インドラネット

パソコンが壊れる度に全てが消えるデジタルデータ。このブログをクラウド代わりに活用させてもらいます。

三峡ダムの異変

2019-07-21 22:01:00 | 日記

今日のニュースで一番気になったものが、これ

世界最大の中国・三峡ダムに決壊の噂 当局打消しに必死

どうやら世界最大のダムとして有名な「三峡ダム」に異変が起きているようです。

いったいどういうことになるのか。

ふと、長江から大変な数の死躰が東シナ海に流される、

そんなイメージがチラッと頭をよぎり、

あわててイメージを打ち消しました。

 

ところが、

偶然ではありますが、先ほど目を通した

本日の「宮崎正弘の国際ニュース」というメルマガにも

下記の書き込みがされていて、

些か気になりましたので紹介します。

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(読者の声2) 中国南部の洪水がすごいことになっています。 https://www.epochtimes.jp/p/2019/07/45034.html 習近平主席にとっては弱り目に祟り目、共産党王朝も寿命ですかね。   (PB生、千葉)


 (宮崎正弘のコメント)

複数のメディアが懸念を伝えていますが、世界一の三峡ダム、

すでに重みに堪えかねて変形しており、また亀裂が数千箇所。

決壊は時間の問題ではないかと懸念されています。

三峡ダムの決壊はすでに十年も前から指摘されていますが、下流域の被害は甚大、

花園堤防を蒋介石が爆破して逃げたときに60万から百万人が溺死し、

進軍をやめて日本軍が救援にあたりました。

国民党は、爆破を日本軍がやったと宣伝していました。

ゾッとするような悲劇がおこる可能性が高まっています。

拙著でも紹介したことがありますが、中国人学者がシミュレーションをした

『上海沈没』という本を思い出しました。

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長江周辺では、すでに大雨による洪水が起きているということです。

恐ろしいことが起こるかもしれません。

ダムが決壊すれば、一気に長江流域の町を襲い

河口域に広がる上海にまで甚大な被害を及ぼししかねません。

 

近年のシナ内陸部において頻発する地震も

この三峡ダムを建設したことによるのではないか

と盛んに指摘されています。

それを裏付けるような記事が

ウィキペディアにあります。

どうも地盤に問題がある地域のようです。

 

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「地質が脆い場所に作られたダムに貯水を行うと、ダム湖斜面や周辺の地盤への水の浸透と強大な水圧により、地滑りやがけ崩れが発生することがある。

三峡ダムでは2008年末時点で132カ所で合計約2億立方メートルのがけ崩れが発生していたために、当局は水位を満水の175mにすることなく172.5メートルで打ち切り、約2,000人を緊急避難させている。

その後、三峡ダム区地質災害防止作業指導事務室チームが調査を行った結果、5,386カ所で地滑りやがけ崩れなどの問題が発生するおそれがあることが判明した。

重慶市内の雲陽県涼水井地区では、2009年3月以降、川岸の430メートル、400万立方メートルにわたる土砂が崩落し、長江の主要航路に土砂が流れこむ恐れがあるとして厳重監視対象地域になっている。

同地区に近い村では、地盤の変動で民家が徐々に引き裂かれながら移動するなどの被害も出ている」

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とあります。

かなり脆弱な地盤の上に作られたダムのようです。

これは、習近平政権が総力を挙げて対策に当たらないと

共産党政権による共産党のための「中華人民共和国」は、

ダム崩壊とともに崩壊するかもしれませんね。

 

それにしても、上にPBさんの

「弱り目に祟り目」という表現がありましたが

確実に「斜陽期」に入った中華人民共和国にとって

これはまさに致命傷になりかねない大問題(しかも喫緊の)です。

下流域には、いくつもの大都市が控えています。

中でも上海は2000万都市。

シナ経済の心臓部ともいえる地区でもあります。

 

最終的に三峡ダムは、

貯水規模を半分以下に縮小して生き残りを図るか、

あるいは解体するしかないのでしょう。

ようやく掴んだ「国家の繁栄」と「国民の命」を守るために。

 

 

