小日向白朗学会 HP準備室BLOG

小日向白朗氏の功績が、未だ歴史上隠されている”真の事実”を広く知ってもらう為の小日向白朗学会公式HP開設準備室 情報など

「水資源」簒奪に蠢く与野党国会議員(第二回) -自由民主党、統一教会、環境省、インフラ劣化、民主党、連合、建設国債、財務省、日米地位協定、PFAS-

2024-08-30 | 小日向白朗学会 情報
 目次
-、環境省マイク切り事件
二、環境省大臣出身選挙区と統一教会
三、水道民営化を進めた宮城、浜松と統一教会
1.宮城県と統一教会
2.浜松市と統一教会
3.広島県と統一教会
4.長野県小諸市と統一教会
四、インフラ整備に必要な資金と建設国債
五、統一教会による選挙支援を失った自由民主党の国政選挙
六、国富簒奪政治からの脱却

三、水道民営化を進めた宮城、浜松と統一教会そして「日韓海底トンネル」
 環境省の重要政策である水民営化政策は、その政策を積極的に進めた地域として宮城県と浜松市を挙げることができる。ところが、この両地区の県議会は、水問題だけではなく、これまた統一教会と深い関係があることが新聞などを丹念に調べると確認できることである。まず宮城県から見てみる。

1.宮城県と統一教会
2022年9月4日、朝日新聞『自民県議が日韓トンネル団体議長 教団の関与知っても「ずるずると」』とする記事で宮城県議と統一教会との関係を指摘している。
『……
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関連が指摘される「日韓トンネル」構想を推進する宮城県内の団体トップに、県議会自民系会派の佐々木喜蔵県議(73)が就いていることが分かった。就任後に教団との関係が分かり、「あれ?」と驚いたと証言。「連絡係」とみられる男性の存在も明かし、最近まで教団関連のイベントに参加し続けたことを「ずるずるという感じだった」と話した。
 佐々木県議の政務活動実績報告書によると、2017年12月3日、仙台市青葉区の日立システムズホール仙台であった「日韓トンネル推進宮城県民会議設立大会」に参加。4時間半にわたり、「構想実現に向けての意見交換」をしたとある。
 日韓トンネル推進全国会議のサイトでも、「300名」が参加し、「議長:佐々木喜蔵(宮城県議会議員)」、「講師:梶栗正義(国際ハイウェイ財団評議員)」などと紹介されたが、今は閲覧できない。梶栗氏は現在、教団の友好団体である政治組織「国際勝共連合」の会長だ。
 佐々木県議はその半年前、所属する会派「自民党・県民会議」の他の県議らと佐賀県唐津市にある日韓トンネルの試掘現場を視察していた。
……』
 この記事に出て来る「日韓トンネル」であるが「日韓海底トンネル」のことである。そして「日韓海底トンネル」は統一教会の教祖文鮮明の発案で始まった同教会最大の重要課題なのである。そんな「日韓海底トンネル」を実現させるために組織したのが「日韓トンネル推進協議会」である。同協議会の下部組織にとして組織されたのが「日韓トンネル推進□□県民会議」である。そして「日韓トンネル推進協議会」を全国に広げたのが統一教会と密接な関係があった安倍晋三元首相であった。その経緯は、安倍氏が平成29(2017)年に「日韓トンネル推進全国会議」を立ち上げたことを契機に各県ごとに「日韓トンネル推進□□県民会議」を設立していった。安倍晋三元首相が「日韓トンネル」を積極的に進めた目的は、地方選挙にも統一教会を利用して有力県会議員を当選させて、国政選挙や県知事選挙を有利に進めるためであった(資料1.「日韓トンネル推進全国会議」)。そして水民営化を進めようとしていた宮城県に「日韓トンネル推進宮城県民会議」が設立されたのは2017年11月26日で、その初代議長は上記記事にも登場した佐々木喜藏宮城県議会議員なのである。したがって佐々木氏が「統一教会にずるずると引きずられたとか、その本質を知らなかった」などいうのは、完全な虚言であって白々しい話なのだ。この程度の言い逃れで済まされるという感覚がそもそも間違っている。
 その後の「日韓トンネル推進宮城県民会議」については、2023年9月5日、河北新報が『旧統一教会政活費返還訴訟、仙台地裁で初弁論 宮城県側が請求棄却求める』とする記事でその後の様子を伝えている。
『……
