2023年11月27日、TASSは「ストルテンベルグ氏:NATO兵器によるキエフの攻撃の失敗は、ロシア連邦を過小評価できないことを示した」[i]を配信した。
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同盟事務総長によると、ロシアの産業は「軍事モードに移行」し、「北朝鮮から大量の弾薬を受け取った」とされる。
ブリュッセル、11月27日。/タス/。NATOの大規模な支援にもかかわらず、ウクライナが前線を動かせなかったことは、ロシアを過小評価すべきではないことを裏付けているが、同盟は依然としてキエフを支援し続けなければならない。NATO事務総長のイェンス・ストルテンベルグは、11月28、29日にブリュッセルで開催される同盟国の外相会議に先立つ記者会見でこの見解を表明した。
「NATO諸国からの多大な援助にもかかわらず、ウクライナ人は今年中に前線を動かすことができていないことが分かる。これはロシアを過小評価できないという事実を裏付けるだけだ」と同氏は述べた。
ストルテンベルグ氏は、ロシアの産業が「軍事モードに移行」し、「北朝鮮から大量の弾薬を受け取った」と主張した。「これにより、ウクライナは我々が期待していた領土での成功を達成することができなかった。しかし安心してください。外相会談とワシントンでの(来年の)NATO首脳会議後のNATO諸国からのシグナルは、必ず成功するだろう」とNATO事務総長は続けた。私たちがウクライナの側に立っていることに変わりはありません。」
同氏は、ウクライナ紛争でロシアが優位に立つことを「許すことは(NATOの)安全保障上の利益ではない」と信じている。
……』
要するに、NATO事務総長は、ウクライナはロシアに勝てないと言っているのだ。西側諸国が莫大な軍事援助をおこない、華々しい戦果を報じていたウクライナが勝てないというのである。なにか、太平洋戦争末期の日本を彷彿とさせる、まるで詐欺のような話なのだ。
ところで、日本政府は、ロシアがウクライナに侵攻したことを利用して、強力な自衛隊に作り替えることと、莫大な防衛利権を手に入れるために「ウクライナは正義であり、ロシアが悪である」という一大キャンペーンを張ってきた。そのため一切のロシア擁護の声を封殺してきた。そのキャンペーンの中心にいたのが、「防衛省防衛研究所」政策研究部長兵頭慎治氏であり、「英国王立統合国防安全保障問題研究所」(Royal United Services Institute for Defence and Security Studies、略称RUSI)であった。防衛研究所の兵頭氏自身も2007年に英国王立統合国防安全保障問題研究所(RUSI)客員研究員をしていたと経歴書に記載していることからもRUSIと表裏一体の関係者なのである。また、彼は、2019年から「内閣官房領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会委員」を務めている。この委員会は、平成25(2013)年4月、国際関係・国際法・歴史研究などに造詣の深い有識者を集めて設置した懇談会である。そして兵頭の所属が内閣官房であったことから秋葉剛男国家安全保障局長を補佐する役割を担っていたと考えられる。その秋葉剛男国家安全保障局長とは、防衛三文書を取り纏めた張本人である。その補佐役が兵頭慎治氏だったのだ。
そんな兵頭氏であるが「日本は自衛隊の指揮権」がないにもかかわらず、頻繁にテレビに出演し、恰も日本に主権があるかの如く「(ロシアによる)一方的な力による現状変更」が日本の安全保障に重大な影響を及ぼしていると虚言を弄していたのだ。その後、ものの見事に、彼の主張が防衛三文書に採用され莫大な防衛予算を獲得し着々と装備拡充をおこなうことに貢献した。
ところが、上述の記事にあるようにNATO事務総長はロシアがウクライナに勝つと言い出しているのだ。
これは一大事である。
ロシアがウクライナに勝利すると、つぎは、中国が台湾侵攻を開始し、併せて日本の領土である南西諸島に侵攻を開始して「一方的な力による現状変更」が起きるはずである。
その時、日本は、アメリカの核の傘と通常兵力及び有志国とともに島嶼防衛作戦を実施する手はずとなっている。いよいよ日本は中国と開戦となる。
日本防衛の要はアメリカの核抑止力と、通常兵力を極東有事で使用することであった。
しかし、である。
アメリカは、中国と「一つの中国」政策が両国関係の基盤であることを再確認したことから、台湾有事に核の傘も、通常兵器も使用しないことを確認してしまった。さらに、日本防衛の最高司令官岸田首相も、中国と「一つ中国」政策を再確認したことから、日本と中国は、双方が抱える外交問題に関して武力行使を行なわないことを確認してしまった。島嶼部で防衛にあたる自衛隊は、中国が侵攻してきても、アメリカと有志国による支援はないのだ。日本は単独で戦うしかないのだ。しかし、最高司令官は「日本は中国との紛争に武力行使はしません」と既に戦わないと約束してしまった。
其れであるにも関わらず自衛隊には「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える。」とまるで自衛隊に玉砕することを望んでいるような訓示をしているのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻は、NATOがロシアの下腹に核を配備することであり、ウクライナがロシアから受けた莫大な「融資を帳消し」するため、ウクライナ内政問題にNATO,オバマ、バイデン等の私的利害関係者が介入したことから起きたものなのだ。それを、ロシアのウクライナ侵攻に対して「ウクライナ可哀そう」と国民を扇動したが、これは自由民主党の国防利権を拡大するため利用しただけのことなのだ。その結果、自衛隊は島嶼防衛を任務にさせられてしまったのだ。本当に可哀そうのなのは、ゼレンスキーと云う間抜けな総司令官を戴くウクライナ国民と、これもまた、無能な最高司令官が岸田首相と云う自衛隊なのだ。
最高司令官岸田首相は、日本の宝である自衛隊をもてあそぶだけではなく、利権の道具に利用するのは即刻やめよ!
・(2023年07月06 日)『ウクライナに一撃講和論を薦めるアメリカ』
・(2023年06月19日)『ゼレンスキーの反転攻勢と東久邇宮稔彦王の「一撃講和論」』
・(2023年06月08日)『2023年へルソン州ダム決壊と1938(昭和13)年黄河決潰事件』
・(2023年02月27日)『日本の安全保障に関する情報戦(プロパガンダ)(第三回 4) -日本政府の隠蔽と虚言-』
・(2023月02日22日)『日本の安全保障に関する情報戦(プロパガンダ)(第三回 3) -日本政府の隠蔽と虚言-』
・(2023月02日13日)『日本の安全保障に関する情報戦(プロパガンダ)(第三回 2-2) -日本政府の隠蔽と虚言-』
・(2023月02日13日)『日本の安全保障に関する情報戦(プロパガンダ)(第三回 2-1) -日本政府の隠蔽と虚言-』
・(2023月02日06日)『日本の安全保障に関する情報戦(プロパガンダ)(第三回) -日本政府の隠蔽、虚言-』
以上(寄稿:近藤雄三)
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