久坂部 羊の「破裂」読みました。
面白かったけど、いろいろ考えてしまいました。
この著者は阪大医学部の方なんですね。
きっと、痛恨の症例とやらは多少ふくらませてあっても、事実なんでしょう。
私ももとは医者志望だったけど、他人より絶対うっかりミスとかボケが多いので、
絶対なんかすごいことやりそうって思ってやめました。
たぶんもし医者になっていたら、痛恨の症例の女医になってたかもしれません。
だけど、医者も人間だから、絶対間違いはあるし、会社みたいに後からチェック
とかないから、怖いですよね。
取り返しがつかないし。
去年久し振りに高校のクラス会があったのですが、結構医者になっている友達が
ちょっとした失敗とかを軽く話していて、違和感感じました。
もちろん、みんな少しでもよくしたいって頑張っているのはわかるけど、会社での
普通の失敗のように話すのって、ちょっとねって他の友達と後で話してしまいました。
あと、どうしても自分の知っている人かそうじゃないかで、やっぱり真剣度は違って
しまうって言ってる人もいました。(それは同級生ではないけど)
でも、友人に直接診てもらうのは診てもらう場所選びますよね(^^ゞ
まあ、いいお医者さんを紹介してくれるのが一番いいかな(笑)
話はそれましたが、この小説の主題は冒頭の医療過誤にメスを入れると思って
いたら、違いました。
高齢者医療、安楽死について書きたかったみたいです。
高齢者医療はとっても微妙です。
この前もなんかテレビで高齢者が保険料払えなくって、医療も受けられないから、
所得によって保険料も変えて低所得者を救うって政治家が議論してました。
どっちかと言うと、また取りやすいサラリーマンから搾取して、政治家とかは
ちゃんと抜け道があって、損はしないんでしょって白けた気分でした。
そうはいっても自分も通る道だし、一概に無駄と切り捨てられないですよね。
確かにどんどん高齢者社会になっていて、私たち若い世代はとられるだけ
とられて、いざ自分が年取ったら全く無視されそうで悲しいわ。
年金みたいにね。
確かに安楽死はする権利ってあってもいいかもしれないです。
考えることはできても、他は何も動かない状態になってしまったり、ものすごい
苦痛が続いたりしたら・・・
死ぬのは、2度と目覚めないつまり2度と知覚できないということで、私はとっても
怖いけど、安楽死を考えてしまうかもしれません。
動けなかったら、考えた結果も言えないかもしれないけど。
でも、この著者の書き方はちょっと視点があまりに血が通ってなくって怖いです。
逆説的問題提起なのかしら。
実はちょうど1年前祖母が脳梗塞で倒れて、ほとんど寝たきりになってしまいました。
一時期は命も危ないかもということで、家族で福岡までお見舞いにも行きましたが、
あまりに変わり果てた姿に呆然としました。
キムタクがカッコイイ!と必ずドラマをかかさず見ていたおばあちゃん、
お洒落でおしゃべりも大好きだったおばあちゃん
美味しいものが大好きで、腰が悪いからやせないとだめですって言われても、
何も食べてないのにねえって言い張っていたおばあちゃん
なのに、喉とかがマヒしてしまって食べたり話したりできなくなってしまったのです。
今は胃ろうもして、母が会いに言ったりすると笑ったり、声は出せるらしいけど、
それ以上の回復はないそうです。
そして、今の病院って治療しないといられないそうで、介護している叔父さんは
いられるところをとってもいろいろ探し回ったとのこと。
この著者の理論だと、ポックリいける方が幸せということですが、本当に
そうなのか私にはわからないです。
去年お見舞いに行ったときも、とっても嬉しそうなのは、わかりましたもの。
思わず長くなってしまいましたが、ちゃんと考えていかないといけないことだと
思います
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