 宮城県議会の最大会派「自民党・県民会議」の県議5人が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連イベントの参加費用に政務活動費(政活費)を充てたのは違法だとして、仙台市民オンブズマンが村井嘉浩知事に返還請求を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、仙台地裁であり、知事側は請求の棄却を求めた。
 訴えによると、県議5人は2017年6月~22年2月、旧統一教会の関連行事などに出席する目的で、交通費など計約50万円を政活費から支出した。
 5議員の支出額と主な支出先は表の通り。うち4議員は旧統一教会の友好団体が構想する日本と韓国を海底トンネルでつなぐプロジェクト関連のイベントや視察に参加した。
 1件当たりの支出額で最多は12万8870円。トンネルの起点になる佐賀県を視察した際、旧統一教会と関連が指摘される旅行会社に代金を支払った。
 5議員のうち1人は、県監査委員がオンブズマンの住民監査請求を棄却した直後に全額(計1万2384円)を返還し、修正申告した。訴訟の対象から外れる見通し。
 口頭弁論でオンブズマンは、旧統一教会の献金勧誘行為の違法性を認めた民事訴訟判決などに触れ「旧統一教会の活動が県政や住民の福祉に資するとは考えられない」と主張した。
知事側は「調査研究費の支出は議員や会派の合理的な判断に委ねられ、県は判断を尊重する立場」と述べ違法性を否定。その上で17年度分の支出は消滅時効が成立するとして、請求対象から除外するよう求めた。
……』
 当時の宮城県の自民党議員は、公費で統一教会のイベントに参加していたのである。この記事にあるように村井嘉浩県知事側は、仙台市民オンブズマンがいう「旧統一教会の活動が県政や住民の福祉に資するとは考えられない」という訴求事実を否定しているものの具体的な反証もなく、時効を理由に請求の棄却を求めているのだ。つまりオンブズマンの主張は正しいのだ。やはり県議らは統一教会と抜き差しならない関係だったのだ。
 宮城県自民党議員は「日韓トンネル推進宮城県民会議」に参加することで、自身の選挙で統一教会の組織を利用して選挙を有利に進めることができるようになっていたのである。その結果、事業体の運営を行っていた市町村のなかに水民営化に賛同する市会議員が増えていった。そして、環境大臣である西村明宏氏と伊藤慎太郎氏の支援する水民営化を旗印とする知事が選出されることになった。そして知事となった村井嘉浩氏が水道民営化を県民に提起した。これを深谷晃祐多賀城市長、伊藤康志大崎市長や佐々木喜蔵(石巻・牡鹿地区)、高橋伸二(柴田地区)、庄田圭佑(泉地区)等の統一教会系県会議員や市長が選挙活動をおこなって選挙に勝利して「民意を得た」という形式を整えていった。特筆すべきは、これら市長や地方議員の選挙区は、すべて「みずむすびマネージメントみやぎ」の営業地区そのものなのである。そして、村井嘉浩知事が設立した「みずむすびマネージメントみやぎ」の株主であるが、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社(Veolia Environnement S.A)、メタウォーターサービス株式会社、メタウォーター株式会社(METAWATER USA, INC.)なとの海外メジャーなのである。したがって村井県知事は水道民営化事業とは、外資に水事業を売渡したということに等しい。このように宮城県の水事業民営化は、外資水メジャーと組んだ日本政府が主導し、県知事、県会議員、市長、市議会議員まだ巻き込んだ壮大かつ手の込んだ売却シナリオだったのである。
以上のことに対して村井県知事は、言い訳がましい反論を試みている。2022年3月28日、村井県知事は記者会見で「(宮城の)水を海外メジャーに売り渡したという誤った情報も流布されている」としているが「みずむすびマネージメントみやぎ」の株主構成をみれば一目瞭然で世界有数の海外メジャーに売渡したという以外の何物でもない。村井知事は「売渡した」という言葉がお気に召さないらしいが「外資に買ってもらった」としても同じことである。村井知事がやったことは、各自治体が行っていた水事業を県が束ねて外資に一括して売却したことで、そのために必要な「民意形成」に統一教会を利用したということなのだ。
