
子供の頃から父親の影響で、いつも百人一首で遊んでいました。
最近「阿刀田高」氏の「恋する小倉百人一首」のエッセイを購入したのです。
一首ずつを阿刀田氏流に解説されていてとても面白いです。
百人一首は、恋の歌が半分を超え、残りの半分を秋の歌とその他に分けられます。
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな (紫式部)
・・・もう一生会うこと、ないのか・・・と
覚悟していたのに、たまたま”めぐり逢って”しまったのだ。
おどろき、なつかしさ、身じろぎもせずに見つめるうちに、相手は月影の闇に消えてしまった。
いい歌だな・・・阿刀田氏はいう。
美しい言葉の表現にふれて、豊かな心がはぐくまれれば先人も喜ばれることでしょう。
父親が好んだ歌は
由良の門を 渡る舟人 かぢををたえ
ゆくへも知らぬ 恋の道かな (曽根の好忠)
私は「蝉 丸」が大好きで
これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂の関
秋の夜長を楽しむには、古人の詠んだ歌を紐解くのも面白そうですね。