そもそも「自然」を相手に人間が好き勝手なことをするから

こんなことになるんです。

「人間」と「自然」とは共生するのが理想です。

「大規模開発」するのではなく、利用させてもらう。

山林のように、自然に任せてほったらかすよりも

人間が適当に木を切り、牧を採り、生活道路を作ったほうが

多種多様の生き物たちが暮らしやすくなるといいます。

田ん圃だってそうです。

共に暮らす。お互いにお互いを活用しあう関係。

そういう態度を大事にすれば、

お互いに最大の恵みを受けることになるんです。

そしてそれこそが、災害にも強い環境を創り出すのです。

 

 

今日のマスコミは参議院選挙のことばかり放送しているんでしょうが

それどころではない事件が世界では進行中です。

災害大国日本としても、

シナ共産党との国防、外交、経済の問題は抜きにして

長江水害問題、三峡ダム緊急補強問題には

積極的にかかわるべきだと思います。


歴史の研究スタイル

2019-07-13 13:32:22 | 日記

今日も長くなっちゃった。

ほんと毎回、まるで関連性のない話題ばかり。

いつも

「ハッ!」としては行動し、

しばらくすると、

ぜんぜん違うことに熱中しいている。

何の計画性もない人生ではありますが

積極的で、楽しく、生きればそれでよし。

自分で選んだ生き方だもの。

 

普段ちゃらんぽらんなのに、文字にすると大真面目になる。

この豹変振りも自分で楽しんでます。

もし、ちょっとだけなら読んでみようかな、

と思う人は

ちょっとだけ読んでみてね。

 

 

《文献史学的研究スタイル以外を軽蔑する傾向に対する批判》

 

徳之島の記録を例にとると、よく税の収奪という点が注目される。

極端な表現によると8公2民であったと。

確かに文献史料のみを見ていくとそのようなことになる。

ところが、

そこには藩の目こぼし分や、地元役人の目こぼし分が反映されていない。

なぜかその面への視点がすっぽり抜け落ちて

誰も気が付かない。

どうも光の当て方に問題があるような気がする。

 

徳之島の場合(サトウキビ政策が進んだ1800年代に限るが)、

島役人による藩への献上額は異常とも言えるものがあった。

これらは、いったいどこから得た収入であったのだろうか。

一方、一般農民は黒砂糖を舐めただけで罪に問われた、

と明治大正の記録には書かれている。

ところが実際は、各家々にある程度の量は保管が許されており、

これは『仲為日記』(島役人の日誌)の記録にさりげなく出ているからわかるが、

当時問題とはなっていない。

 

また、島民はよく焼酎も飲んでいたようだ。

ノロの祭事はもちろんのこと、

永良部に代官として赴任途中の侍が残した日記に

湾屋(わんや・藩の指定港)の下っ端役人が、

夜な夜な酔っ払ってほら貝を吹くので、

眠れないじゃないか、と地元の役所に苦情を申し立てた。

朝、当の代官が呼び出して問い詰めるが

「記憶にありません」と突っぱねられて、大した注意もできなかった、

ということである。

 

8公2民の重税では、このようなことは不可能である。

では、彼らはどこからそのような余剰砂唐を手に入れていたのか、

というと、「隠し田」ないし「隠し畑」と表現される

税の対象とはなっていない田畑が相当量あったのである。

 

それを証明するには、

藩政時代の黒糖収穫高と明治12年の竿次帳によるデータを比較すればよい。

収穫高に対して税(8公2民)をかけた時代と

土地に対する税(固定資産税方式)に変えた明治以降の税方式では、

なんら耕作スタイルや品種が変わったわけではないのに、

田畑の面積が2倍前後に急拡大している。

当然、収穫高も倍増したはずである。

 

今すぐにデータを詳らかにすることはできないものの、

面倒な作業にはなるが、データ提示することは可能である。

つまり、これらの田畑は藩政時代は藩から「目こぼし」されていたのである。

だから、最大8公2民(これは、その後の会計上のからくりも加えた最大税額である)

とも言われる税負担にも耐え、

かつ島役人の膨大な蓄財も可能だったのである。

 