 尚、統一教会に関係する宮城県会議員のなかに元県議会議長石川光次郎氏がいる。石川氏は、2017年に宮城県議会自民系会派議員団5人とともに政務活動費を使って「日韓トンネル」の試掘現場を視察する予定であったが当日は参加していない。しかし、無論、同氏も統一教会系県会議員であることに間違いはない。その石川氏であるが、自由民主党宮城県支部連合会HPには次回参議院議員選挙候補者として石川光次郎県議が内定していることが書かれている。このままでは、さらに統一教会系国会議員が増えることになる。

 ところで宮城県会議で水民営化を進めた佐々木喜蔵氏、高橋伸二氏、庄田圭佑氏であるが、何故に「日韓トンネル」を視察したのか。それは、水事業の主体が県及び市町村となっていて、水民営化を行うときには国や県のレベルで決定することは難しく市町村の意向が重要となる。そのため、水民営化を行いたい県議や市町村議員の選挙を統一教会組織「日韓トンネル推進□□県民会議」が支援して当選させて事業実施の旗振り役にして、出身地域の市会議員を纏めさせるという手法が取られた。つまり水民営化とは、自由民主党が国政で行っていた統一教会による選挙運動を、県政や市政選挙にまで下げて統一教会系県議や市議を増やすことで、市町村で行っている水事業を含む「公共インフラ」を民営化という名目で簒奪する手法だったのである。そして、その先例となったのが宮城県で、その県知事は自民党による水民営化政策の操り人形であった。
統一教会による選挙運動を県政や市政のレベルまで活用することにしたのは次の経緯による。つまり、平成29(2017)年に「日韓トンネル推進全国会議」が発足したが、これを契機として各県ごとに展開させた「日韓トンネル推進□□県民会議」設立に尽力したのが安倍晋三元総理大臣なのである。安倍氏が統一教会を国政から県議や市議にまでその活用を広げようとしたのは理解できる。ならばもう一方の当事者である統一教会のメリットは何であったのか。教祖・文鮮明をいただく統一教会が、ただ単に自民党の政策に協賛して選挙運動を支援してきたわけではない。統一教会は、国政選挙に出馬する候補者を支援する条件として必ず「誓約書」を提出させてきた。それは支援した候補者が統一教会の意に背いたときに誓約書を公開して「食い逃げを許さない」という固い決意があったからである。
 これらのことを考え合わせると、そのヒントは、組織名称にまで使われている「日韓トンネル」にあると考えられる。すなわち自由民主党総裁安倍晋三氏と統一教会の間には、統一教会の悲願である「日韓トンネル」の事業化に日本政府が関与することを同意するかわりに、政府が水民営化を推進するための選挙運動母体として「日韓トンネル推進□□県民会議」を利用するという密約を交わしたと考えられる。
 県議や市議を「日韓トンネル推進□□県民会議」を通じて組織化を図っていた自由民主党であるが、法整備を着々と進めていた。その様子に付いては「静岡県弁護士会」が詳しい[1]。
『……
2018年12月6日の臨時国会において,水道法の一部改正法案が可決成立した。
改正法は,人口の減少に伴う水の需要の減少,水道施設の老朽化,深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し,水道の基盤の強化を図るため所要の措置を講ずるとして,水道を運営する自治体に適切な資産管理を求めるとともに,事業を効率化するために,水道事業の統廃合などの広域連携を進めること,コンセッション方式と呼ばれる手法の導入によって水道事業を民営化することを求めている。ここいうコンセッション方式とは,国や自治体が公共施設の所有権を持ったまま事業の運営権を長期に渡って民間に譲渡する制度である。わが国では,2011年のPFI法(民間資金による公共施設整備等促進法)の改正で,空港や道路,水道,下水道等の民間委託が可能となったが,水道での導入例はなかった。今回の水道法改正によって,自治体が水道事業を民間委託したとしても,給水の最終責任者たる事業の認可権は自治体に留保されることになった。そのため,地震,水害等の緊急事態が発生した場合にも,自治体は給水について最終責任を負うことになっている
……』
かくして宮城県は、自由民主党と統一教会が連携して行った広域水民営化の準備が整った。その結果「みやぎ方式」が生まれ、宮城県が所有する上下水道と工業用水、その規模は水道給水人口約189万と下水道処理対象人口約73万人の運営権を一括して20年間売却することになった。宮城県は今回のコンセッションでは「コストを約337億円削減ができる」という提案に乗ったのである。

2.浜松市と統一教会
