黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

奇跡の一本松&奇跡のピアノ 音楽会  報告

2015-03-10 10:22:44 | 被災地支援
 東日本大震災から明日で4年を迎えます。この年月を振り返ったとき、心の中に、ずいぶん昔のことのような感覚と、ついこの間の事のような感覚が入り交じっているから不思議です。それだけ色々なことがあったと言うことなのでしょう。私たちでさえそうなのでから被災地の皆さんのそれは計り知れないほどのものでしょう。先日東京の紀尾井ホールにて「奇跡の一本松と奇跡のピアノ」のコンサートをさせていただきました。チケットは1ヶ月前に完売になるという盛況の中で、被災地に思いを寄せて新しい曲を発表させていただきました。構成組曲「浜辺に寄せて」。コカリナと合唱で奏でる9分の大曲です。以下はプログラムに載せた解説文です。
これからも「奇跡の一本松」の音色を届け続けようと思います。

構成曲「浜辺によせて」について
4年前、東北の太平洋沿岸を襲った大津波は東北の美しい浜辺をことごとく破壊しました。
美しい松林はなくなり、堤防は破壊され、穏やかな海の町はガレキの町と化し。支援で被災地を訪れるたびに、その無惨な姿を前に立ちすくみました。そして、ガレキの向こうに落ち着き払って光る「海の青」が青ければ青いほど憎らしささえ感じました。私たちでさえそうなのですから、それを毎日見続けている被災地の皆さんの悔しさはどれほどのものであったことでしょう。あれから4年経ち、そんな海と向かい合い、ひたむきに前へ前へと進んできた被災地の皆さんの気持ちを表現できればと、このような構成曲「浜辺によせて」を創りあげました。曲は日本の代表的な叙情歌「浜辺の歌」「浜千鳥」に私が創った「海光る朝」を付け加え成り立っています。コカリナ合奏、うた(独唱)、合唱、総勢110名そして被災ピアノの演奏でお聴きください。
お礼
この度、このコンサートに向けて、陸前高田「奇跡の一本松」の枝部分をコカリナ用にご提供下さいました一般財団法人日本ユースホステル協会 、及び陸前高田市に心からお礼申し上げます。

構成曲「浜辺に寄せて」の演奏  近々youtubeでも公開予定です。

奇跡の一本松コンサート  高知11月8日・福岡11月14日

2014-11-19 11:50:11 | 被災地支援
高知、福岡で 立て続けに「奇跡の一本松コンサート」が行われました。高知の会場は自由民権会館のホール。ゲストに「もくもく会」という音楽サークルが登場。なんとコカリナ、尺八、横笛、ケーナという「多国籍笛」の合奏をしてくれました。これがなんとも面白い響きに。満席のお客さんのもと、「被災地を忘れない」という思いをひとつにしました。
 続けて行われた福岡は平日の昼間だというのに沢山の人たちがご来場下さいました。まずは福岡の講師の皆さんによるグループ「コカリナユニット ウッディ」の合奏。美しいハーモニーが響きの良い会場に染み渡りました。そしてゲストには福岡を中心に全国的に活躍されるオカリナ奏者の流音華(るねか)さんのデュオ「クリシエ」が登場してくださり、柔らかなオカリナとギターの音色を披露してくださいました。オカリナとコカリナ、あまりコラボした事はなかったのですが、これもまた、とても面白い世界ができる、と実感しました。 「奇跡の一本松コンサート」各地で予定されています。来年3月1日は東京紀尾井ホールで「奇跡のピアノ」とのジョイントも予定されています。皆さんの町でも是非ご計画下さい。今日からウィーンです。

高知

福岡


秋、再び石巻で

2014-10-16 10:20:38 | 被災地支援
 石巻での被災地支援コンサート、上田市サントミューゼ開館式、山ノ内コカリナフェスティバル、そして矢口周美の東京トッパンホールでのコンサート、と、猛烈な「忙し台風」が我が身を襲っていたためしばらくブログを書けませんでした。
 9月28日 石巻で被災地支援コンサート
 3年前のちょうど今頃、石巻門脇小学校の隣にある西光寺でコンサートを行いました。
門脇小学校の前にあった焼けた松がコカリナとなり、その復活コンサートでした。なんとか本堂が使えるようになったばかりの西光寺さんには、犠牲者の皆さんの真新しい骨壺が沢山並び、それに囲まれるようにコンサートは行われました。あれから3年、骨壺は埋葬されたものの、あの時と同じように仏壇の前にステージが作られコンサートは行われました。会場もステージの作り方も一緒なのですが雰囲気はだいぶ違うモノになりました。特に、あれから3年経ち成長した子ども達の姿は多くの大人達の目を見張らせました。終了後の懇談会は、まさにその子達が主役。この3年間で自分はどれほどの人たちと交流し、どれほど大切なモノを得て来たかを、一人一人が自分の言葉で話しました。その中でコカリナがとても大きな役割を果たしたことも伝えてくれ、嬉しさをこらえ切れませんでした。子どもたちの発言の最後に中心になってきたMさんが「門脇小学校を解体したほうが良いとの意見がありますが、それは大人の考えです。私たち門脇を卒業した子どもは、どんなにつらい体験があってもあの学校は遺して欲しい、と皆思っています。もっと子どもの意見を聞いて欲しい」と訴えました。広島へ、ウィーンへ、神戸へ、一緒にコカリナを持って旅をしたMちゃんの言葉に体を揺さぶられた日でした。
 それにしても復興は遅れている。西光寺さんの回りは3年前と全く変わっていませんでした。
写真は西光寺さんでのコンサート。上田市から来てくれたみなさんが被災地支援100回コンサートで作り上げられた100枚のタペストリーを教育長さんに手渡す。
このタペストリーは石巻の小学校全校を巡回するそうです。

奇跡のピアノ とジョイントコンサート  3月7日

2014-03-10 13:44:59 | 被災地支援
震災の当日、福島県いわき市の中学校で卒業式で演奏された後に津波に遭ったグランドピアノ。いわき市在住のピアノ調律師遠藤洋氏の懸命な修復作業によりその命を吹き返しました。3月7日、東京日本橋の老舗デパート高島屋にて、そのピアノを伴奏にしてのコカリナコンサートが行われました。使用したコカリナはもちろん、「奇跡の一本松コカリナ」そしてピアノは我らが愛すべきピアニスト福澤達郎。被災し、津波の海水に浸かったピアノですからどんな音が出るのかとても不安でしたが、 これがなんとも爽やかな澄んだ音。このピアノを復元されたピアノ調律師さんの力もあるのでしょうが、ピアノは木が共鳴して鳴る楽器。ピアノの木が復活の喜びを奏でている、そんな風に感じられて仕方がありませんでした。またこのピアノと共に演奏したい、と強く思いました。