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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森124号

2008-05-04 | 101号~200号
       ■こならの森124号■1998.8発行

表紙 「とんぼ」

C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森9月号■

おぞねとしこのポエム…ひるがお……3p
知らんの5つの市/…………4p
結婚(誕生)…新井さん夫妻…5p
安佐の名所クイズ………6p
タウン…ホップの森……7p
JC・インタビュー…亀田…8p-11p
ムーミン谷………12-19p
ショート/現代国語………20-21p
海棠市子の映画評………22p
書評・絵本紹介……23p
インフォメーション98………24-27p
協賛店マップ………28-29p
新・こならの森から…………………30p

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【本文抜粋記事】

JC・インタビュー…
亀田好二さん

■PROFILE
亀田 好二
(かめだ よしじ)
1926年 佐野市生まれ。

@中田 今、日本もそうですが、アジアの経済状況も大変悪くなっていますね。こういった世界的な状況についてはどうお考えでしょうか。
@亀田 何事においてもバランスというものがあるんです。自民党五十五年体制が栄えたのは、実は自民党と社会党があってバランスが取れていたからなんです。経済もバランスです。日本は、東南アジアなどでありふれたものを大量生産しましたね。需要と供給を考えれば、そんなことをしても売れないですよね。世界的に見ると、何年か前にソビエトが崩壊しましたね。今、アメリカが栄えているように見えますが、バランスの原理からいえばアメリカだけが栄えるということはあり得ないです。中国が対抗できると言う人もいますが、中国ではバランスは取れない。もともと資本主義のようなものですからね。アメリカの経済の実態というのは本当は良くないんです。まもなく崩壊すると思いますよ。
@中田 まだ日本が立ち直っていない状況で、アメリカが崩壊したら大変なことになりますね。
@亀田 だから危機感を持たなければいけないんです。
@中田 アメリカの資本がどんどん日本にも入ってきていますね。
@亀田 この前ラビバトラというアメリカの経済学者の講演があったんですが、アメリカのやり方は良くないと言うんです。たとえば韓国のウォンが暴落した時に韓国に対してやったのは、暴落前に貸していた一万ウォンを、暴落したんだから十万ウォンにして返してくれ。払えなければ会社をよこせ。しかしお前の国は労働者の首を切れないから法律を変えろと。そういうことをやっているんです。覇権主義というのは武力だけではないんですよ。経済まで覇権主義でくる。講演でラビバトラは言ってましたよ。未来永劫、人を搾取して栄えた国はない。これから二十一世紀に向かって、人を搾取したり覇権したりするというのは絶対いけないですよ。
@中田 そうですね。
@亀田 それから日本経済の活性化ということでね、いいことを言ってましたよ。彼が言うには、東京というのは実に良い所なんだそうです。緑も多くてね。一極集中が問題になっていますが、ラビバトラは、オフィスを全部郊外に出してしまって、東京から通うようにすれば良いと言うんです。そして、中にいるオフィスは税金を高くする。今は反対で周りから集まってくるでしょ。だから一極集中になる。それは東京だけで
はなくて、地方都市においても同じことが言えるんです。それと景気を良くするには、住まいを広くすれば良い。景気対策として減税の話が出ますけど、減税ではだめなんです。減税では財政をどうするんだという話になるでしょ。今の税額のままでいいから、同じ税額で倍の面積まで認める。そういう法律を作ればいいんです。そうすると皆さんの住まいの環境も良くなるし、広くなる分いろいろなものを買えるようになって需要が増える。そういう環境を作れば日本の国は栄えるでしょうと言うんです。
危機感を持って果敢に挑戦すること
@中田 栃木県の県北の方では、かなり経済が低迷して倒産が増えてきているということですが、佐野も例外ではないと思います。社長の今までの経験の中で、経営者はこういう心構えを持つべきだというものがありましたらアドバイスをいただきたいのですが。
@亀田 もっと情報収集をやったらいいんじゃないでしょうか。皆さん案外勉強をしていないですよね。私はパソコンを3台使っていますが、何かあるとすぐにこれでまとめるようにしているんです。明日やろうとか、今度とか、後でとか、絶対にいけない。どこにでも勉強の資料というのはあるんです。そのためには、異業種の方も大勢知っているということも必要ですね。そこで別の情報も入ってきますから。それと、挑戦するという気持ちが大切です。最近、私の会社でISO9000の認証を取りましたけど、これも挑戦ですよ。大企業だからできるんだ、中小企業だから難しいなんていうことはないですね。個人でもできるんですから。次世代に向かって必要とされるものに、敢然と立ち向かうことですよ。危機感を持って、そういうことに挑戦することが大切ですね。
@中田 次世代に向けたものを情報収集しても、ターゲットがどこにあるのかというのが、なかなか見つけ難いということがあるのではないかと思いますが。
@亀田 これからどうやっていくかというと、専門職ですよね。総合職ではなくて、専門職としてどうやっていくかということを考えるしかないんじゃないですか。自分の仕事の中で、どうしたらお客さんに満足してもらえるかを極めている人、知っている人は案外少ないですよね。私の会社のターゲットは「早く 良く 安く」というんですよ。スピードの時代ですから「早く」、「良く」というのは当たり前ですよね、「安く」というのは安心という意味もあるんです。
@中田 この辺が分かっているようで分かっていなくて、実行がなかなかできないですね。
@亀田 難しくしてはだめなんです。易しくして、誰が見ても会社や店の経営方針が分かるようにしておくことですね。それと、以前お店の経営者の集まりで話をしたことがあるんですが、お店にレジがありますね。大体そこの店の奥さんがレジをやっているんですよ。でも、大事な所こそ従業員を信用してやらせなさいと言ったんです。そして、報告だけちゃんと聞いていればいいんです。なかなかできないと皆さん言うんですけど、いつまでもそういうつまらない所を握っているから、大きいものが来た時に掴めないんですよ。「商工日本」という本にこういうことが載っていたんです「人事は明日のこと、総務は今日のこと、経理は昨日のこと」人を中心に考えていくことが将来のために大切なことですね。

