10月19日から3日間連続で福島県内でコンサートを行いました。
1日目は、いわき市のお寺、龍雲寺。2年前にもここで被災地支援コンサートを持たせていただきました。今回は、「新蕎麦まつり」と合わせてのコンサート。美味しい新そばをごちそうになりながら、由緒ある本堂にあふれんばかりのお客さんがご来場くださり、楽しいひとときでした。前回ここでコンサートをした時に、双葉町や大熊町を訪問。そこから「双葉町のクローバー」という曲が生まれ、東京や各地のコンサートで演奏、CDにも入れてきたのですが、それを、こちらで初めて披露しました。お客さんの中には原発近くの町から避難されてきている方達もおられ、涙を浮かべながら聴いてくださいました。
住職さんと奥様の温かいお人柄に支えられた素敵なコンサートができました。来年から「毎年」という声も上がっています。
2日目は会津地方喜多方市。茨城県つくば市のコカリナの中心的存在として活躍され、1年半前に、この地に移住された田中さんご夫妻がコカリナの仲間を増やしてくださり、実現しました。会場は酒蔵を改造してできたホール。木造で天井も高く素晴らしい響き。一部は地元サークルの皆さん、福島市近辺で活躍する「コカリナくれよん」。さらには長野からはるばる駆けつけてくれた3人組がさわやかなハーモニーを、響かせてくれました。喜多方は「蔵の町」と言われるだけあって、どこの家にも蔵があり、またそれを今でも大切に使い、保存している。なんとも落ち着いた町です。きっとこれからこの町でコカリナが響き続けていくことでしょう。
3日目は福島市のコミュニティーホールで県立点字図書館が主催してコンサートを作ってくださいました。お客さんはほとんどが、点字図書館の利用者ですから視力障害者です。聴力も弱いなど重複障害の方もいるというので、急遽、会場の音響を使ってのコンサートになりました。1時間40分。長時間、聴けるだろうか?という不安もあったのですが、一曲一曲に、温かい拍手を送ってくださり、最後はスタンディングオベーションをする方も出るなど、素晴らしいコンサートになりました。
福島でコンサートを展開し、色んな方達から話を聞くことができました。
やはりまだまだ放射能への不安は払拭できないようです。それどころか、メディアが伝える放射能情報には「そんなことはありえない」と思える事も多く、それがさらに不安を増幅させている。また子ども達はじめ人的な被害が出ているのに、それらが「風評被害」の言葉で押しつぶされている。確かに「風評」はあるけれど「風評でないものも」もある、とのこと。皆さん、それらの狭間で懸命に暮らしています。
そんな中でコカリナが救いになっているようです。
子ども達のためにもうすこし深く福島と付き合ってみようと思います。