのは、参院選の結果を受けて力を合わせないと巨大与党に対抗できないから、と枝野代表は語っていましたが
 これが詭弁である事は明らかです。
 衆議院での会派入りを要請した事を踏まえると、国民民主党(参院側)と(衆院側)の意見が対立し、参院側が日本維新の会と
 会派を共にしようという動きを見せていた事が本当の理由であり発端だったと思います。

 立憲と国民民主の間で、参院選を経て大きなしこりが出来たのは間違いありません。
 多くの複数区で候補者がぶつかり、票が割れました。立憲が勝つ事が多かったですが、少しは国民民主も議席を守り、
 両方が落選する憂き目をみた選挙区もあります。
 立憲もそうですが、国民民主が「立憲が意固地になっているせいで…」と思っても仕方がない事態だったと言えます。
 ただ、違う政党なのですから各々が戦うっていうのは別におかしな話じゃありません。
 しかし、そういう対立する姿を見て、維新の会へくっつこうとした動きがあるのは明らかでしょう。
 国民民主(参院側)は限界を感じたのだと思います。このままじゃ自分達は消えてしまう。決して自分達だけでは戦えない、と。
 しかし縋る相手がいない。自民党へはなかなか行き辛いでしょうし、日本維新の会がベターだと思ったのでしょう。

 ここを見逃さなかったのが枝野代表です。
 (衆院側)と(参院側)の意向が違うならば、国民民主を揺さぶり、あわよくば衆院側だけでも取り込もうと考えたのではないでしょうか。
 参院が維新と会派を組み、衆院が立憲の会派に入るのならば、確実に国民民主は割れます。
 ここで議席を大きく伸ばそうとした、そんな狙いを感じる次第です。
 しかし、会派入りを要請された国民民主は「あ!」と思ったのでしょう。玉木代表のリーダーシップによって取り合えず参院は沈黙。
 ただ黙って立憲会派入りをするのは党がそのまま吸収される事態になりかねない。
 だから政策協議などの条件を掲げてボールを立憲へ打ち返したのだと思います。

 (衆院側)と(参院側)の意向や狙いが違ってくるのは当然でしょう。
 立憲と国民民主は、希望の党の一件があります。
 衆院側はあの希望の党の排除問題で大きなしこりを残しました。そのしこりは支持者が想像する以上のものがあると思います。
 また、「排除された側」の苦しみは、「排除した側」の想像をはるかに超えます。
 いじめた側は忘れるが、いじめられた側はいつまでも根に持っているものです。
 あの怨念が衆院側には残っています。参院側は振り回されただけでしたから当事者意識は薄く、むしろ被害者意識すら持っているでしょう。

 これをうまく利用しようとしたのが枝野代表です。
 国民民主の衆院側と参院側の分断を図ったのです。
 結果は先にも示しましたが、玉木さんの力で分断は無くなり、衆参同時の統一会派を打ち返してきている状況。
 これに対して立憲がどう返事をするのか分かりませんが、おそらく国民民主に華を持たせるためこれを受け入れると思います。

 支持者の反発は必至でしょう。
 会派入りの打診だけでも支持を辞めた支持者がいます。これは悲しい事ですが、離れてしまう方を批判する事は決してできません。
 気持ちはたいへん良く分かります。
 これは「新たなヒーロー」を求め、立憲から離れてれいわ等に移った自己中心的な元支持者の方々と違って、
 立憲の方針転換に対して失望してしまった消極的な支持離れだからです。
 枝野代表はじめ立憲の役員は、まずは支持者に向けてしっかりとした説明をしなければならないと思います。
 それが道理であり、「変節していない」事を筋を通して説明できるすべを持って欲しいと思います。

 国民民主は、結局のところ立憲と一つになるしか道はないと思います。
 これはそれを薦めているのではありません。国民民主の未来を考えての客観的な意見です。
 先の参院選での国民民主の比例票は約340万票。単純比較はできませんが、希望の党は800万票を超えていました。
 立憲は約800万票。こちらも前回の衆院選では約1200万票でしたから大きく票を減らしています。
 客観的にみると国民民主は次の選挙で更に票を減らすのでしょう。ともあれば政党消滅の危機と言えます。
 だから彼らの最終手段は立憲とくっつく事です。
 そのためには「排除した側」がとにかく頭を下げ、手ぶらで「排除された側」に許しを請わなければ物事は進まないのです。
 ここはもう感情論です。いくら国民民主が正論を言ったとしても正論ではもう事は通らないのです。
 「排除した側」が「された側」の政策や条件をすべて呑むのです。そうしなければ決して交われません。
 そこに「排除した側」のプライドは必要ないのではないでしょうか。

 私自身は、立憲は国民民主と一つにならず、来たい議員さんを迎え、立憲が立憲として成長する事を望みます。
 国民民主には優秀な信頼できる議員が多くいます。しかし、民主党・民進党のようなガバナンスの利かない組織になる事は出来ません。
 ならば進んで立憲に来たい議員を個別で迎え入れるのがベストだと考えます。
 統一会派の話よりも参院選の徹底した総括と反省、役員の責任などをしっかりと議論し提示して欲しかったです。
 そういう意味では、立憲には失望する事が絶えませんが、この会派入り問題は一つの通過点。
 どう転ぶのがお盆明けを注視したいと思います。

 <参院選 比例票の動向>
 自民党 1771万票 (前回:2010万票)
 立憲民主党 799万票 (前回:-)
 国民民主党 348万票 (前回:1170万票<民進党>)
 公明党 653万票 (前回:757万票)
 日本維新の会 490万票 (前回:515万票)
 共産党 448万票 (前回:601万票)