黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

コカリナアメリカ公演日誌 その2 ブラボー!の声に励まされ

2017-11-29 13:51:33 | 日記
初めてのカーネギーホール。初めてのニューヨーク公演。いったいどのくらいのお客さんが来てくれるのか、とても心配でした。また、音楽好きのニューヨーカーの舞台に対する目は厳しく、つまらなかったら帰ってしまうとのこと。さらには、トランプ政権が発足してから、アメリカの入国が厳しく、追い返される旅行者もいるとの情報が流れる。追い打ちをかけるように渡米直前の10月末、9,11テロ現場の近くでにまたテロが発生、8人もの人が犠牲になり、トランプ政権は「さらに入国を厳しくする」と発表。そんな様々な不安材料があふれる中で、「そんなニューヨークだからこそ、コカリナの美しい音色を届けよう」とメンバーみんなで気持ちを一つに練習を重ねコンサートに臨みました。
 コンサート前日までに出演者全員が無事ニューヨークに到着できたものの、試練は当日朝まで続きました。一行は二つのグループ別れて泊まっていたのですが、なんと本番12日の朝、その一つヒルトンホテルで火災が発生。4階の宴会場から出火、なんとか小火で消し止めたのですが、一階は煙が充満、消防車20台が押しかけ、エレベーターはすべて停止、大混乱になったのでした。幸いにも私は、一階のレストランで朝食を取っていたのですが、コンサートのための楽器、衣装すべて部屋に残したまま。そしてその部屋とは34階。(およそ東京タワーの展望台の高さとか)でも、どんなに高いところだろうが、楽器がなければ仕事にならない。「何としても取りに行かなければ」と朝食もそこそこに非常階段を上り始めたのでした。こんな時、幼い頃から山道を学校に行かされ続けた健脚に感謝です。一緒にコカリナ合奏団に入ったばかりのKさんが付き合ってくださり、本当に助かりました。なんとか、楽器、衣装、譜面などコンサートに必要なものはすべて運び下ろし、カーネギーホールに向かうことができました。
 9時半にはホールに到着。日本人学校の子ども達は先生も含め135人が到着。10時きっかりに、リハーサルを始めることができました。なにせ、日本人学校の子ども達と合わせるのが、これが初めて。ウマク音が合うか心配でした。でも子ども達は、一生懸命練習してきてくれた甲斐があり、ピッタリ合った音が響き渡りました。
 そして2時開演。ステージに出て行くと、なんと、お客さんが3階席まで入っているではないですか。ニューヨークでは全くと言っていいほど、知られていないコカリナのコンサートに、沢山の皆さんを誘ってくださったプロモーターの皆さんに感謝感謝でした。しかもこのコンサートはALS患者の皆さんへの支援も目的でしたから、日本でやっているコンサートと同じくらいの入場料をいただきました。(入場無料でただ大勢来ていただくというコンサートにはしたくない、という思いもありました)にもかかわらず、こんなに沢山の方が来てくださるとは。しかも7割方がアメリカ人。その皆さんの曲が終わるごとに拍手と共に送ってくださる「ブラボー!」の声に励まされ、コンサートを進めることができました。

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