一番大切なのは従業員

@中田 これから、日本の経済はどういう方向に進むと思われますか。
@亀田 バブルが崩壊して、失った財産が二千兆円です。国家予算が七十兆円ですから、戻すのに三十年かかるんですよ。途中で押さえて崩壊が遅れた分、不況が長引いてしまった。今の状況はもう少し続きますね。それと、経済の話をすると、大企業だけが生き残っていくというような話をされることもありますが、大企業だけで生きられるわけはないです。中小企業も一緒に共存共栄しないといけないですよね。商工会議所の月刊誌は「石垣」というんですが、石垣というのは、大企業という大きな石があって、中小企業の小さい石がその間に入っているわけですよ。やはり、バランスというのはそういうことなんです。それから、こういう悪い状況が続くと賃金の引き下げという所にまでなると思いますが、そういう時は早くやることですよ。早くやることが、結果的に従業員を救うことになります。それを悪くなった一番最後にやるからいけないんです。一番大事にするのは働いている従業員であり、その家族だという根本的な姿勢を持っていないといけないですね。これからは従業員のことをどう考えていくかでお店が栄えていくと思います。最終的には、具体的な思いやりの行動ができないといけませんね。@中田 それが一番基本的なことでしょうね。
@亀田 この前、東電のトップセミナーに行ってきたんですが、その講師が、ちょうど前にいた、ある銀行の頭取に言っ
たんです。あなた銀行に入って、頭取から誉められたことがありますかと。その頭取は、一度だけありましたと答えたんです。そうしたら、あなた頭取になって、何人行員を誉めましたかと。すると、一人も誉めていない。日本の経営者というのは、大事な従業員などと口では言っていますけど、従業員の悪い所ばっかり探している人が多いですね。それじゃだめです。人を誉める。これからはそういう時代です。リーダーはそういう考えを持たなければだめですよ。
@中田 お忙しい中ありがとうございました。大変有益なお話を聞かせていただきました。


こならの森123号

2008-05-04 | 101号~200号
       ■こならの森123号■1998.7発行

表紙 「のかんぞう」

C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森8月号■

おぞねとしこのポエム…のあざみ……3p
知らんの5つの市/……ホームズ……4p
結婚(誕生)…遠藤さん夫妻…5p
クイズ/タウン/現代国語…だい…6-7p
JC・インタビュー…東ちづる…8p-11p
小京都………12-17p
ロータリー………18-19p
ざ・ショートショート………20-21p
海棠市子の映画評………22p
書評・絵本紹介……23p
インフォメーション98………24-27p
協賛店マップ………28-29p
新・こならの森から…………………30p