水民営化で最も先駆的な動きをした市がある。それが浜松市であった。同市は、平成30(2018)年4 月から、全国自治体では初めてコンセッション方式で下水道事業が民営化された。民営化前の浜松市の水道事業に付いては次のようであった[2]。
『……
浜松市の水道事業は、健全かつ黒字です。2018年度当初予算でも、当年度純利益が約3億2500万円と見込まれています。にもかかわらず、施設の老朽化、将来的な使用水量の減少による減収、水道事業に関わる職員の減少と高齢化を理由に、このままだと水道料金を大幅に値上げしなければならないと危機感を煽って民営化方針を打ち出してきました。しかしこれは理由になりません。水道職員については、市が意識的に減らしているだけですし、市の「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?研究結果(改訂版)」によれば、浜松市の水道は2040年度でも水道料金が2458円(2015年度2116円、20㎥使用時の料金)と16%の上昇が見込まれているだけです。民営化のための民営化策としか思えません。
……』
 とある。政府が民営化政策を決めたことで、浜松市は無理矢理に水民営化に突き進んだということになる。しかし、そこには浜松市も宮城県と同様に水民営化の背後には統一教会が存在していた。その様子は、2022年7月28日、朝日新聞『「ベテラン国会議員に誘われて」 浜松市長、旧統一教会系会合に参加』に詳しい。
『……
 浜松市の鈴木康友市長は27日の定例会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について質問を受け、友好団体「世界平和連合」の会議に「市長就任前に1回出た記憶がある」と明かした。
 鈴木氏は、2000年から05年まで衆院議員を務め、07年に市長に就いた。「ベテランの国会議員に誘われて参加した」と説明したが、「(具体的な時期や誰に誘われたかなど)細かなことは記憶に残っていない」と述べた。一方、政治資金の提供や選挙の応援は否定した。
 安倍晋三元首相の銃撃事件後、政治と旧統一教会の関係が問題視されていることについては、「政治家と宗教団体の関係が切っても切れないことは往々にしてある。どう付き合うか、宗教団体の活動や社会的評価を政治家がしっかり判断していく必要があると、改めて思った」と話した。
……』
 浜松市の鈴木康友市長は、元民主党代議士であったが衆院時代から菅官房長官と親しかった。3選目の2015年4月の浜松市長選では、自民が対抗馬の候補を立てず、それどころか官房長官自ら応援演説に駆け付けたほど。下水道コンセッション計画が二人の間で水面下の話として進んでいてもおかしくない。
浜松市も、これまた見事に水民営化と地方政治に統一教会が関与していたのだ。

3.広島県と統一教会
 広島県は岸田総理のおひざ元である。その広島県では、ご多分に漏れず、広域水事業民営化が進んでいて令和4年11月に広島県と14市町の水道事業が「広島県水道広域連合企業団」に移管された。その広島県水道広域連合企業団とは、竹原市、三原市、府中市、三次市、庄原市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、熊野町、北広島町、大崎上島町、世羅町、神石高原町の14市町と広島県が、水道事業などを共同で経営することを目的に設立した特別地方公共団体である。また、広島県には、公営企業「広島県企業局」と水・環境の総合事業会社「水ing」が共同出資したこことにより生まれた「水みらい広島」もある。ここに出て来る「水ing」は和製水メジャーである。
ところで広島県と統一教会の関係であるが、2022年8月31日、中国新聞に『旧統一教会と接点、広島県内首長7人・県議9人・広島市議10人認める』とする記事が詳しい(参照:「資料3.広島県内の主張、県議、広島市議と統一教会」、「資料4:買収事件で浮上した政治家」)。
『……
広島県内の首長と県議、広島市議を対象に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を尋ねた中国新聞の取材では、県内の政治家と教団とのさまざまな接点が浮き彫りになった。関係していた議員の多くは、関連団体のイベントや勉強会に参加していた。
首長 知事はパンフレットにメッセージ
 知事と県内23市町長の24人は、うち7人が旧統一教会や関連団体と公務上や個人での接点を認めた。