先ほど紹介した『仲為日記』を書いた仲為という人は、

惣横目(島役人の上から2番目の地位)をしていたが、

日記からもわかるように極めて実直な人物で、

人々からも慕われていたようだ。

西郷隆盛の世話をし、西郷家とはずっと家族ぐるみの付き合いをした間柄であった。

その仲為ですら、地元で道普請や川筋工事などを行ったうえ、

藩へ10万斤もの黒糖を献上している。

仲為は、不正などとは縁のない人物であったようだが、

その彼ですらそれほどの蓄財ができた。

まして出世蓄財に眼のない役人など、どれほどの財を持っていたのだろうか。

たとえば、

1820年ごろの公共工事ブームのときは、

島役人が競って自腹を切り、

橋をかけたり、大規模な川筋変更を行ったり、道路拡張工事を行った。

彼らは、その功績を藩に申請して、

「郷士格」(侍に順ずる)を一代ないし永代で認められるのである。

 

さて、これだけの事実がありながら、

不思議なことに「封建の極北」島津領治下の徳之島では、

農民は疲弊し、百姓による一切の抵抗は許されなかった、

武士は「切り捨て御免」の世界であった、という常識がまかり通っている。

このような誤解はどこから生まれるのか、

というに「公文書」ばかりを基礎史料としているから、

こういうことになるのである。

 

「公文書」は確かに多く残されている。

そしてそこに書かれていることは「命令調」で、

言うことを聞かなければ「断罪に処す」と書いてあるから、

まともに見れば「封建社会」を表す模範的例文集である。

もちろん通達する側は、

形式的通達であって、実情は別であることは百も承知している。

文書主義の研究者たちは、これをそのまま受け取る癖があって、

それを論拠にする。

そのために先のような「常識」が生まれるのである。

 

「人」に対する解釈が足りないからそういうことになる。

命令する役人としての立場に置かれた「人」の心理、

あるいはそれを拝受する立場の「人」。

 

「人」は耐えるばかりなどできない。

「生き残る」ためなら何だってする。家族がいるのだから。

彼等をむざむざ餓死させるくらいなら「死んだほうがまし」であろう。

これはいつの時代でも同じである。

どうにもならないとなったら、

生まれた土地など捨てて姿を隠すか、他の島へ逃げ去るか、

徒党を組んでお上に命を賭けて抵抗するか、

何らかの抵抗を行うのである。

そんなことになっては、支配するものからすると大問題である。

「上に策があれば下にも策がある」のである。

 

「人」の心理を読まずに「机上の空論」をするから見落とすのである。

自分自身がその状況におかれたらどうするか、考えてみればよい。

「おかしい」ことにいくつも気が付くはずだ。

あるいは「なぜ?」という疑問がわくはずだ。

藩の事情、お上の事情ばかり考えるから見落としが出る。

「お達し」を協議決定した「人」の心理や

作文した「人」が誰なのか、だって影響する。

 

そもそも藩がなぜそれほど強い「お達し」をするのか。

むろん、様々な島の裏事情(からくり)を知っているからである。

派遣された役人と島役人が馴れ合いになるのを防ぐため、

賄賂が横行し、不正が見受けられるため、

あるいは島役人が島民に高利貸しを行い、

借金を返せない者を質に取っていることを。

あるいは黒糖の製造に手抜きを行っていることを。

また、あるいは税の対象となるべき田畑の面積が半分ほどしかないことを。

 

とはいえ、

彼らは、文章の上では強烈な脅しをかけるものの、

現実には島を支配しているものは島役人であることも知っている。

「藩からの命令である。違反するものは厳罰に処すから、そのつもりでおれ!」

と怖い顔をして新任代官はお達しを述べるが、

「ははー!」

と神妙な顔をして引き下がる島役人にそれ以上の追求はできない。

大体、様々な折をみて、

5人しか来ない派遣役人一同へ

島役人たちからお祝いの品々が届けられれば、

それでも「たたっ斬るぞ!」と言える代官などいない。

ただただ、折り目正しくあることを心がけ、

島民に「範を垂れ」てみせることくらいしかできないのだ。

 

「人」である。

いつの時代であろうとも、今と変わらぬ「人」が政治を行い、

商工を行い、農業を行っている。

よく

「文献史学には、これまで民衆の立場からの検証が抜け落ちていた」

という反省が聞かれる。

しかし、これでは支配者、被支配者の2視点から見た単純思考に陥ってしまう。

そのような「部分」に眼をやるから見えなくなる。

すべての歴史は「人」が創るのである。

支配層が、被支配層がなどといった分別は無意味である。

この「人」は、時と場所が変われば逆転した立場になり得る。

 

