■こならの森156号■2001.4発行
表紙 「三毳山 」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森5月号■
ヤンバルのー子の青春レストラン……4
結婚しました。…………………………5
佐野JC・教育フォーラム……………6
特集・ドライブガイド………………… 10
関東フォーラム とちぎ……………… 13
風の独り言……………………………… 18
現代国語辞典…………………………… 19
やぶいしゃのひとりごと……………… 20
書評/絵本紹介………………………… 21
インフォメーション…………………… 22
[映画・本・CD・ビデオ・コンサート]
各市文化会館情報……………………… 24
タウン情報……………………………… 26
安佐の人名クイズ……………………… 27
協賛店マップ…………………………… 28
こならの森から………………………… 30
■■■■■■■■■■■■■■■
【本文抜粋記事】
風の独り言
もっと奥日光を楽しむために
桜の花も満開になり、水ぬるむ季節となった。待ち遠しい春のおとずれ。私はこの頃になると日光に行きたくなる。しかし、4月、奥日光はまだ冬。5月にならないと雪が溶けない。
お客様によく質問される。「日本で一番景色のきれいな所はどこですか?」。私は必ずこう答える。「日光湯元から金精峠に行く途中の展望台から見る、湯の湖、戦場ヶ原、中禅寺湖、男体山の眺めが日本一きれいですよ」。栃木県人の身びいきかもしれないが本当にそう思っている。私は日光が大好きなのだ。
読者諸兄は奥日光に地図にのっていない小さな湖があるのをご存知だろうか。
名前を「蓼湖」「タテノウミ」という。湯元温泉から切込湖・刈込湖に行くハイキングコースを200m程入り、左手の谷底を見ると、周囲300m程の小さな湖(池)が見える。
この湖に入る正式な道はない。水の通り道を探し、熊笹をかき分けて少し下りると湖岸に出る。湖岸を右手に進むと幅1m程の流れ込みに出る。人がまったく入らないので、この辺の景観は神秘的なほど美しい。水は少しも色を持たないし、周りの木々は他より色濃いような気がする。
さて小川の底をよく見ると、ビックリするほど大きなニジマスが泳いでいる。体長30~40cm位だろうか。ここのニジマスは7、80年前に湯の湖から移殖されたものだそうだが、完全に野生化している。尻尾がピンとはって美しい魚体をしている。よく見ると雪解けの春だというのに赤い婚姻色をしている。普通は秋に婚姻色が出て、オス、メス川を遡上し、適当なザラ瀬を見つけて産卵するのが定説である。ところがここのマスは春に婚姻色が出ている。
何度か通いつめているうちに気が付いた。蓼湖に流れ込む小川は幅1m水深1m程。川を上ると約300m程で地中からの涌き水になり、川は途切れてしまう。この川は秋には枯渇してしまうのではないか。雪解けの今の時期にしか小さくても豊かな水量は維持できないのではないか。オス、メスが川を上り、並んで産卵できるのは今だけなのかも知れない。このことは私の仮説でしかないが、これが事実だとすれば大変な発見だと思う。この小さな湖に生きるマス達は種族保存のために、いつの時からか水量の多い春に結婚するようになってしまった。大自然に生きるとはなんと驚異的なことだろう。種族の継承のためにその婚期までも替えてしまった。なんという生命力、自然の力か。
小川の入り口で神聖なマス達にそっと告げる。「頑張っていつまでも生き続けろ。」
この湖は神秘の湖、そっと近づいて、そっと帰ってほしい。
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表紙 「三毳山 」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森5月号■
ヤンバルのー子の青春レストラン……4
結婚しました。…………………………5
佐野JC・教育フォーラム……………6
特集・ドライブガイド………………… 10
関東フォーラム とちぎ……………… 13
風の独り言……………………………… 18
現代国語辞典…………………………… 19
やぶいしゃのひとりごと……………… 20
書評/絵本紹介………………………… 21
インフォメーション…………………… 22
[映画・本・CD・ビデオ・コンサート]
各市文化会館情報……………………… 24
タウン情報……………………………… 26
安佐の人名クイズ……………………… 27
協賛店マップ…………………………… 28
こならの森から………………………… 30
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【本文抜粋記事】
風の独り言
もっと奥日光を楽しむために
桜の花も満開になり、水ぬるむ季節となった。待ち遠しい春のおとずれ。私はこの頃になると日光に行きたくなる。しかし、4月、奥日光はまだ冬。5月にならないと雪が溶けない。
お客様によく質問される。「日本で一番景色のきれいな所はどこですか?」。私は必ずこう答える。「日光湯元から金精峠に行く途中の展望台から見る、湯の湖、戦場ヶ原、中禅寺湖、男体山の眺めが日本一きれいですよ」。栃木県人の身びいきかもしれないが本当にそう思っている。私は日光が大好きなのだ。
読者諸兄は奥日光に地図にのっていない小さな湖があるのをご存知だろうか。
名前を「蓼湖」「タテノウミ」という。湯元温泉から切込湖・刈込湖に行くハイキングコースを200m程入り、左手の谷底を見ると、周囲300m程の小さな湖(池)が見える。
この湖に入る正式な道はない。水の通り道を探し、熊笹をかき分けて少し下りると湖岸に出る。湖岸を右手に進むと幅1m程の流れ込みに出る。人がまったく入らないので、この辺の景観は神秘的なほど美しい。水は少しも色を持たないし、周りの木々は他より色濃いような気がする。
さて小川の底をよく見ると、ビックリするほど大きなニジマスが泳いでいる。体長30~40cm位だろうか。ここのニジマスは7、80年前に湯の湖から移殖されたものだそうだが、完全に野生化している。尻尾がピンとはって美しい魚体をしている。よく見ると雪解けの春だというのに赤い婚姻色をしている。普通は秋に婚姻色が出て、オス、メス川を遡上し、適当なザラ瀬を見つけて産卵するのが定説である。ところがここのマスは春に婚姻色が出ている。
何度か通いつめているうちに気が付いた。蓼湖に流れ込む小川は幅1m水深1m程。川を上ると約300m程で地中からの涌き水になり、川は途切れてしまう。この川は秋には枯渇してしまうのではないか。雪解けの今の時期にしか小さくても豊かな水量は維持できないのではないか。オス、メスが川を上り、並んで産卵できるのは今だけなのかも知れない。このことは私の仮説でしかないが、これが事実だとすれば大変な発見だと思う。この小さな湖に生きるマス達は種族保存のために、いつの時からか水量の多い春に結婚するようになってしまった。大自然に生きるとはなんと驚異的なことだろう。種族の継承のためにその婚期までも替えてしまった。なんという生命力、自然の力か。
小川の入り口で神聖なマス達にそっと告げる。「頑張っていつまでも生き続けろ。」
この湖は神秘の湖、そっと近づいて、そっと帰ってほしい。
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