2023年8月28日に「大英博物館が空っぽになる!?」(クリックで遷移)を報告したばかりであるが、さらに、旧宗主国が旧植民地から略奪した文化遺産を返還する動きが加速しているようである。
2023年8月29、時事通信「スリランカに財宝返還 植民地時代に持ち去る―オランダ」という記事が配信された。
『……
【コロンボAFP時事】オランダ政府は、植民地だったスリランカから18世紀に獲得した、金銀などで装飾された大砲を含む財宝6点の返還を決めた。オランダ高官が28日、スリランカ最大都市コロンボの文化省で返還式に出席した。実際の返還は12月の予定で、スリランカの国立博物館はそれまでアムステルダムの博物館が管理することを認めた。
……』
そうである。スリランカは、1658年から1796年まではオランダの植民地であった。その後、1802年に、今度はイギリスに割譲されている。そして、1948年、前年に独立したインド及びパキスタンに続き、イギリス連邦自治領セイロンとなった。
今回の文化遺産返却問題は、本年8月24日に閉会したBRICSヨハナスブルグ首脳会議で採択された最終宣言が大きく後押ししたものと思われる。
ところで先般の首脳会議で、新たに6か国が加盟国となることが確認されている。それはアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦である。
これらBRICS加盟国で気が付くことは、インドをはじめとして中国、アルゼンチン、エジプト、イラン、アラブ首長国連邦は旧宗主国イギリスであるか、イギリスの非公式帝国(自由貿易帝国主義論を核となる概念で、政治的、且つ。経済的な従属下にあるものの公的な支配を伴わない地域を指す。その対象国はアルゼンチン、南アフリカ、清国、日本等)なのである。これらBRICS加盟国が、中国と同様に旧宗主国であるイギリスに文化遺産返却の返却を求めたら、やはり、大英博物館はガランとした歴史的建造物となるであろうことは想像に難くない。
そして、今回の文化遺産返却という動きからイギリスの本音を伺い知ることができる。現在のイギリスは、イギリス連邦の中核国であるアンザック(ANZAC;Australia and New Zealand Army Corps)と本国イギリスを繋ぐ海廊は、旧宗主国に離反した国々が各所にちりばめられていることから、非常に危険である。その対処として、イギリスとしては、日本の安全保障とは何ら関係のないにも拘らず日本国民には日本の国益であると騙してでもインド洋に優秀な自衛隊を配置したくなるのは、ある意味、当然のことなのかもしれない。
安倍総理大臣のころから積極的に押し進め現在は岸田内閣が継続している「自由で開かれたインド太平洋(FOIP、Free and Open Indo-Pacific)」という政策は、傾きかけた「ぼろ船イギリス」が沈没しないよう懸命に忠節を尽くす日本という「間抜け」を絵にかいたような愚政策なのである。
もしもジョルジュ・ビゴー( Georges Ferdinand Bigot)が存命ならば、さぞかし、吹き出したくなるようなポンチ絵を描いたに違いない。その時に登場人物、安○、岸○、馬○、玉○、伊豆○そして芳○という人物は、どのように描かれるのであろうか。もしかしたら、全員がドストエフスキーの小説「白△」を小脇に抱えているのかもしれない。
絵の構図として興味は尽きないが、一日本人としては情けない話である
以上(寄稿 :近藤雄三)
2023年8月29、時事通信「スリランカに財宝返還 植民地時代に持ち去る―オランダ」という記事が配信された。
『……
【コロンボAFP時事】オランダ政府は、植民地だったスリランカから18世紀に獲得した、金銀などで装飾された大砲を含む財宝6点の返還を決めた。オランダ高官が28日、スリランカ最大都市コロンボの文化省で返還式に出席した。実際の返還は12月の予定で、スリランカの国立博物館はそれまでアムステルダムの博物館が管理することを認めた。
……』
そうである。スリランカは、1658年から1796年まではオランダの植民地であった。その後、1802年に、今度はイギリスに割譲されている。そして、1948年、前年に独立したインド及びパキスタンに続き、イギリス連邦自治領セイロンとなった。
今回の文化遺産返却問題は、本年8月24日に閉会したBRICSヨハナスブルグ首脳会議で採択された最終宣言が大きく後押ししたものと思われる。
ところで先般の首脳会議で、新たに6か国が加盟国となることが確認されている。それはアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦である。
これらBRICS加盟国で気が付くことは、インドをはじめとして中国、アルゼンチン、エジプト、イラン、アラブ首長国連邦は旧宗主国イギリスであるか、イギリスの非公式帝国(自由貿易帝国主義論を核となる概念で、政治的、且つ。経済的な従属下にあるものの公的な支配を伴わない地域を指す。その対象国はアルゼンチン、南アフリカ、清国、日本等)なのである。これらBRICS加盟国が、中国と同様に旧宗主国であるイギリスに文化遺産返却の返却を求めたら、やはり、大英博物館はガランとした歴史的建造物となるであろうことは想像に難くない。
そして、今回の文化遺産返却という動きからイギリスの本音を伺い知ることができる。現在のイギリスは、イギリス連邦の中核国であるアンザック(ANZAC;Australia and New Zealand Army Corps)と本国イギリスを繋ぐ海廊は、旧宗主国に離反した国々が各所にちりばめられていることから、非常に危険である。その対処として、イギリスとしては、日本の安全保障とは何ら関係のないにも拘らず日本国民には日本の国益であると騙してでもインド洋に優秀な自衛隊を配置したくなるのは、ある意味、当然のことなのかもしれない。
安倍総理大臣のころから積極的に押し進め現在は岸田内閣が継続している「自由で開かれたインド太平洋(FOIP、Free and Open Indo-Pacific)」という政策は、傾きかけた「ぼろ船イギリス」が沈没しないよう懸命に忠節を尽くす日本という「間抜け」を絵にかいたような愚政策なのである。
もしもジョルジュ・ビゴー( Georges Ferdinand Bigot)が存命ならば、さぞかし、吹き出したくなるようなポンチ絵を描いたに違いない。その時に登場人物、安○、岸○、馬○、玉○、伊豆○そして芳○という人物は、どのように描かれるのであろうか。もしかしたら、全員がドストエフスキーの小説「白△」を小脇に抱えているのかもしれない。
絵の構図として興味は尽きないが、一日本人としては情けない話である
以上(寄稿 :近藤雄三)
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