 湯崎英彦知事と廿日市市の松本太郎市長は、教団と関連があるとされる「県平和大使協議会」が関わる音楽祭のパンフレットに顔写真付きのメッセージを寄せていた。音楽祭は4月と昨年4月に同市で開かれた。
 松本市長と広島市の松井一実市長、福山市の枝広直幹市長はそれぞれ市に関連団体から寄付を受け、関係者と面会していた。東広島市の高垣広徳市長は教団と関係が深いとされる新聞のインタビューに応じ、記事が掲載された。
 呉市の新原芳明市長は昨年11月の市長選で有権者に投票を呼びかける手伝いを教団関係者から受けていた。このほか、世羅町の奥田正和町長は数年前に日韓トンネルを推進する団体の講演会に参加したという。
 安芸高田市の石丸伸二市長は回答しなかった。
広島県議 9人は自民党籍
 広島県議会(定数64、欠員6)は、自民党籍の9人が旧統一教会との関わりを認めた。うち8人が最大会派の自民議連(30人)に所属。1人は自民党大志会(1人)だった。
 緒方直之氏(広島市東区)は、教団との関係が深いとされる「県平和大使協議会」の共同議長を務めていた。同じく関連団体の「世界平和連合」や、教団創設者の文鮮明(ムンソンミョン)氏が提唱した九州と韓国を結ぶトンネル建設を目指す「日韓トンネル推進県民会議」の勉強会にも出席。政務活動費から2019~21年度の勉強会計5回の会費各千~5千円を支出していた。
 これらの活動について、緒方氏は「保守の政策を学ぶ勉強会。旧統一教会の関連団体との認識はなかった。今後の付き合いは慎重に考える」と述べた。
 このほか、関連団体のイベントや集会に参加したと回答したのは、竹原哲氏(安佐南区)▽灰岡香奈氏(同)▽坪川竜大氏(呉市)▽出原昌直氏(福山市)▽山口康治氏(府中市・神石郡)▽山下智之氏(廿日市市)。灰岡氏は4月にあった関連団体の「世界平和女性連合」の創立30周年の記念行事に来賓として出席していた。
 伊藤真由美氏(安芸郡)は17~21年度に関連団体の雑誌を定期購読し、政務活動費で年3万6千円を払っていた。「教団との関連は知らなかった。当初は無料で送られてきて、申し訳ないので購読料を払うようになった」とした。林大蔵氏(中区)は近所の人の誘いで教団関連の事務所を複数回訪ねたことを認めた。
 県議58人のうち自民党議員会(1人)の桧山俊宏氏(安芸区)は取材に応じなかった。
広島市議 イベント参加目立つ
 広島市議会(定数54、欠員3)は、自民党籍の8人と同党を離党した無所属2人の計10人が旧統一教会の関連団体との接点を認めた。イベントへの参加が目立ち、献金や選挙応援を受けたという回答はなかった。
 中国新聞の取材に「イベントに出席したことがある」としたのは6人。山路英男氏(東区)は「5年ほど前、憲法改正の勉強会に政治スタンスが同じだから行った」。水野考氏(安佐南区)は「今年あった世界平和女性連合のイベントに参加した。会費はなく、教団の関連団体とは知らなかった」としている。
 5月に関連団体とされる平和大使協議会の会合で「平和大使」に任命されたという平岡優一氏(中区)は「大使として何も活動はしていない。関連団体との認識はなかったが、広告塔になるようなら改める」と話した。
 山田春男氏(西区)は、議長就任中の2019~21年に教団の関連イベント「ピースロード」の関係者と面会。「2年ほど前に市内であったイベントに出席したこともある。今後は関連団体のイベントへの参加は控えたい」と答えた。
 選挙区内の教団関係者から市政報告を求められたという市議は3人いた。永田雅紀氏(中区)は「30年近い付き合いがある知人からの依頼で断れない」とした。
 また17~21年度の政務活動費の領収書によると、4人が関連団体の新聞や雑誌を定期購読していた。藤田博之氏(佐伯区)は「知人が送ってきたので購読していた。関連団体とは知らなかった」と説明している。児玉光禎氏(同)は入院中で取材できなかった。
……』
 これまた、水事業民営化の事業エリアと県議も若しくは市議の選挙地域がオーバーラップするのだ。下水道のコンセッション分野では、浜松市が17年に全国で初めて「浜松ウォーターシンフォニー」を締結した例しかない。この構成企業はヴェオリア、JEFエンジニアリング、オリックス、東急建設、須山建設である。このコンセッションで提案されたコスト削減額は、20年間で86億円といわれているが、たった、これだけである。もしもインフレが進んだら、消し飛んでしまうような額なのである。
