あー、久しぶりのブログアップ。
いやあ、しばらく真面目に仕事してましたからね。
ちょっと一息といったところ。
それなのに本日のブログは国際政治。
本当は、心の問題について書くつもりだったんだけど、、
北野幸伯先生のメルマガに次のことが書いてありました。
一部だけ抜粋します。
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★イラン情勢がかなりヤバくなってきました
(前略)
IAEAは、イランが合意を順守していることを認めた。
それで2016年1月、対イラン制裁が解除されたのです。
はっきりいって、「イラン核合意」は、オバマさんの
「偉大な成果」といえるものです。
イランは核兵器をつくることができない。
しかし、原油を輸出することができるようになり、経済的 に楽になった。
それに、合意を守っているかぎり、アメリカからの攻撃を 恐れることもない。
皆ハッピーだったのです。
ところがトランプさんは2018年5月、「イラン核合意から の離脱」を宣言。
なぜ、こんなことをしたのでしょうか?
イランはIAEAの査察を認めており、合意の下で核兵器製 造は不可能です。
考えられる理由は二つあります。
一つは、イランがイスラエルの脅威であること。
オバマさんは、決して「親イスラエル」ではありません でした。
しかし、トランプさんは、ネタニヤフさんの親友。
イヴァンカさんの夫クシュナーさんは、ユダヤ人。
それでイヴァンカさんもユダヤ教徒になっている。
つまり、イランからイスラエルを守るために、核合意離脱した可能性がある。
もう一つは、「ドル基軸通貨体制防衛」。
イランは、ドル以外(たとえば中国には人民元で)の通貨で原油を売っています。
2000年、イラクのフセインは、原油の決済通貨をドルか らユーロにかえた。
それでアメリカに殺された。
アメリカが反イランなのは、これが原因なのかもしれな い。
(後略)
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私、イラン情勢の根本にイスラエルの安全保障がある、とばかり考えていました。
それはそれで確かなのでしょうが、
考えてみれば、北野先生がおっしゃっているように、
イランが原油の決済を元でやっているのであれば、
それを中華人民共和国と行っているのであれば、
イランは触れてはいけないものに触れてしまっています。
米国は国際基軸通貨「ドル」を持っています。
これは米国が「ハイ、一万ドル。」と紙に書いて、
一万ドル分の商品を手に入れることができるということです。
紙とインクがある限りいくらでも書くことができます。
昔、部活で先輩がメモ紙に千円と書いて後輩に渡し、
「これで酒を買ってこい」と無理を言われた、と聞いたことがあります。
本当にお店に持っていった後輩もいたようです。
もちろんお店は取り合わない。しこたま怒られるだけです。
ところが米国はこれをやっています。
しかも怒られるどころか、逆にみんなから欲しがられます。
これまでいったいいくら米ドルを発行したか知りませんが、
第二次世界大戦後、
米国は、いくらでもお金を刷ることが出来る
「打ち出の小槌」
を手に入れました。
この「打ち出の小槌」を武器に、世界の支配者となったわけです。
たまには王者の風格で心優しいアメリカを演じて見せたり、
多くの場合は、力(金、軍事力)にものを言わせてきました。
強者が弱者をいじめる快感。
軽蔑すべき行為ですが、
この不道徳者は「三省」などという言葉は知りませんから、
自分に「徳」がないことに気が付くことはありません。
さて、この米国のパワーの源泉が「国際基軸通貨を手にしたことによる」
と気が付いた者たちが、そっと反発してみたり、欲しがったりします。
当たり前のことですが、これを守るときの米国は恐ろしい。
米国に抗しようとするもの、基軸通貨に色目を出すものを決して許しません。
経済力をつけた国は、当然、自国通貨を外国との決済に使いたくなります。
そのときは、米国の了解のもと、一定限度
(米国の利害に抵触しない程度)
使うことはできます。
「ODAによる円借款」なんてこれに似たものでしょうが、
国際通貨の地位を狙うには程遠過ぎます。
経済力をつけた国は、世界に流通する自国通貨の割合を増やしたいものです。
少しでも比率を高め、世界第2位の地位につけておけば、
米国に何か(内乱とか)起きたとき、取って代わるチャンスが訪れるかもしれません。
しかしイランのやっていることは、ちょっと意味合いが違います。
もちろん「ドル建てをやめたら、わかっているな」との米国からの脅しもあったはずです。
それでも原油の取引に中華人民共和国の「元」を使っています。
米国が、「支那はかわいい後進国」と思い込んでいたうちは
まだ大目に見ていた部分もあったかもしれません。
でも、今は急激な経済成長とともに欲望をむき出しにして、
隙あらば米国を飲み込む勢いです
こんなことを許せば、基軸通貨「ドル」が揺らぎかねません。
多くの国は、「面従腹背」しているだけで、本音は米国嫌い(AIIB加盟のときはすごかった)でしょうから、
坂道を転がり落ちるように、アメリカは王者の地位を失うこともありえます。
