2023年11月17日に開催された日中首脳会談で日本政府は「一つの中国」を再確認したことで東アジアの安全保障が激変することになった。中でも、これまで朝鮮戦争が継続していることで表に出ることのなかった日韓の領土問題については、天然ガス問題が第二の「グレートゲーム」と云われる中で、避けては通れないこととして急浮上することになった。
それは、韓国が不当占拠するハイドロメタンが噂される竹島と、「日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定」(南部協定)の二つである。この両問題とも、岸信介と矢次一夫を中心とした「日韓協力委員会」と自由民主党が日本の主権を曖昧にしたことから生じた問題なのである。特に、南部協定については協定期限の問題があり喫緊の課題である。
2023年11月16日、朝日新聞デジタル『「水素供給網を共同構築」岸田首相、尹大統領との講演でアピールへ』を配信した。
『……
岸田文雄首相が17日、カリフォルニア州のスタンフォード大で韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領とともに行う講演の概要が判明した。関係改善が進む日韓が先端技術分野で協力することをアピール。次世代エネルギーとされる水素・アンモニアのサプライチェーン(供給網)を日韓が共同で構築する方針を打ち出す。
両氏はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のため訪米中で、未来志向の日韓関係をテーマに、先端技術をめぐる日韓の取り組みについて講演する。両氏がそろって講演することで、日韓関係の改善を印象づける狙いもある。
首相は、社会の脱炭素に向け、10年間で官民合わせて150兆円超を投資する日本の計画を説明。核融合や小型炉など次世代の原子力技術の開発に取り組む考えも示す。日韓連携の目玉の一つとして「水素・アンモニア・グローバルバリューチェーン」の構築を提唱する。電力・輸送・産業などの幅広い分野で、燃やしても二酸化炭素が出ない水素やアンモニアの活用を進めると訴える。
……』
岸田首相は日中間で「一つの中国」を再確認したことで、つぎの問題は朝鮮戦争の扱いと日韓関係に力点が動くことを認識していることから、日韓両国に横たわる領土問題に先手を打ったのだ。特に1978 年に成立した南部協定「日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油および可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法」で設定した共同開発区域は、完全に日韓中間線以南の“日本側”大陸棚に設定されている。また、同協定の期限は、締結後50年後の、2028年であるが期限を迎える3年前の2025年に書面予告を行なえば、2028年の期限日をもって、 または、その後いつでも終了させることができる。
したがって海底資源を採掘した場合の資源揚陸場所は日本領となる。岸田の云うサプライチェーン(供給網)とは日本領土を前提にしないと成り立たない話なのだ。それにも拘らず岸田が日韓両国で共同開発するとのべたのは、2025年に協定破棄を通告した場合の韓国の反発を避けるためであり、引いては、自由民主党が結党以来70年に渡り安全保障の基盤であり韓国利権の根本である朝鮮戦争を継続するため韓国を繋ぎとめておくことなのである。つまり、韓国政府が朝鮮戦争を終戦にさせてしまうと、自由民主党はその存在意義を失うとともに、統一教会を含む韓国利権は消滅することになるのだ。
自由民主党に東シナ海の領土問題の解決を委ねることは、再び、韓国に日本の領土を提供することと同義であり、許してはならない問題なのだ。
尚、南部協定に付いては下記のスレッドに纏めておいた。
・(2022年11月04日)『統一教会に誓約書を提出した麻生太郎と「日韓協力委員会」』
・(2022年11月07日)『統一教会に誓約書を提出した麻生太郎と「日韓協力委員会」(2)』
以上(寄稿近藤雄三)
以上(寄稿近藤雄三)
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