歴史をやるものは、

一切の史観や政治的イデオロギー、

後世的解釈を入れてはいけないのは、当然である。

(まして、後出しジャンケンなど許されるものではない)

自分をまっさらにして、

その時代に自らも身をおかねば何も見えない。

一切のフィルターを排除しなければ行けない。

 

まして、支配層がある一定の目的(意図)を持って書かせた文献を

絶対のごとく崇拝するのは、以ての外である。

必ず、文献とは別の複数の違った視点からの検証が欠かせない。

例えば、

気象(生死にかかわる)、

宗教(太陽、火、水、石といった自然崇拝)や文化、

出自(伝統や習慣を同じくする)、

人口推移、言語(方言)、

外交(海外からの影響・世界の動き)、

地形学(地域の特性に地形が与える影響は絶大である)、

交通手段、自然(水の確保・災害)・・・

いろいろ考え付く限りに当たってみる必要がある。

 

それは「人」が生き残るために何が必要だったのか、

なぜそういう行動をとったのかを知るためである。

 

こうしてみると、

先史から始まる「歴史」を研究しようと思うものは、

先にあげた分野とは別に、

普段から心理学や哲学、宗教学、民俗学的視点の涵養が必要になりそうだ。

 

 

「人」は「動物」という生物の一種類でしかない。

すべての史跡、記録はその動物たる「人」の生きた証である。

生まれ、生き残りをかけて生き、子孫を繋ぎ、死ぬ。

これは生きとし生ける地球上の全生物が行う

「生物たるものの大共通項」である。

「本能中の本能」である。

これを必ずやベースに置き、

すべての研究は行われるべきである。

よく大学の論文などに、

実につまらない瑣末な問題にこだわって「研究」しているものが見受けられる。

それ以上、研究の応用が効きそうにもない、単なる言葉遊びのような。

まあ読み飛ばせば良い事だけど、

そんなことに有能な頭脳と人生を無駄に使っているのを見ると、

もったいないことに思う。

 

 

以上のことは、以前から心の中で思ってはいたが、

文字にはしていなかったので一度書いておこうと思った次第です。

たまに自分のブログをいくつか読んでみることがあるんですが、

自分で書いたことも忘れ、

「う~ん、なるほど。」と感心したりすることがあって、

最近「呆け」てきたのではないかと不安になることがあります。

自分の「後学」ためにも書き残しておかないとね。  


米国がイランを攻撃する理由

2019-07-08 17:40:06 | 日記

あー、久しぶりのブログアップ。

いやあ、しばらく真面目に仕事してましたからね。

ちょっと一息といったところ。

それなのに本日のブログは国際政治。

本当は、心の問題について書くつもりだったんだけど、、

 

 

北野幸伯先生のメルマガに次のことが書いてありました。

一部だけ抜粋します。

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★イラン情勢がかなりヤバくなってきました

 

(前略)

IAEAは、イランが合意を順守していることを認めた。

それで2016年1月、対イラン制裁が解除されたのです。

はっきりいって、「イラン核合意」は、オバマさんの

「偉大な成果」といえるものです。

イランは核兵器をつくることができない。

しかし、原油を輸出することができるようになり、経済的 に楽になった。

それに、合意を守っているかぎり、アメリカからの攻撃を 恐れることもない。

皆ハッピーだったのです。

ところがトランプさんは2018年5月、「イラン核合意から の離脱」を宣言。

なぜ、こんなことをしたのでしょうか?

 

イランはIAEAの査察を認めており、合意の下で核兵器製 造は不可能です。

考えられる理由は二つあります。

一つは、イランがイスラエルの脅威であること。

オバマさんは、決して「親イスラエル」ではありません でした。

しかし、トランプさんは、ネタニヤフさんの親友。

イヴァンカさんの夫クシュナーさんは、ユダヤ人。

それでイヴァンカさんもユダヤ教徒になっている。

つまり、イランからイスラエルを守るために、核合意離脱した可能性がある。

 

もう一つは、「ドル基軸通貨体制防衛」。

イランは、ドル以外(たとえば中国には人民元で)の通貨で原油を売っています。

2000年、イラクのフセインは、原油の決済通貨をドルか らユーロにかえた。

それでアメリカに殺された。

アメリカが反イランなのは、これが原因なのかもしれな い。

(後略)

