2023年9月21日、朝日新聞デジタルは「エマニュエル駐日大使、中国挑発しすぎ? 本国が自粛要請 米報道」を配信した。
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米国のエマニュエル駐日大使が、SNSで中国の習近平(シーチンピン)国家主席らを挑発するような投稿を繰り返していることについて、バイデン大統領の側近らが「米中関係改善に向けた動きを損なう」と、中止を求めたことが明らかになった。米NBCが20日、3人の当局者の話として報じた。
エマニュエル氏は「X(旧ツイッター)」に積極的に投稿している。今月7日には、中国の外相や国防相がこの数カ月間に相次いで消息不明になったことについて、「習政権の閣僚陣は、今やアガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』の登場人物のよう」と皮肉を込めて投稿。また、14日には、国防相の不在について、シェークスピアのハムレットの一節を引用して「何かが怪しい」と訴えた。
バイデン政権は11月に米中首脳会談を米国で実施することを目指し、米中間の緊張緩和を図っている。16、17両日には、サリバン大統領補佐官が地中海の島国マルタで、中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相らと12時間にわたって会談し、歩み寄りを探ったばかりだ。
エマニュエル氏報道官「報道は真実ではない」と反論
NBCによると、中国政府はエマニュエル氏の投稿に激怒しており、米国家安全保障会議(NSC)の複数の当局者は、投稿が関係修復の努力を損なうとみて、中止を求めたという。バイデン政権の当局者の一人は「東アジア地域での米国の取り組みに反している」とエマニュエル氏を批判した。一方、同氏の報道官はNBCの報道を「まったく真実ではない」と否定している。(ワシントン=望月洋嗣)
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この問題の本質につては「自由民主党外交政策が大失策となった原因」で既に述べたとおりである。つまり、これまでアメリカはキッシンジャーが纏めた「一つの中国」政策を堅持してきた。ところが、ペロシ元下院議長がウクライナ戦争のドサクサに紛れて台湾有事を言い出して「一つの中国」政策を見直した。これに併せて自由民主党は「防衛三文書」で台湾有事と尖閣問題を結び付け反中国とすることで、莫大な予算の獲得に成功した。
ところが、当のアメリカは、中国の強い不満に対してブリンケン国務長官が訪中して、中国敵視政策を是正することを約束した。その保障として「一つの中国政策」を立案したキッシンジャーも訪中して政策転換したことを確約した。これでアメリカの中国政策は「一つの中国」政策に回帰することとなった。つまり、アメリカは、台湾有事に中国とは戦争をしないと確約したことになる。
ここで問題は、日本政府である。
日本政府は、昨年末から反中国を旗印に進めた防衛政策の大前提が崩れてしまった。この事実を、自由民主党は、国民に公表することはできないまま今日に至っている。このままでは自由民主党政権が崩壊する可能性が急浮上してきた、ということを熟知しているのが、日本政府の監督官アメリカ大使であった。アメリカ大使は、この自由民主党の窮地を救うため、アメリカ政府は依然として反中国政策を継続しているというプロパガンダを実施した。それが「X(旧ツイッター)」に投稿することであった。ところが、この駐日大使の投稿を監視していた米国家安全保障会議(NSC)は、このような反中国の言動をやめるように言明したのだ。
このNSCの行動からも解かる通り、現在のアメリカ政府は「一つの中国」政策が大前提で外交が進められているということでもある。
どうする自由民主党!
もはや、これまで通りに国民を騙し続けることは不可能になってきている!
以上(寄稿:近藤雄三)
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