■こならの森58号■1993.2
C・o・n・t・e・n・t・s
表紙 「ランカスター田園風景」
3p… 結婚しました 岩上さん夫妻
4p…カラムコラム・街角の肖像
5…きれい瞬間・圭吾の歳時記
6…ミステリーワールド
7p…銀幕画廊
8p-11pインタビュー
12-23p特集ランカスター
24-26p…情報
27…書評・絵本紹介
28-29…文化会館情報
30こならの森から~
31…協賛店MAP
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【本文抜粋記事】
特集 佐野市姉妹都市「ランカスター」について
ペンシルヴァニアという名前は、「ペンの森」という意味だそうで、なんとなくこならの森としても親しみが持てそうな名前です(実はペンシル(えんぴつ)・バニアだとばっかり思っていたが………)。そんなことから今回の企画が発案されたとかないとか。
佐野市が市政50周年に際し親善都市協定を結ぼうとしている米国ペンシルバニア州のランカスター市っていったいどんな町なのかな。 今年の7月30日には、佐野市へランカスター市の市長が来日の予定という。こならの森では一足お先に親善都市ランカスター市の素顔を追って見ました。
もちろん企画にあたって直にランカスター市まで取材に行ければ一番いいのですが、そんなことが出来るはずがない、ということは賢明なる読者氏ならお解りのことでありましょう。ここはひとつ関連ある話を総合し、また実際にランカスター市を訪れた人の話などをまとめながら、(これが本当の意味での市民レベルの国際化、国際交流になるのかどうかはさだかではありませんが)お友達の町として、どういった町なのか分かっていただければいいと思います。
■ペンシルバニア■
英国人でクウェーカー教徒のウイリアム・ペンが1682年に建設した。ペンは中央と、四辺に広場を設けるといった今でいう都市計画を実施した。「敷地の真ん中に家を建てよう、そうすれば緑の園となる。」といったペンの言葉どおりの町づくりが施された。そこから、州の名前もペンの森という意味でペンシルバニアとなった。ちなみに、州内一番の都市フィラデルフィアとはギリシャ語で兄弟愛を意味するとか。
■ランカスター市の概要■
アメリカ北東部のペンシルバニア州は、なだらかな山脈が州の北東部から南西にかけ走っている。南東部には、豊かな農業地帯が広がる地域。州内六七郡のうちのひとつ。ワシントンから179キロ、ニューヨークから253キロ。ランカスター郡内全体での面積は2470 人口42万人、ランカスター市だけで5万5千人。1792年に入植が始まり、アメリカ開拓史上重要な役割を演じた。馬車と鉄の産地で有名。
ランカスター郡全体の主な産業は、金属製造、印刷出版、食料品、衣服など。業種別人口は、卸売業4万7千人、サービス業3万5千人、公務員1万5千人。農業では、総生産高822百万ドルうち、酪農220百万ドル、牛197百万ドル、卵118百万ドルとなっている。(ランカスター市のみにかぎった数字は不明)
■DUTCH COUNTEY(ダッチカントリー)
アミッシュの人々の暮らし。
ダッチ・カントリーはランカスターを中心とした一帯のことをさします。ニューヨークから車で三時間。飛行機ならフィラデルフィアまで四十五分。とうもろこしや、たばこなどが産物。 彼らは「この世の全ての知恵は神にとって愚かなものである」という聖書の言葉を実践するプロテスタントの一宗派で全米に六万人ほどいます。もともとはドイツ、ライン川流域に暮らしていた人々が祖先となっており、ダッチはドイツという意味。スペースシャトルに代表される米国の宇宙技術とはうらはらに、同じ国でありながらも、映画の一シーンと変わらない、十八世紀さながらの生活を続けています。車はもちろん電気や、電化製品を拒否しています。ですから表紙の写真でもお分かりのように、人家の回りには電柱といったものがありません。