 広島県と統一教会の関係を説明するうえで、特筆しておくべきことは自民党の石橋林太郎衆院議員(比例中国)である。石橋氏は、広島県議時代の2018年から20年度にかけて、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の会合参加費や機関紙購読料として政務活動費から計4万9690円を支出していたことが明らかになっている[3]。更に注目すべき点は、やはり石橋氏と「日韓海底トンネル」の関係である。これに付いては、文春オンライン「岸田首相“秘蔵っ子”石橋林太郎衆院議員を統一教会系団体が支援「信者1200人を自民党員に」証言」[4]にその詳細がある。
『……
石橋氏の父・良三氏(故人)も元広島県議。良三氏は、統一教会の関連団体「日韓トンネル推進広島県民会議」の議長や、全国組織の「日韓トンネル推進全国会議」の幹事長を務めるなど、教団との関係が近い政治家だった。そうした統一教会との関わりは、息子の石橋氏が衆院議員になってからも続いている。
統一教会信者1200人を自民党員として獲得
 事務所関係者が明かす。
「石橋氏は昨年、2000人を超える自民党員を獲得しました。これは党国会議員でも上位の成績でしたが、このうち約1200人が、『平和大使協議会』中国エリア事務局長のK氏が集めた統一教会の信者と聞いています」
平和大使協議会とは、安倍晋三元首相がメッセージ動画を送った「UPF(天宙平和連合)」の付設機関。UPFと同協議会の会長を兼任する梶栗正義氏はNHKの取材に、信者の献金がUPFに流れていることを認めている。広島県をはじめとした中国エリアで、教団関連の活動を取り仕切るのが、K氏だ。
 K氏に電話で話を聞いた。
――統一教会が石橋氏の党員獲得に協力した?
「まぁ、それが一番力になれるのかなってことで」
――1200人ほど?
「ですね。相当頑張りましたもんね。私だけではなく、(関係団体が)一致して。簡単ではないですよね、お金(一般党員が支払う党費4000円)がかかることなので。(広島)独自、独自でね」
1200人の信者が4000円の党費を支払っているとすれば、自民党の収入は480万円になる。
……』
 この記事からも明らかなとおり石橋林太郎衆院議員とは統一教会に確認書を提出し選挙協力を受けて当選した議員なのである。さらには「日韓トンネル推進広島県民会議」を通じて県議や市議に影響力を行使して選挙に勝って「民意」を作り上げるための組織票を作り上げたのだ。その規模は、1200人が会費4000円を支払い3人から4人に選挙の時には石橋氏に投票するよう活動したことから5000から6000票を上乗せされたのである。
統一教会による選挙支援のより当選した議員が、「民意」を捏造するために利用したのが県会議員であり市会議員であった。彼らの活動実態を如実に示したのは2019年7月に行われた参院選で前法相河井克行と妻の案里被告が公職選挙法違反罪で起訴された市会議員の動向が詳しい[5]。
『……
昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第18回公判が9日、東京地裁であった。検察側は、克行被告から10万円を受け取ったとされる青原敏治元安芸高田市議(70)の供述調書を朗読。青原元市議が「(10万円をもらえて)ラッキーだと思った。大好きなパチンコに使った」と供述していたことを明らかにした。
 青原元市議は今年6月26日に記者会見し、現金の授受があったことを公表。昨年6月8日に克行被告が自宅を訪れ、妻の案里被告(47)=参院広島=のチラシが入った封筒を差し出し、票の取りまとめを依頼してきたとした上で、自身は封筒に現金10万円が入っているのに気付かず、中身を確認しないまま参院選後に封筒を燃やしたと説明していた。7月17日、市民に迷惑を掛け、混乱を招いたとして市議を辞職した。
……』
さらには、
『……
昨年7月の参院選をめぐり、前法相で衆院議員の河井克行被告(57)と妻で参院議員の案里被告(46)が公職選挙法違反(買収)罪で起訴された事件で、克行議員から現金を渡されたと明らかにした広島県安芸高田市議会の議員3人が17日、辞職した。事件をめぐっては、現金受領を認めた安芸高田市長ら3市町の首長が辞職している。
 辞職したのは前議長の先川(さきかわ)和幸議員(73)、前副議長の水戸真悟議員(71)、青原敏治議員(69)。先川議員は水戸議員とともに17日に会見し、「(現金受領を)毅然(きぜん)とした立場で断れず、議会の信頼を損ね、おわびする」と陳謝した。