それだけに本気なのです。
イランのやっていることは、まるで
「さあ、何かやってみなさいよ、アメリカさん」
と喧嘩を売っているのと等しいようにも思えます。
ご存知のように中華人民共和国は、
米国と現在「覇権戦争」の真っ最中です。
何せこの国は、急激に成長した経済力と人口パワー(世界人口の1/6を占める)で
「元」を世界の基軸通貨にしようと着々と布石を打ってきました。
少し前、シナでは「米国の時代は終わった」、そんな言葉も出ていました。
米国もあせっているのでしょう。
米ソ冷戦時代以来の開催となる「現在の危機に対する委員会」を開催し、
「支那共産党を敵と見なす」
との決定を最近行ったそうです。
日本を敵国視して、シナを甘やかせているうちに、
気が付いたらすぐ自分の足元まで迫っていて、歯をむき出していた。
「この野郎!飼い主に牙をむく気か!」
米国は、ようやく今頃になって、敵国を見間違えていたことに気づいたわけです。
阿呆です。
昔から米国の外交は、最低レベルとの国際的評価がありました。
自分の言うことを聞かせるばかりで、相手国がどう思っているかなんて気にかけない。
1強時代が長いからそんなことになるのです。
今、米国は総力を上げて中華人民共和国をつぶしにかかっています。
経済、人権、軍事上の圧力を強め、
いくつかの国にそのための共同歩調をとらせています。
そんな大変なときに、米国はイランにも軍事攻撃を仕掛けようとしています。
戦線を広げることが危険なことぐらい、米国だってわかっているはずなのに、
何をしているのだろう。
今日まで不思議でしょうがありませんでした。
イランは中東における反イスラエル国の筆頭とはいえ、
現時点では、それほどイスラエルが追い詰められているとも思えませんし。
そうしたら何のことはない。
「イランは、中華人民共和国と元建てで原油を取引している」というではありませんか。
北野先生が書かれているように
「2000年、イラクのフセインは、原油の決済通貨をドルからユーロにかえた。それでアメリカに殺された。」
この二の舞をイランは犯しているということです。
リンカーンやケネディでさえも
「政府紙幣」を銀行券とは別に発行しようとして殺された(私はそう確信している)くらいですから、
「タブー中のタブー」に触れたことになります。
自国の大統領ですら殺害するのです。
ましてや、外国の一つや二つ、何の躊躇があるでしょう。
つまり、米支覇権戦争とイランは、そこでリンクしているわけです。
もっとも、リビアのカダフィ氏のように反イスラエル
(オイルメジャーも敵に回したから、それだけでもないが)
の元締めとして睨まれて、殺されたケースもありますから、
イランの場合は、二重のリスクをしょっていることになります。
ただで済むはずがないのです。
フセインもカダフィも、核兵器を持っていない(持たない)ことが確認されたとたん
殺されました。
イランは、まだ核兵器を保有していません。
イランは、わかっているのでしょうか。
わかっていてこれだけのリスクを背負っているとすると、相当な度胸です。
お隣のイラクが、大統領ともども消されたのを間近で見ていながら、です。
その後も、イスラエルに敵対していたシリアが、
イスラエルと米国に操られたISに危なく国を奪われるところまで行きました。
米国は、世界の世論を味方につけ損ねた(「やらせ」が皆にばれた)ために、
シリアのアサド政権の追放には、結局失敗したけれど、
あれは、イスラエル嫌いのオバマ大統領の時代だったから出来たのであって、
共和党政権となった今は違います。
米国の「やらせ」に、もはや世界が付いて来るものか、
とイランが高をくくっているとしたら危険です。
トランプ大統領が、たとえ「武力戦争」に乗り気でなくても、
何かのきっかけを作ってでも、戦争を仕掛ける可能性は十分にあります。
特にボルトン氏のグループは危険で、何をしでかすかわかりません。
ちょっと、しばらくは中東の様子から眼を離してはいけないようです。
日本は、未だに中東からの原油にエネルギー資源を頼っています。
恐ろしいことです。
とはいえ私は、原発「絶対反対派」でもあるので、
原油が入らない=原発再稼動、とはなりません。
しかし、自然エネルギーも
地熱発電なら活用し甲斐があると思いますが、
それ以外はあまり期待しがたい。
しかし、超有望なエネルギーとして
ほぼ既に出来上がった技術があります。
藻から原油を生み出す
「藻バイオ」プラントです。
弱点は、原油よりコストが高いこと。
しかし、日本の田ん圃の数パーセントを使えば、
すべての国内エネルギーが賄える、と書いてあったのを読んだことがあります。
共同開発していたIHIとモルガンの説明では、
「1バーレル100ドルなら採算が取れる」と言っていたはずです。
すぐに生産を開始して、
いざと言うときのために、国が補助金を出してでも
一定量を確保すべきでしょう。
今日は、米国がなぜイランとシナ2国同時に戦おうとするのか、
とても疑問だったのが、
少しだけ謎が解けたような気がして
ついつい長文になりました。
ここまで読んだ人がいたら
すごいんですけど。
すごいついでに、下のポッチも押したら、もっとすごいと思います。