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【本文抜粋記事】

小京都………12-17p

■コ・京都ミステリー
 このほど、佐野市で市政55周年を記念して、全国京都会議がおこなわれた。古都といわれ都市をあげて見ると、確かに全国には多い。そして、そのいずれもが多かれ少なかれ、究極の都、京都をイメージしているといっていいだろう。東京でさえも京都のイメージを得ているといわれている。東北の藤原三代も京にあこがれそれを思い描いた都市造りをした。東国の京(東京ではない)鎌倉でもしかりだ。京都がなければ、鎌倉の都市造りもまた違ったものになっていただろう。
 なぜそこまでして京都の都市造りは完璧なものとなったのだろうか。実際に、京の都の基礎、平安京は未完の都であった。現在では完成されたように思われる都だが建設当時の思惑とは違っている。平安京が基盤造りをして、基礎を築いた後、信長も秀吉も、京都を根拠地としては活用しなかった。桃山や大阪を拠点に城を築き、根城にした。今の米でいう、ワシントンとニューヨークとでもいうのだろうか。経済や政治の中心がどこに移っても、精神的な中心@母体@を常に京都において来たとも言える。藤原京、平城京、平安京と移り変わった首都としての完成が、現在にも続く『京都』だといえるだろう。
 また、平安京の前に造られた長岡京が、早良親王の怨霊によって現在の京都に変更されたともいわれている。
 映画『もののけ姫』ではないが、なにかこの時代特有のスピリチュアルな文化があったと思われる。
 さて、『古都・佐野』へ話を移そう。現在の佐野市の都市計画は、佐野氏が拠点を唐沢山から今の城山へ移した1602年から始まる。
 『駅南のひろば』に連載の『駅前古今』の著者、郷土史家・京谷博次さんによれば、佐野市の都市計画にも四神相応の考え方あったという。規模は小さいが、1602年(信吉)から、地図にあるような地形の都市づくりをしていた。
 原図は1853年、井伊直弼が佐野に来た時に製作した。太い線は井伊直弼が遊行した道筋を表したもので、当時の道の広さには関係ないという。
■唐代の長安城
 ご存じの通り平安京は中国の長安城をモデルにして建設された。しかし、四方にぐるりと回した城壁は、平安京では簡素なものになっている。日本では騎馬民族のような外来からの襲撃を受けるということはないから、かなりオープンが外壁であったということだ。佐野でも、地図を見る限りでは城壁らしきものは見られない。
四神相応の考え
西■大道=東山道、例幣使街道
北■丘陵=城山、水道山、唐沢山
南■窪地=渡良瀬川沿岸の低地
東■清流=三杉川
 四神相応とは、広辞苑によれば『四方の神、東は青竜(流水)、西は白虎(大道)、南は朱雀(くぼち)、北は玄武(丘陵)の四獣。四季を神に配した称。』それをもとに、相応したもっとも貴い地相が四神相応。東に流水があり西に大道、南にくぼち、そして北に丘陵のある地相がよい。平安京もこの考えに基づいて選定。
[佐野京(佐野市)と平安京(京都)の相違点]
■京より一歩進んだ防御都市
 この近辺ではまれに見る近代的な京都を見本にした都市(計画)であると言える。ただ、京都のような厳格な碁盤の目ではなく、食い違いが防御上の工夫がこらされているというから、時代により京都より(規模の違いこそあれ)さらに進んだ防御都市と言ってもいいと思う。
 京の鬼門にあたる位置には比叡山がおかれている。実際には、長岡京ができたときに開山しているので、京都の鬼門除けのために比叡山が造られたのではないそうだが、長岡京から鬼門方向に向けて京都が造られたことを考えると、その位置関係も始から加味されていたとも考えられる。
 佐野市ではどうか、実は同じように、鬼門に集中して寺が配されている。市内の地図を見て頂ければ一目瞭然だろう。そして、道路の要所要所にも社寺が配されているのである。
 ただ、まるっきりのさら地を開拓したというより、既成の土地を碁盤の目上に整備したものという。
 こならの森掲載の歴史講座の中にも、「道の突き当たりには寺を配します。これは有事の際に寺に防御の役名を果たせるためです。西を流れる秋山川は水堀の役目です。水道山といわれる山には、小野寺から八幡宮を遷座して祀ります。寺の大部分は唐澤山の麓にあったものです。」とあります。 
 佐野市は小京都と銘打っている数ある都市でも、その歴史的古さや、都市計画など、呪術的バリアなどどれをとっても、小(コ)・京都といって過言ではない。しかし、現在では、往年の町並みを残した地区があまりにも少ないので、見ただけ(一見)では単なる地方小都市としか受け取ってもらえない。せいぜい、心に残る一番のイメージはラーメンの町と言ったところだろうか。事実、町に住む人でさえ関東随一のミニ京都だということにあまり関心がないようだ。
 ただ、歴史だけでは日本一の小京都だと威張れる訳ではない。小京都のメンバー都市は名だたる有名な都市が目白押しだからだ。とても本来なら太刀打ちできるものではない。足利市の鑁阿寺周辺の方がソレらしいと思うし、イメージづくりも、その膨らませ方(ハッタリ)も残念ながら佐野市には全くない。