 安芸高田市は克行議員の選出区である衆院広島3区内の自治体のひとつ。
 先川議員によると、昨年3月に議長室で克行議員が20万円入りの封筒を渡してきたが返金のため保管していたとした上で、検察に任意提出したと説明。青原議員は、克行議員が案里議員のチラシなどが入った封筒を置いて帰ったが封筒ごと焼却したため、現金が入っていたかどうかは不明と述べていた。先川議員ら3人は3日に会見して経緯を説明。先川、水戸両議員は議長職と副議長職を辞していた。
……』
水事業は市町村が運営することになっていて、その行方を決める市会議員は、国会議員から県議に渡された現金を受け取ることで買収されていて、鼻から水問題を論議する心算などなかった。そのため受け取った金でパチンコができるのだ。

4.長野県小諸市と統一教会
長野県小諸市は、2019年10月1日から、同市と「水ing」による共同出資で株式会社水みらい小諸を設立し市の水事業を民営化している。水民民営化を果たしたのは平成28(2016)年1月17日に行われた市長選で当選した小泉俊博氏であった。その小泉俊博市長であるが、2022年08月24日、信濃毎日新聞に『佐久市長と小諸市長 「反省」 旧統一教会関連団体との接点を説明』とする記事に統一教会との関係が明らかになっている。
『……
 佐久市の柳田清二市長と小諸市の小泉俊博市長は23日、それぞれ定例記者会見で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体と接点を持ったことについて説明した。両氏とも「反省」を口にし、今後は接点を持たないとした。
 柳田市長は教団の友好団体による自転車イベント「ピースロード」の開催に当たりメッセージを寄せ、教団と関わりがある世界日報から市のまちづくりに関するインタビューを受けたことがある―と説明。教団の霊感商法被害などを近年は知らなかったとしつつ、教団などに対し「佐久市長のお墨付きがあると誤解を招く行為。軽率だった」とし「反省、後悔している。今後は対応しない」と述べた。
 小泉市長も世界日報の取材を受け、ピースロードでメッセージを送ったことがあると説明。「関連団体と認識していたが霊感商法が社会問題化した後、事件報道に接していなかったので、かつてのような問題ある団体という認識がなかった」とし、「遺憾であり深く反省しないといけない。今後このようなことがないよう、関わりを一切断つ」と述べた。
 両氏とも、自身の選挙での関わりは改めて否定した。
……』
 小諸市小泉俊博市長もやはり統一教会の選挙支援を受けていたのだ。ところで小諸市は国政選挙区が長野三区である。この選挙区であるが、2021年に行われた衆議院選挙で自由民主党井出庸生氏が選出されている。実は、井出氏もまた統一教会系国会議員なのである[6]。同氏は、統一教会との関係は認めたものの、誓約書を提出していないと否定している。しかし、統一教会は、誓約書を提出しない候補者を選挙支援することはあり得ない。往生際の悪い議員である。
 長野県選出国会議員は、宮下一郎議員(長野5区)、若林健太議員(長野1区)が安倍派、務台俊介議員(北陸信越ブロック)、井出庸生議員(長野3区)が麻生派と、全てが統一教会系国会議員なのである。さらに県会議員では、本郷一彦、丸茂岳人、共田武史、竹花美幸、丸山大輔の各氏が長野県平和大使協議会など統一協会関連団体の行事に出席したことが判明している[7]。この県も、水民営化に関して国会議員は云うに及ばず県会議員や市長は統一教会の選挙支援を受けていたのである。また環境副大臣をつとめたことのなる務台俊介議員の傘下にある県会議員は統一教会の支援で当選した議員なのである。その代表例が百瀬智之氏である。百瀬氏は松本市・東筑摩郡区選出で日本維新の会所属の衆議院議員であったが2013年に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の会合に複数回出席し、国政報告をしていたことが判明している[8]。

5.水道民営化の鍵を握る地方議会とその腐敗
 水道法では、経営は「水道事業は、原則として市町村が経営するもの」とある。したがって水民営化を図る政府は、県や市町村の判断を重視しなければならない。そのため市町村の民意を形成するために自由民主党が選んだ方法は、国政選挙と同じように統一教会に頼ることであった。そして、国政レベルは「統一教会」本部でおこない、県政や市長選挙では各県に設立した「日韓トンネル指針協議会」が本部と同様の選挙支援を実施することにした。(参照:資料1.「日韓トンネル推進全国会議」)。第一回でも紹介した「原田義昭元環境相」は、統一教会が支援する選挙は「金のかからない」ものであったと回顧している。ならば、県知事や県議が「日韓トンネル推進全国会議」に賛同すると、国政選挙並みの「金のかからない」選挙支援を受けることができるということになる。
