KONASUKEの部屋

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ツツハナバチ20210411

2022年02月13日 | ハチ目
ツツハナバチ。
触角は長め。
胸の両側はフサフサ。
丸い腹は、先の方だけ黄褐色の毛で覆われています。

顔がオレンジ色なのは、ヒメオドリコソウの花粉にまみれているようです。
最初、そういう色のハチかと(笑)

日本産ツツハナバチ属としては
シロオビツツハナバチ
オオツツハナバチ
マメコバチ
ツツハナバチ
マイマイツツハナバチ
イマイツツハナバチ
イシカワツツハナバチ
の7種が知られているようです。

①触角は比較的長い
②胸の両側には長い毛が生える
③腹の先だけ濃く毛が生える

RDB:
山口県・情報不足
分類:
ハチ目ミツバチ上科ハキリバチ科ハキリバチ亜科ツツハナバチ属
体長:
♀10~13mm
♂8~12mm
分布:
北海道、本州、四国、九州(日本産ツツハナバチ中、最も分布範囲が広い)
山間地
成虫の見られる時期:
4月~5月
成虫で冬越し
エサ:
成虫・・・主としてバラ科植物の花
幼虫・・・♀の貯蔵した花粉団子
その他:
体は暗青緑色で、金属光沢がある。
毛の大半は赤褐色で、黒褐色毛が混じる。
♀の頭楯両側には一対の突起があるが、上から見るとその間隔は近縁のマメコバチと比べて狭く、中央前縁には短い突起がある。
♀は幼虫の餌として花粉を集めるため、腹部腹板に刷毛を持つが、♂ではこれを欠く。
♂は腹部末端の尾節板を欠く。
触角は比較的長く、♀より♂の方が長い。

平地ではマメコバチが多いが、山間地では本種が多くなる。
生息地は局所的で、一般に生息密度は高くない。
マメコバチよりも出現時期は遅い。
晴天の日で14~15℃以上で、活発に活動を始める。

地上の既存坑や竹筒に♀単独で営巣し、育房の隔壁を泥で仕切る。
そのため、湿った土壌の豊富な場所に、好んで集まる。
仕切壁作成中だけ吸水の習性が観察されることから、仕切壁を湿らせて加工しやすくするためと考えられる。
内径6.5~6.9mm、長さ150~169mmの孔を好む。
営巣する坑道の径が一定の大きさを超える場合、下半分の三日月型の隔壁を作ってから、花粉を運び込む習性が現われるという。
花粉団子は、ハチミツが混入され湿っているのは前面の一部分だけで、乾燥している。
(他のツツハナバチ類では、ハチミツの添加が毎回行われ、花粉団子は均一に湿る。)
一個の花粉団子を作製するために、11~37回(平均21回)の花粉荷が運搬される。
仕切壁の位置は測定して決定しており、触角、体長、歩測を物差しとする。
天候不順、花粉蜜源植物の不足で、花粉団子の作成と排卵のテンポが一致しないと、成熟卵の退化が誘発される。
この場合、花粉荷を運搬せず、仕切壁作りを行うか、単に巣を出入りする行動が見られ、独房が存在しないなどの異常巣を作る。
奥に♀幼虫の育房、手前に♂幼虫の育房があり、♀の育房の方が広い。
♂の方が先に脱繭するのに都合が良い。

晩夏の内に蛹化し羽化するが、休眠し、そのまま翌年の春まで巣から出て来ない。
この休眠は、ある特定の温度に晒されたのち、低温に一定期間晒されることで覚醒する。
脱繭の時期や速度は外気温に左右され、♂の方が早い。

先に脱繭した♂は巣のそばで、♀が脱繭するのを待つ。
巣の前面で縄張り飛翔と呼ばれるパトロールを行う。
ほぼ垂直方向に、50㎝ほどの狭い範囲で群がって、ジグザグ状に行われる。

♂は♀を見つけると、背後から押さえつけ、大腮で♀の頭頂から頭楯まで齧るように擦る。
同時に腹端を大きく曲げ、先端で♀の翅上を後方から前方へ擦る。
求愛行動の合間に休息することがあるが、♂は触角をクルクルと回転させる。
交尾は処女♀に限って見られ、交尾を完了した♀は、♂が求愛行動を続けても、再び交尾に応じない。

脱繭後、♂♀ともに定位飛行を行い、♀は1~2週間で再び脱繭した場所に戻って来て営巣する習性(帰郷性)が強い。
定位飛行はジグザグ飛行と円形飛行の組み合わせで行われ、これによって自分の巣の位置を正確に記憶する。
営巣前の♂は巣材の内や周辺で、集団で越夜する。
営巣中の♀は全て、巣内の作りかけの花粉団子の前で、奥向きで越夜する。

最高産卵数は13.7±0.7個。
幼虫は4齢(終齢)で脱糞を始めるが、糞と糞の間がくびれて繋がっている。
(他の多くのツツハナバチ類では、個々がくびれて切れ目がハッキリした数珠玉状。)
孵化して数週間で、幼虫は貯蔵されたエサを食べ尽くし、繭を作って蛹化する。
前蛹の期間は約2か月と極めて長い。
営繭の際、通常、頭部を入り口側に向ける(筒(孔)類に営巣する有剣類に共通)。
繭は俵型で、先端部の小突起は尖る(Osmia亜属共通)。
繭は、後部独房壁の前面(凹面)に繭の後端部を、筒壁の一部に繭の側面の一部を密着させる(密着型)。
繭は赤色味を帯びた黒褐色で、外側を白っぽい糸で、薄く膜状に被覆される。

シリアゲコバチ、ツツハナトゲアシコバチ、アシブトコバチ、エゾクロツリアブなどに寄生される。
また、アカマダラカツオブシムシ、ナガヒョウホンムシ、トビイロケアリが虫体に加害することがある。
コクヌストモドキは未完の花粉団子だけを摂食する。
参考:
竹筒ハチデータベース
そよ風のなかでPart2
ヒゲおやじの蜂類生態図鑑
荒川の自然
Asianprofile
ツツハナバチ属によるりんごのポリネーションに関する研究:(Ⅱ)ポリネーターとしてのツツハナバチ属利用の特性と問題点
日本のレッドデータ検索システム
日本産ツツハナバチ類の比較生態学的研究、特に花粉媒介昆虫としての利用とマネージメントについて


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