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私、イラン情勢の根本にイスラエルの安全保障がある、とばかり考えていました。

それはそれで確かなのでしょうが、

考えてみれば、北野先生がおっしゃっているように、

イランが原油の決済を元でやっているのであれば、

それを中華人民共和国と行っているのであれば、

イランは触れてはいけないものに触れてしまっています。

 

米国は国際基軸通貨「ドル」を持っています。

これは米国が「ハイ、一万ドル。」と紙に書いて、

一万ドル分の商品を手に入れることができるということです。

紙とインクがある限りいくらでも書くことができます。

昔、部活で先輩がメモ紙に千円と書いて後輩に渡し、

「これで酒を買ってこい」と無理を言われた、と聞いたことがあります。

本当にお店に持っていった後輩もいたようです。

もちろんお店は取り合わない。しこたま怒られるだけです。

ところが米国はこれをやっています。

しかも怒られるどころか、逆にみんなから欲しがられます。

 

これまでいったいいくら米ドルを発行したか知りませんが、

第二次世界大戦後、

米国は、いくらでもお金を刷ることが出来る

「打ち出の小槌」

を手に入れました。

この「打ち出の小槌」を武器に、世界の支配者となったわけです。

たまには王者の風格で心優しいアメリカを演じて見せたり、

多くの場合は、力(金、軍事力)にものを言わせてきました。

 

強者が弱者をいじめる快感。

 

軽蔑すべき行為ですが、

この不道徳者は「三省」などという言葉は知りませんから、

自分に「徳」がないことに気が付くことはありません。

 

さて、この米国のパワーの源泉が「国際基軸通貨を手にしたことによる」

と気が付いた者たちが、そっと反発してみたり、欲しがったりします。

当たり前のことですが、これを守るときの米国は恐ろしい。

米国に抗しようとするもの、基軸通貨に色目を出すものを決して許しません。

経済力をつけた国は、当然、自国通貨を外国との決済に使いたくなります。

そのときは、米国の了解のもと、一定限度

(米国の利害に抵触しない程度)

使うことはできます。

「ODAによる円借款」なんてこれに似たものでしょうが、

国際通貨の地位を狙うには程遠過ぎます。

 

経済力をつけた国は、世界に流通する自国通貨の割合を増やしたいものです。

少しでも比率を高め、世界第2位の地位につけておけば、

米国に何か(内乱とか)起きたとき、取って代わるチャンスが訪れるかもしれません。

 

しかしイランのやっていることは、ちょっと意味合いが違います。

もちろん「ドル建てをやめたら、わかっているな」との米国からの脅しもあったはずです。

それでも原油の取引に中華人民共和国の「元」を使っています。

米国が、「支那はかわいい後進国」と思い込んでいたうちは

まだ大目に見ていた部分もあったかもしれません。

でも、今は急激な経済成長とともに欲望をむき出しにして、

隙あらば米国を飲み込む勢いです

こんなことを許せば、基軸通貨「ドル」が揺らぎかねません。

多くの国は、「面従腹背」しているだけで、本音は米国嫌い(AIIB加盟のときはすごかった)でしょうから、

坂道を転がり落ちるように、アメリカは王者の地位を失うこともありえます。

それだけに本気なのです。

イランのやっていることは、まるで

「さあ、何かやってみなさいよ、アメリカさん」

と喧嘩を売っているのと等しいようにも思えます。

 

ご存知のように中華人民共和国は、

米国と現在「覇権戦争」の真っ最中です。

何せこの国は、急激に成長した経済力と人口パワー(世界人口の1/6を占める)で

「元」を世界の基軸通貨にしようと着々と布石を打ってきました。

少し前、シナでは「米国の時代は終わった」、そんな言葉も出ていました。

 

米国もあせっているのでしょう。

米ソ冷戦時代以来の開催となる「現在の危機に対する委員会」を開催し、

「支那共産党を敵と見なす」

との決定を最近行ったそうです。

日本を敵国視して、シナを甘やかせているうちに、

気が付いたらすぐ自分の足元まで迫っていて、歯をむき出していた。

「この野郎!飼い主に牙をむく気か!」

米国は、ようやく今頃になって、敵国を見間違えていたことに気づいたわけです。

阿呆です。

昔から米国の外交は、最低レベルとの国際的評価がありました。

自分の言うことを聞かせるばかりで、相手国がどう思っているかなんて気にかけない。

1強時代が長いからそんなことになるのです。

 