 そして当選した知事や県議の下で、水事業で重要な決定権を握る市会議員らを篭絡してゆくことになる。その参考になるのは「河井夫妻選挙違反事件」であったる。事件概要についてウイキペディアによれば、令和1(2019)年7月21日に行われた第25回参議院議員通常選挙の広島県選挙区において立候補していた自由民主党の河井案里を当選させるために、その夫であり自由民主党の衆議院議員でもある河井克行が、案里と共謀して大規模な買収行為を行った。この結果、案里は当選し、また克行も同年9月11日、安倍晋三内閣において法務大臣に就任した。しかし、同年10月30日以降にこの選挙違反疑惑が報じられ、10月31日に克行は法務大臣を辞任した。このとき2020年6月23日発売の「週刊朝日」2020年7月3日号では「買収事件で浮上した政治家」を挙げている。この中で注目すべきは、安芸高田市で、当時の安芸高田市長であった浜田一義前市長が家宅捜査まで受けていることだ。自由民主党による都合の良い「民意」を獲得する方法は、最も選挙人に近い市議会を論議ではなく買収で成り立っているのである。その資金は、内閣機密費が流用されているとされている。
また、2017年5月14日、島根県松江市「くにびきメッセ」で開催された「日韓トンネル推進島根大会2017」では、県議、市議、日韓親善協会役員などあわせて約140人が参加したとされている。日韓トンネル推進島根県民会議副議長を務める比良幸男松江市議の開会宣言に続き、同県民会議議長の細田重雄県議が主催者あいさつを行っていた。また、来賓には安来地区日韓親善協会会長の島田二郎・元安来市長があいさつをしている。島根では上は県会議長から下は市議までが統一教会に選挙支援を期待して「日韓トンネル推進島根大会」に参加していたのだ。
同様に山形県では、2017年10月8日、「日韓トンネル推進山形県民会議設立大会」(主催:同県民会議準備会、後援:山形県平和大使協議会)が開催され、大学教授、県議会議員、市議会議員など約400人が参加していた。この県でも島根県と同様の選挙運動が展開されていたものと考えるのが常識である[9]。
『……
山形市の佐藤孝弘市長が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体のイベントや信者らの集会に複数回参加していたことが分かった。佐藤市長が9日、朝日新聞の取材に明かした。佐藤市長は旧統一教会との関係を認識した上で参加していたとし、「当時の認識が甘かった」と反省を口にした。
 佐藤市長によると、2020年と21年に市内であった自転車イベント「ピースロード」の壮行会に参加。ピースロードは旧統一教会の友好団体「UPF(天宙平和連合)」のプロジェクトだ。旧統一教会の信者から「参加する若者に励ましの言葉をかけてくれと頼まれた」という。
 佐藤市長は「私が『広告塔』として利用された事実は確認していないが、その恐れはあった。当時の認識が甘かったと今は反省している」と話した。
 参加を依頼してきた信者とは、市長選で初当選する前の15年ごろに、元県議(故人)の支援者を通じて知り合ったという。「市政の考え方を聞きたい」と頼まれ、信者が複数参加している市内の集会に足を運ぶようになり、地域活性化や河川改修などについて講演したこともあったという。「私の考えに賛同し、投票して頂いた方もいると思う」と語った。
 集会への参加については、「(旧統一教会の)過去の霊感商法などの問題は把握していたが、県内では聞いたことがなく、市民でもある信者に私の考えを伝えるだけなら問題ないと、当時は判断した」と釈明。今後は、自身の影響力も考慮したうえで慎重に判断したいとしている。
 一方、選挙や資金面での支援については、「信者が個人的に投票してくれた可能性はあるが、組織的な支援は一切ない」とした。
……』
(第二回おわり・・・資料は編集上の都合で次のブログ上にアップするので参照されたい)(寄稿:近藤雄三)


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