今、米国は総力を上げて中華人民共和国をつぶしにかかっています。

経済、人権、軍事上の圧力を強め、

いくつかの国にそのための共同歩調をとらせています。

 

そんな大変なときに、米国はイランにも軍事攻撃を仕掛けようとしています。

戦線を広げることが危険なことぐらい、米国だってわかっているはずなのに、

何をしているのだろう。

今日まで不思議でしょうがありませんでした。

イランは中東における反イスラエル国の筆頭とはいえ、

現時点では、それほどイスラエルが追い詰められているとも思えませんし。

 

そうしたら何のことはない。

「イランは、中華人民共和国と元建てで原油を取引している」というではありませんか。

北野先生が書かれているように

「2000年、イラクのフセインは、原油の決済通貨をドルからユーロにかえた。それでアメリカに殺された。」

この二の舞をイランは犯しているということです。

リンカーンやケネディでさえも

「政府紙幣」を銀行券とは別に発行しようとして殺された(私はそう確信している)くらいですから、

「タブー中のタブー」に触れたことになります。

自国の大統領ですら殺害するのです。

ましてや、外国の一つや二つ、何の躊躇があるでしょう。

 

つまり、米支覇権戦争とイランは、そこでリンクしているわけです。

もっとも、リビアのカダフィ氏のように反イスラエル

(オイルメジャーも敵に回したから、それだけでもないが)

の元締めとして睨まれて、殺されたケースもありますから、

イランの場合は、二重のリスクをしょっていることになります。

ただで済むはずがないのです。

フセインもカダフィも、核兵器を持っていない(持たない)ことが確認されたとたん

殺されました。

イランは、まだ核兵器を保有していません。

 

イランは、わかっているのでしょうか。

わかっていてこれだけのリスクを背負っているとすると、相当な度胸です。

お隣のイラクが、大統領ともども消されたのを間近で見ていながら、です。

その後も、イスラエルに敵対していたシリアが、

イスラエルと米国に操られたISに危なく国を奪われるところまで行きました。

 

米国は、世界の世論を味方につけ損ねた(「やらせ」が皆にばれた)ために、

シリアのアサド政権の追放には、結局失敗したけれど、

あれは、イスラエル嫌いのオバマ大統領の時代だったから出来たのであって、

共和党政権となった今は違います。

 

米国の「やらせ」に、もはや世界が付いて来るものか、

とイランが高をくくっているとしたら危険です。

トランプ大統領が、たとえ「武力戦争」に乗り気でなくても、

何かのきっかけを作ってでも、戦争を仕掛ける可能性は十分にあります。

特にボルトン氏のグループは危険で、何をしでかすかわかりません。

 

ちょっと、しばらくは中東の様子から眼を離してはいけないようです。

日本は、未だに中東からの原油にエネルギー資源を頼っています。

恐ろしいことです。

 

 

とはいえ私は、原発「絶対反対派」でもあるので、

原油が入らない=原発再稼動、とはなりません。

しかし、自然エネルギーも

地熱発電なら活用し甲斐があると思いますが、

それ以外はあまり期待しがたい。

 

しかし、超有望なエネルギーとして

ほぼ既に出来上がった技術があります。

藻から原油を生み出す

「藻バイオ」プラントです。

弱点は、原油よりコストが高いこと。

しかし、日本の田ん圃の数パーセントを使えば、

すべての国内エネルギーが賄える、と書いてあったのを読んだことがあります。

共同開発していたIHIとモルガンの説明では、

「1バーレル100ドルなら採算が取れる」と言っていたはずです。

すぐに生産を開始して、

いざと言うときのために、国が補助金を出してでも

一定量を確保すべきでしょう。

 

 

 

今日は、米国がなぜイランとシナ2国同時に戦おうとするのか、

とても疑問だったのが、

少しだけ謎が解けたような気がして

ついつい長文になりました。

ここまで読んだ人がいたら

すごいんですけど。

 

すごいついでに、下のポッチも押したら、もっとすごいと思います。